企業がより実績を上げるために昨今注目されているのが「組織活性化」というキーワードです。実際、活性化という言葉を聞けば、有用なイメージを持つ方も多いと感じます。
しかし、組織活性化が必要といわれても、どのような状態をもって組織が活性化しているといえるのか、また、活性化には何が必要なのかなど疑問に感じる点も多いはずです。
そこで本記事では、組織活性化に必須となる人材育成と併せて、組織活性化に必要なポイントまで詳しく解説していきます。組織活性化のために、何から手を付ければよいのかとお悩みの方は、ぜひ最後までご参考にしてください。
そもそも組織活性化とは何か?
組織の活性化を目指すには、まず組織活性化とは何かを明確に理解しておかなければなりません。
まずは、組織活性化の定義から注目される背景、活性化した組織の特徴を見ていきましょう。
社員が主体的に活動し、組織全体を前進させるための施策
組織活性化とは何かを端的に示せば、社員間のコミュニケーションが活発で、一人一人が主体的に動くからこそ組織全体が前進できるような状態を指します。
組織全体の生産性を高めるには、上司や経営者が示す理念や指導も大切ですが、社員一人一人が主体的に動き「すべきことを自ら成す」ことが重要です。例えば、仕事が早く丁寧な社員がいたとしても、徹底的な指示待ちの状態では生産性を底上げすることは叶いません。なぜなら、上記社員への指示出しのために、もう一人の社員が必要になるからです。
このような状態を作り出さず、社員一人一人が裁量を持って動けるようになるには、個人レベルで企業理念を正しく理解し、自信をもって毎日の業務をこなせるような状態・環境が必要になります。
この状態・環境を作り出すことこそが、組織活性化につながるのです。最終的な目的は企業全体の生産性向上などが挙げられますが、直近の目的としては「社員が生き生きと働ける環境づくり」だと考えましょう。
活性化した組織の特徴
では実際のところ、活性化した組織とはどのような特徴を持っているのでしょうか。主な特徴は以下のようになります。
・企業のビジョン、理念が末端社員まで浸透している
・社員間のコミュニケーションが活発
・社員の主体性、モチベーションが高い
・企業の生産性が向上している
活性化=意欲的・元気と考えれば、イメージがわきやすいと感じます。企業理念を理解しているからこそ、社員は何を優先して業務をこなすべきなのかを自身で判断できるようになります。
また、社員間のコミュニケーションが活発であれば、成功・失敗共に情報共有がスムーズになり、社員間の連携もまとまるようになるのです。主体性やモチベーションにおいては、社員が生き生きと働くために必須のポイントといえるでしょう。
これらの下地があることで、企業全体の生産性を底上げすることにもつながっていくのです。
組織活性化のために行うべきこと
組織活性化とは何かを理解した後、次に気になるのは「ではどうすれば組織活性化を実現できるのか」といった点になります。
ここからは、組織活性化のために行うべきことを具体的に見ていきましょう。
企業理念の共有と定着を促す
まず行うべきは、企業のビジョンや理念の共有と定着を徹底することです。先述したように、社員に主体的に動いてもらうためには、自身が所属する企業が何を大切にしているのか、なんのために働くのかを理解していなければなりません。
例えば、顧客ファーストを掲げている企業であれば、お客様のために自分にできることは何かを考えるきっかけとなるでしょう。また、地域社会を活性化させることを掲げているのであれば、商材や取引先を選ぶ際に、まず地域に目を向けることができます。
企業そのもののビジョンや理念が確立していること、上司や経営陣がビジョンや理念に沿った動きをすること。そして、社員に企業理念を理解してもらうための施策や時間を設けるようにしましょう。
コミュニケーションを活発にする
組織活発化に必須となるのが、社員・上司間のスムーズなコミュニケーションです。ただ、コミュニケーションを活発化しようと言われても、一朝一夕には難しい面があることも事実です。
