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人材育成におけるCDPとは?導入メリットや設計ステップを徹底解説

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「CDPを実際に導入した際のメリット・デメリットが知りたい」
「すぐ効果が期待できない手法も取り入れるべきなのか…?」

とお悩みではありませんか?CDPとは、従業員の中・長期的な能力開発法として注目を集めている手法の一つです。

しかし、次々と新しい概念や考え方への対応を迫られる昨今、即座に効果が期待できない手法が後回しになってしまうのも仕方がないことでしょう。

ただ、近年では「つらい仕事も頑張って3年は耐えろ」という言葉が形骸化し、転職ありきの職探しがもはや当たり前になりつつあります。そして、そのような時代だからこそ、人的資本経営への注目が高まり、従業員一人ひとりのキャリア形成を支援する「CDP」の重要性が増しているのです。

本記事では、CDPの基礎知識から導入のメリット、具体的な設計手順までを詳しく解説し、組織と個人の成長を両立させるためのポイントを明らかにします。

CDP(キャリア・デベロップメント・プログラム)とは?

そもそも、CDPとはどのような仕組みを指すのでしょうか?なんとなく理解しているけれど、説明まではできないという理解度の方がまだまだ多いと感じます。

そこでまずは、CDPの定義を整理し、他の人材育成手法や概念と何が異なるのかを正しく理解していきましょう。

中長期的なキャリア形成を支援する仕組みを指す

CDP(Career Development Program)とは、従業員が自身のキャリア目標を定め、企業が従業員の目標達成を中長期的に支援する計画的な仕組みを指します。

従来のように、企業が一方的に配属や教育方法を決めるのではなく、個人の適性や希望を反映させながら、戦略的に能力開発を行うということですね。

例えば、将来の幹部候補として期待する社員に対し、5年から10年というスパンで「営業・企画・海外拠点」といった複数の部門を経験させる育成計画を立てることなどが挙げられます。

「人が足りないから」といった場当たり的な異動ではなく、将来のゴールから逆算して経験を積ませることで、組織に必要な専門性と多角的な視点を持った人材を確実に育成できます。

キャリアデザインとの違い

CDPと混同されやすい言葉に「キャリアデザイン」があります。両者の違いは「主体」が誰であるかという点で明確に区別されます。

キャリアデザインは、従業員個人が自分の人生や働き方の構想を描くことを指すのに対し、CDPはその構想を企業が制度としてバックアップし、実行に移すための具体的なプログラムを指します。

例えば、社員がキャリアデザイン研修を通じて「5年後にITコンサルタントとして独立できるレベルになりたい」と考えたとき、会社側がIT関連の高度な案件へアサインしたり、専門資格の取得を支援したりするのがCDPの役割です。

個人の理想(キャリアデザイン)を組織の成長(CDP)へと組み込むことで、双方がWin-Winの関係を築くことが可能になるでしょう。

CDPを導入するメリットとデメリット

CDPは従業員の成長を促す強力な手法ですが、その導入にはポジティブな側面だけでなく、どうしても運用上のリスクも存在します。

導入を検討する際、得られるリターンと発生しうるコストの両面を天秤にかけるためにも、メリットだけではなくデメリットも把握しておきましょう。

メリット

CDPを導入する最大のメリットは、従業員のエンゲージメント(貢献意欲)が飛躍的に高まる点です。

会社が自分の将来を真剣に考え、成長の機会を具体的に示してくれることで、社員は「この会社で働き続ける価値」を見出し、離職率の低下やモチベーションの維持につながります。

実際に、自身のキャリアパスが明確な職場では、社員は日常のルーチンワークに対しても「これが将来の目標につながっている」という納得感を持って取り組めるようになるはずです。

その結果、学習意欲が高い「自律型人材」が育ちやすくなり、変化の激しい市場環境においても柔軟に対応できる強い組織体質を構築できるでしょう。

デメリット

一方で、CDPの導入には「制度運用の負荷」と「ミスマッチのリスク」というデメリットも伴います。

一人ひとりのキャリアプランを管理し、定期的な面談や個別のアサイン調整を行うためには、人事部門や現場の管理職に多大な時間と労力がかかることは避けられません。

また、個人の希望を優先しすぎるあまり、組織としての要員計画に歪みが生じる。または、希望が叶わない社員が、不満を募らせることで結果的に離職を招く可能性もあります。

こうしたリスクを最小化するには、制度の目的を全社に周知し、あくまで「会社が求める人材像」と「本人の希望」の重なり合う部分を支援するというバランス感覚が必要です。

CDPの主な手法と仕組み

CDPを実現するためには、個人の意向を吸い上げ、適切な機会を提供するための具体的な「装置」が必要です。

単に「キャリアを考えよう」と呼びかけるだけでは「そうだね」と思われておしまいです。以下から紹介する、複数の手法を組み合わせて実効性のあるプログラムを立ち上げてみましょう。

自己申告制度

自己申告制度とは、年に1〜2回、従業員が自分の現在の業務状況や、今後の異動希望、将来挑戦したい職種などを会社に直接伝える仕組みです。

どれだけ人間観察に優れた目を持っている上司がいても、結局のところ、個人の心のうちや得手不得手は外側だけからでは測りきれません。

自己申告制度を立ち上げることで、上司や人事が把握しきれていない「個人の隠れた才能」や「キャリアへの情熱」をデータとして可視化できるようになるでしょう。個人の意志を尊重する姿勢を明確にすることで、社員の心理的安全性を高める効果も期待できます。

