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経費精算クラウドサービス

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企業の経理業務の中で、社員の経費精算は件数も多くチェックも必要なため、非常に手間のかかる仕事です。さらに、コロナ禍の近年でも、この処理のために出社する経理社員も多いようです。

しかし、最近は手軽に全ての工程をクラウドで完結できるサービスが始まっています。そのサービス内容、メリットを見ていきます。

経費精算の現状

経費精算とは、出張による交通費など、社員が立て替えた費用を申請してもらい、所属部署内や経理でチェックした後、現金や振り込みによって社員に支払う業務です。さらに、費用の内容を仕訳し、決算業務にも繋げていきます。

その際、費用勘定の科目をどれにすれば良いか?申請内容と料金に間違いはないか?職位によって認められた交通機関か?(グリーン車など)など、判断業務や調査業務を伴います。

社員に一旦立て替えてもらっている費用なため、迅速な処理スピードが求められますし、正確性も求められます。社員の活動が活発になればなるほど増える業務ですが、手間も多く従来から経理担当の悩みの種でした。

さらに、請求書と並んで紙での処理が必要な業務として、最近のコロナ禍の中でクローズアップされてきました。

画期的な法律の改正

領収証などの国税関連書類については、もともと紙の状態で7年間の保管が必要でした。目的は法人税などの納税を適切に行うためです。

紙の書類の場合、一旦作成すると偽造しにくく、不正されにくいため、このルールが長く続いていました。

そのため、経費精算の実務においても、紙である領収証の原本が必要になり、結果としてテレワークを要請される状況になっても、経理社員の出社は必要になっているわけです。

その後、世の中のペーパーレス化の波や民間企業の強い要望があり、1998年に国税関連書類の電子保存を認める「電子帳簿保存法」がスタートしました。

しかし、コンピュータシステムから出力されたデータのみ認められていたため、なかなか普及しませんでした。

その後スキャナーで撮ったデータも可能になりましたが、電子署名が必要だったり、取引額が3万円未満に限定されていたりしていたため、やはりあまり普及しませんでした。

しかし、2016年に再度改正され、領収書をスマートフォンで撮影し、経理に送ることで事務処理が可能になりました。その規制緩和内容は以下の通りです。

①スキャナー要件の規制緩和

これまで、領収証などの国税関連書類について、原稿台と一体になったスキャナー(いわゆる据え置き型のスキャナー)の規制が無くなり、スマートフォンで撮影した画像データが使えるようになりました。

②電子署名の廃止

従来、領収証の電子データはその真正性を保証するために、電子署名を施していましたが、その要件が無くなりました。

その代わり、紙の領収証に自筆でサインし、クラウドサービス側で提供するタイムスタンプ(注1)処理を行えば、真正性を担保できることになりました。

③原本の領収証も保存不要

領収証をはじめとする国税関係書類をデータ保存する場合は、所轄税務署長の許可が必要ですが、その申請を行う際、「受領者読取」という選択をしておけば、領収証の原本と電子化したデータの比較確認を受領者以外の人(経理社員など)が実施しなくて良いことになったため、原本の領収証すら会社に送らず廃棄しても良いことになりました。

つまり、会社員が出張先から、スマートフォンだけで経費精算が完了することになったわけです。

さらに、2020年10月の改正では、クレジットカードや交通系カードなどのキャッシュレス決済データを取り込み、領収証の撮影すら不要になるシステムも承認されました。今後、急速な普及が予測されます。

【参考】国税庁 過去の電子帳簿保存法の改正

https://www.nta.go.jp/law/joho-zeikaishaku/sonota/jirei/08_1.htm

経費精算クラウドサービスの仕組み

経費精算クラウドサービスでは、インターネットに接続できる環境さえあれば、早期に導入できます。

まず、経費精算したい社員が、クラウドサービスにログインします。受け取った領収書に署名をした後スマートフォンで撮影し、クラウドサーバーに送ります。クラウドサーバーでは送られてきた画像データにタイムスタンプ処理を施します。

その後、上司や経理の承認を得た後、AIで領収証の内容を判断して勘定科目を設定します。最後に、仕訳データとして、ユーザー企業の会計システムに取り込まれます。

これまでは、出張した社員が帰社した後、領収証を整理して紙で申請書を作るというシーンがありました。

そしてその書類を上司がチェックして承認し、その後また経理がひとつひとつチェックするという工程があったわけですが、それらが大幅にスリム化されるわけです。

まとめ

経費精算業務は、煩雑な割に正確さとスピードが要求される業務であり、ペーパーレス化が出来ない業務と言われてきましたが、近年矢継ぎ早な法改正に伴い、便利なクラウドサービスが多く出現しています。

一般に、納税の適正化など、国の重要施策の法改正は慎重に行われるため、改革スピードの低調さが懸念されていましたが、この異例ともいえるスピード感は企業にとって恩恵をもたらせてくれました。より、フルテレワークの時代が近づいてきたようです。

(注1)タイムスタンプ
一般財団法人日本データ通信協会が認定するタイムスタンプ局が電子データの情報を読み取り、時刻情報をもとの電子データに紐づけして保存することにより、その時刻にそのデータが存在していたことと、改ざんされていないことが証明できる。

著者:hanbaishi
中小企業診断士。専門は経営・マーケティング・起業家指導・IT化支援。・TBC受験研究会にて診断士講座講師、福岡県産業・科学技術振興財団ベンチャースクール講師を経て、現在、専門学校で販売士検定・起業論・就職指導を行う。著作「中小企業のためのASPサービス導入に関する調査・研究(中小企業診断協会)」「繁盛店への道(財団法人福岡県企業振興公社刊)」等。趣味は黒鯛の落とし込み釣り、魚料理。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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