以下、コミュニケーションを活発化するための具体策を確認してみましょう。
1on1ミーティング
まずおすすめになるのが、1on1のミーティングです。直属の上司と定期的なミーティングを行うことで、効果的な人材育成が期待できる方法のひとつ。
人というものは、複数人数でコミュニケーションをとろうとしても、いつも特定の人だけが話しがちです。会話が得意な人は気負わず喋り出しますし、会話が苦手な人は得意な人に任せて自分は黙ってしまうもの。
しかし、1on1であれば、上司の問いに答えるのは自分だけです。特定の人だけに発言の機会が偏らないため、社員全員の気持ちや言葉を引き出す際に有用な方法だといえます。
なお、直属の上司意外に、他部署の上司と1on1を行う「斜めミーティング」も、組織の膠着を是正したいときなどにおすすめです。
自社に合ったITツールの導入
リモートワークを実施中など、口頭によるコミュニケーションが難しい場合は、ITツールの導入や見直しも有用です。
業務連絡をメールや電話だけに頼っていると、時間を気にしたり確認しにくかったりと 業務自体に支障をきたすことも考えられます。より手軽にコミュニケーションが取れるチャットツールや、SNSも活用していきましょう。
なお、ツール導入時は、実際に自社の問題を解決できるツールなのか、社員がツールを問題なく使えるのかも意識しましょう。
ITツールを導入すれば、それだけですべての問題が解決されるわけではありません。ツール導入の目的を明確にした上で、自社の状況に合ったものを選択しましょう。
働きやすい職場環境を整える
経営陣、上司が行うべきこととしては、社員一人一人が働きやすいと感じられる環境を整えていくことも大切です。例としては以下のようなものが挙げられます。
・褒章、インセンティブによる仕事のやりがい
・有給休暇の取得率アップ
・フリーアドレス制の導入
・マルチタスク制の導入など
報酬や有給休暇の取得率などは、社員にとってはシンプルにやる気を押し上げ英気を養える状態を作れます。
フリーアドレス制は、職場で固定の席を作らない方法です。その日の気分で自由な席を使えるようになる事で、今まで接点がなかった社員間のコミュニケーションを促すことにつながります。
マルチタスク制は、個人に複数部門を担当させる方法です。業務の属人化を防ぎ、複数部門を担当することで新たな視点からの知見を得ることができます。柔軟な思考力や対応力を養うことにもつながるでしょう。
人材育成に力を入れ、育成体制を整える
ここまで見てきたように、組織の活性化を促すには社員それぞれの成長や関りが必須です。人(社員)がいてこそ、企業は業務を進められ、人が成長するからこそ企業も成長するのです。
これらを考えれば、人材育成に力を入れ、育成体制を整えることは急務といえるでしょう。
新入社員の育成をチーム全体でサポートする体制を整えることは、多くの企業で実践していることと感じます。また、それだけではなく、若手リーダや次世代の管理職を育成するためのカリキュラムを整えるなど。企業全体の育成体制を見直す必要もあるはずです。
人材育成として利用できる手法は多岐にわたります。OJT、セミナーの実施など、社員のレベルに合わせた育成体制を整えていきましょう。
まとめ
企業の社員一人一人が生き生きと働ける組織活性化を目指すには、さまざまなアプローチ法があります。まずは社員全体に企業理念・ビジョンを正しく共有してもらうことから始めると良いでしょう。
その上で必須となるのが、人材育成の体制を整えること。何度も触れてきたように、組織の運営には人(社員)が必須です。業務を滞りなく進めることはもちろん、社員の一人として自信を持ってもらうには「自分はできる」という強い自信が必要になります。
当社が提供する「錬成講座」では、実践的な討議を通じて「自分で考え、実践する」力を育みます。自社内だけの人材育成では心もとない、育成体制をすぐに整える時間がないとお悩みの場合は、お気軽にご連絡ください。