社内公募制度・FA(フリーエージェント)制度

社内公募制度は、特定のプロジェクトやポストの空きが生じた際に、会社が社内全体から希望者を募る仕組みです。

また、FA制度は、一定の成果を出した社員が自ら他部署へ売り込みをかけ、異動の権利を得るものを指します。これらの制度は、社員が自らの意思で「キャリアを掴み取る」経験を提供します。

公募に手を挙げるためには、現在地での成果が不可欠であるため、日々の業務への取り組みも前向きになってくれるでしょう。

強制的な異動ではなく、自発的な異動は、異動先でのパフォーマンスも高くなりやすく、組織全体の活性化に大きく寄与します。

キャリア面談・コーチング

定期的なキャリア面談やコーチングは、CDPを形骸化させないための最も重要な対話プロセスです。

上司やキャリアカウンセラーとの1対1の対話を通じて、本人が自分の強みを再認識し、目指すべき方向性を具体化していく作業を行いましょう。優れたマネージャーによるコーチングは、社員が「自分でも気づいていなかった可能性」に目を向けるきっかけとなります。

単なる評価の伝達ではなく、「君は5年後、どうなっていたい?」という問いかけを継続することで、CDPがただの書類上の計画ではなく、生きた成長戦略として機能するようになります。

【実践】CDPを導入・設計する5つのステップ

ここでは、導入から定着までに必要な5つの具体的なステップについて解説します。

ステップ1:現状分析と目的の明確化

最初のステップは、自社がなぜCDPを必要としているのか、その目的を経営戦略と照らし合わせて明確にすることです。

目的が明確になっていないと、本当にCDPの導入が必要なのか、どのような教育・支援メニューをすべきなのかが判別しづらくなるためです。

まずは、現状の人材構成(年齢、スキル、離職率)を分析し、将来的にどのような人材が不足するのか、どのような組織文化を作りたいのかを言語化していきましょう。

経営層と育成方針の合意形成を最初に行うことで、予算確保や現場の協力が得やすくなり、プロジェクトの基盤が強固になります。

ステップ2:キャリアパスの策定 次に、社内にどのような成長の選択

次に、社内にどのような成長の選択肢があるのかを可視化する「キャリアパスの策定」を行います。

職種ごとにどのようなスキルを身につければステップアップできるのか、マネジメントを目指すコースと専門性を極めるコースなど、複数のルートを提示できるよう模索してみましょう。

具体的には、各グレード(等級)で求められる役割期待と、必要な経験を「キャリアマップ」として図解する方法が整理しやすくおすすめです。

社員が「このルートを進めば、自分はこうなれる」と具体的にイメージできるものを作成することで、漠然とした不安が解消され、自己研鑽に向けた具体的なアクションが促されます。

ステップ3:教育・支援メニューの整備

例えば以下のような教育・支援が挙げられます。

  • 階層別研修
  • スキルアップ研修
  • eラーニング
  • 書籍購入支援
  • 資格取得の報奨金制度
  • 外部セミナーへの参加機会など

重要なのは、会社が「〇〇を学べ」と押し付けるのではなく、社員が自分のキャリアパスに合わせて「これが必要だ」と選択できるメニューを用意することです。自主的な学習を促すインフラを整えられれば、CDPの実効性は一気に高まってくれます。

ステップ4:運用ルールの決定と周知

どれだけ立派なプログラムを作っても、正しく運用されなければ意味がありません。自己申告や面談の頻度、情報の取り扱い方法、そしてキャリアへの挑戦が評価にどう影響するかといった「ルール」を詳細に決定し全社に周知徹底しましょう。

特に重要なのが、現場の管理職への説明です。部下のキャリア支援を「面倒な仕事」と感じさせないよう、キャリア面談のノウハウを共有する研修を実施するなど、管理職を味方につけるための工夫が不可欠です。

制度のメリットを全社員が理解できるよう、説明会やマニュアル整備を丁寧に行いましょう。

ステップ5:モニタリングと改善

最後は、制度の運用状況を定期的にチェックし、必要に応じて修正を加えるモニタリングのプロセスです。

導入して終わりではなく、社員アンケートや離職率の推移、社内公募の利用実績などを分析し、制度が形骸化していないかを確認します。

時代や経営環境の変化に合わせてCDPを柔軟にアップデートし続けることで、常に鮮度の高い人材育成システムを維持することが可能になるはずです。

まとめ

CDPは、企業が従業員という「資本」を最大限に活かし、持続的な成長を実現するための羅針盤です。働き方の多様化が進む現代において、従業員一人ひとりのキャリアに寄り添い、共に未来を描く姿勢は、企業が選ばれ続けるための必須条件といえるでしょう。

導入には一定の負荷がかかりますが、それによって得られる「自律型人材の育成」や「組織への愛着」は、何物にも代えがたい企業の財産となります。

ただ、どれだけメリットが大きくとも、すぐの導入が難しいという企業が多いこともまた事実だと感じます。特に、中長期的な目線が必要なCDPは、無理に導入しても継続できなければ意味がありません。

そのような場合は、まず従業員に「自分で考える力」を身に着けることを一義に、外部の力を借りる方法がおすすめです。当社もきっとお力になれるはず。従業員育成についてお悩みになったときは、お気軽にご相談ください。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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