中堅中小企業が大企業に伍して新卒を採用するには?(第2回/全5回)

株式会社日本経営開発研究所2新社会人採用

第2回:2019年採用以降の新卒採用の変化

同じリクルートスーツを着用し、ただがむしゃらに個社説明会を受けて、いち早く内定を取るために大学3年生から準備を始める。

今まで、日本の学生が普通に行ってきたこの就活のサイクルですが、ここ2~3年で変化してきています。

まず、学生の早期活動が活発になりました。
選考開始時期前、大学3年生の時期から企業の情報収集(就活プレ期間)にあたるのが一般的ではありましたが、就活プレ期間に活動する学生がここ数年増加傾向にあります。

 

活動時期を逃すと、終わる日本の就活

(※参考:キャリタス就活2018 インターンシップに関する調査)
http://www.disc.co.jp/uploads/2017/03/18internship_201703.pdf

インターンシップ参加経験の学生は、
・2018年卒は76.4%
・2014年卒は52.5%
4年間で23.9%もUPしていることが分かります。

今や、学生はインターンシップに参加するのが当たり前になってきており、今後企業側も、インターンシップ後に学生を囲い込む施策を行っていくことが予想されます。

こうした早期化の流れは、学生にも企業にも負担をかけ、早期化の波に乗れなければ、就活についていくことができなくなってしまいます。

 

新卒採用のあり方を考える

そんな中、新卒採用のあり方について、考える企業が増加しているのも確かです。

【マイナビ転職の調査結果https://mynavi-job20s.jp/guide/guide02.html】によると
本年よりも積極的・・・18.1%
本年と変わらず積極的・・・44.1%
本年と変わらず消極的・・・12.8%
本年よりも消極的・・・6.4%
第二新卒の採用はしない・・・18.1%

上記から、第二新卒に力を入れる企業は多く、企業の業種や一部職種で、「新卒採用」を行う意味が、改めて見直されつつあると考えています。

そもそも新卒のメリットとしては、

【優秀な人材を低コストで確保】できるところにあります。

しかし一方で、マーケットの大きさから、効率よく多くの人材を集められるというメリットもあり、一度に大量採用を行いたい企業であれば、放っておけるマーケットではありませんでした。

いち早く状況を察知できた企業は、採用の領域や採用チャネルを増やすなどして、充足を行っていますが、現状、柔軟に適応できていない企業はまだまだいます。

今、企業にとって重要なのは、改めて「新卒採用」のメリットを認識し、自社にとって「新卒」はどういった立ち位置になるのかを意識することです。

優秀な人材を採用したい。
その「優秀」とはどういった意味での「優秀」なのか…。
ポテンシャル採用がほとんどの新卒採用の中で、技術や資格など明確な基準がない場合、わざわざ激化する新卒採用一択の勝負をする必要はないのかもしれません。

 

採用はもう、ただの人集めではなくなっている

(参考:HR総研「2016年度新卒採用の意識調査」)
http://www.hrpro.co.jp/research_detail.php?r_no=99
【昨年度と採用方針変える予定】
・変える予定…42%
・変えない予定…35%
・未定…23%

【大手就職ナビサイトのみを使用するか】
・はい…54%
・いいえ…46%

 

企業がマスでとにかく広報し、学生を集め、その中から選別していく。

情報化社会となった現在は、いくらかミスマッチはなくなりましたが、手法としてはあまり変化がありません。
学生側にとっても、企業側にとっても無駄に工数がかかるだけでした。

学生の早期化が増えていく2016年を前後に、主に学生の学群に絞ったターゲティング採用が活発となり、また、スカウト系の就活サイトも増加しはじめました。

今まで「待つ」側だった企業は、「積極的に動く」ことで効率よく優秀層を確保できるようになったのです。

また、大量の人材が必要となる企業群に関しても、新卒採用だけではなく、チャネルを広げていきました。
例えば外食産業では、「アルバイト登用」に力を入れているところが増えています。

㈱すかいらーくは、2015年から「アルバイト登用」に力を入れており、18卒に関しては、8割をアルバイトから登用する計画を立てるほどです。

 

ユニリーバは大学1年~卒業後3年を対象に通年採用を行う予定で、選考に漏れたとしても、1年後に再度選考に参加できるチャンス制度も取り入れています。
https://style.nikkei.com/article/DGXMZO20459330Y7A820C1000000?channel=DF230320172168

このように、徐々にではありますが、企業側も大手採用サイトへ預けっぱなしの採用ではなく、様々な方面で工夫を凝らしながら、学生に積極的にアプローチをしています。

 

リファラル採用

昨今様々な企業で取り入れられている、「リファラル採用」はご存じでしょうか。

【企業に属する社員やアルバイトから、友人や知人を紹介、推薦してもらう採用手法】なのですが、

大量採用を必要とする企業に有効とされていて、日本でも大企業だけでなく、中小企業やベンチャー企業も取り入れ始めています。

リファラル採用をうまく使えば、優秀な人材を低コストで採用することもできますが、企業を友人に紹介したい、と思えるような社員との関係性に企業がなっていなければ、リファラル採用を導入しても動かないため、最低限、社内の理念浸透などは重要になってくるかと思います。

社員の分母などを考えるとそういう意味では、中堅中小企業のほうが、リファラル採用に向いていると考えているため、一度検討してみるのもいいのではないでしょうか。

 

総論:採用人数によっては日本の就活サイクルに乗ってはいけない

今回、変化していく新卒採用の実態を説明させていただきましたが、この記事を通じて是非、是非みなさんに考えていただきたいことが2つございます。

1、「新卒採用」を行う意味

先でもお話しましたが、まずは「新卒」をなぜ採用するのか、したいのか、改めて考えていただきたいと考えています。
会社の中で、どんな役割を果たすのかまで考えていただくと、自ずと必要な人数が出てくると思います。
その上で、効率的な採用手法を改めて考えます。
もしかすると、現状の就活サイクルに乗らない方がいい、という結論になるかもしれません。

2、積極採用を意識していただくこと

これからは、ただ待つだけの採用は優秀な学生を逃すことに繋がります。
各社工夫を凝らし、大企業でさえも必死に学生の囲い込みを行います。
そして、売り手市場とはいっても今の学生は、企業の本質的な部分を見逃さない、1枚も2枚も上手の存在であるということをしっかり認識いただくことが重要です。

従来のように表面的なメリットだけを流す虚構な就活はもうありません。
学生に本音でぶつかり、すべてを理解してもらったうえで入社してもらう。
それが現状のリアルな就活です。

 

筆者:鈴木博之
■プロフィール
現在、10社以上の中小中堅企業の
主に新卒採用を支援。

ポテンシャル採用の新卒採用だからこそ、
データや数式だけにこだわらない
定性的な判断が必要だと考えており、

自身の就職活動の経験や、
学生との直接接点で得た情報をベースに
リアルな就活の現状を
多くの企業に伝えている。

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