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人材育成のゴール設定はどう決める?目標設定の必要性と決め方

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少子高齢化の影響を受け、労働人口の減少問題が顕著な昨今、企業においては既存の人材育成が重要なポイントとなっています。

しかし、重要だと分かっていても、日々の業務に追われる中で、育成に力を入れることが難しいケースもあるでしょう。そこで注目されているのが、社員が自身で成長を進められる「目標・ゴール設定」です。 では、人材育成のゴール設定とは、どのような目標をどのような手順で設定すれば良いのでしょうか?本記事では、人材育成における「目標・ゴール」を設定するための手順と重要性について、今一度確認するために詳しく解説していきます。

人材育成の目標・ゴールを設定する際の手順

まず、一番に気になるであろう、人材育成における目標・ゴールを設定する手順を見ていきましょう。

手順を理解しておくだけで、闇雲に目標・ゴール設定をしていたときよりも、企業や個人にあった設定が可能になります。

組織・企業全体の目標を確認する

最初に、組織・企業全体が掲げる目標や理念を確認しましょう。自身が属する組織・企業と異なる方向を見据えた目標を掲げても意味がないからです。

例えば、組織・企業の目標がSDGsの概念をベースにし、地域社会に貢献できる会社を目指していたとしましょう。このような組織・企業の目標を無視して、ひたすら売り上げだけをアップさせる目標を掲げても、組織や企業にあった人材に成長できるとは考えられません。

そもそも人材育成の目的の一つには、属する組織・企業への帰属意識を高める目的も含まれています。そのため、まずは組織や企業全体の目標を確認し、企業がどのような人材を求めているのかを理解するところから始めましょう。

企業の目標を個人に落とし込む

組織・企業の目標や理念を確認した後は、その目標を個人の目標へと落とし込みます。

ここでいう「落とし込む」とは、組織や企業の目標を達成するために、個人レベルでは何ができるのかを考えるということです。

企業の目的が「業績1億円越えを5年で達成する」であった場合、個人がどう動けば組織の目標達成に貢献できるのかを考えるのです。

事務職・営業職・企画職・生産職など、それぞれの部署で働く人材が、企業の目標を達成するために、今の自分ができることを把握した上で、理想とする人材になるために必要な目標を設定していきましょう。

なお、この段階での目標は、まだ大まかな目標で構いません。例えば「事務仕事をもっと早く効率的にできるようにしたい」「営業を頑張って個人の売り上げを増やしたい」など。まずは目標の方向性を定めることが重要です。

具体的な達成基準と期限を策定する

目標の方向性を定めたのなら、ここからは、より具体的に達成基準と期限を策定していきます。

上記までで、個人の目標をぼんやりと設定できたはずです。そのため「ぼんやりとした目標を達成可能な目標に落とし込む」ことが、このステップでやるべきことになります。

ここまでで触れてきた大まかな目標を例として挙げれば、以下のように変えることが可能です。

大まかな目標具体的な目標期限
事務仕事をもっと早く効率的にする手直しの手間を省くため伝票の入力ミスをなくす(減らす)今期終了まで
営業を頑張って個人の売り上げを増やす売り上げ200万円を目指す今期終了まで

いきなり具体的な目標・ゴールを設定しようとしても、すぐに思い付けるとは限りません。段階を踏んで考えることで、個人にとって必要な目標・ゴール設定ができるようになります。

ゴールに到達するための達成計画を策定する

実際に目標・ゴール設定ができたのなら、次はゴールに到達するための達成計画を策定しましょう。

「どうやって達成するのか」を明確にしておくことで、目標・ゴールに向けて迷わず行動を起こせるようになります。ここまで触れてきた例から考えると、以下のような達成計画になります。

目標・ゴール達成計画
今期終了までに伝票の入力ミスをなくす・システム導入により手入力の機会を減らす
・同僚とのダブルチェックをルール化する
・ダブルチェック前に指差し確認をルール化するなど
今期終了までに売上200万円を目指す・新規取引先獲得のため1日○件の営業をルール化
・営業力を上げるためのセミナー参加
・既存顧客とのコミュニケーションを活性化など

上記の達成計画はあくまでも一例です。企業それぞれのやり方や、考え方などによっても計画できる内容は異なるはずです。

自社にあわせた方法、また、人材それぞれの個性も併せて達成計画を練っていきましょう。あとは、計画に沿って業務をこなしつつ、人材の成長を促進していきます。

そもそも、なぜ人材育成にゴール設定が必要なのか

ここまで人材育成における目標・ゴールを設定するための手順について解説してきました。

では、そもそもなぜ、人材育成の目標・ゴール設定が重要だと言われるのでしょうか?ここでは今一度、人材育成を行う上で必要とされる目標・ゴール設定の必要性について見ていきましょう。

社員のモチベーションを維持するため

人材育成に目標・ゴール設定が必要とされる理由のひとつ目に「社員自身のモチベーションを維持するため」が挙げられます。

目標やゴール設定がない場合に、モチベーションが維持できない理由は以下の2つが考えられます。

・何に向けて頑張れば良いのか分からくなる

・達成感を得られない

人材育成に限らず、目標やゴールなどの節目がない状態で「何かを頑張り続ける」ことは不可能です。

目指すべき目標やゴールを適度に設定することで、モチベーションを高めたまま社員の育成を行えるようになるでしょう。なお、モチベーション維持のためにも、人材育成の目標・ゴール設定をする際には、達成不可能な高すぎる目標を立てないことも大切なポイントです。

自社に対する帰属意識の向上が期待できるため

目標やゴール設定を行うことで、自社に対する帰属意識の向上も見込めます。

なぜなら、設定した目標を達成できると、自分に対する自信を高めると同時に、目標達成のために企業が自分に行ってくれたサポートを実感しやすくなるからです。

目標達成に躓いたときは上司や仲間にサポートをしてもらうこともあるでしょう。セミナーに参加する機会があれば、同僚や後輩と一緒に行動することも多くなるはずです。

これらのことから、徐々に自社への帰属意識を高め、離職率を低下させる効果も期待できるからこそ、人材育成においても目標・ゴール設定が重要だとされるのです。

人材育成のゴール設定を上層部が管理するポイント

では、人材育成の目標やゴール設定を行い、実際に目標を見据えた育成が始まった後は、何に気を付ければ良いのでしょうか。

ここでは、育成を行う本人ではなく、上司目線で知っておくべきポイントを見ていきましょう。

定期的にミーティングの機会を設ける

実際に目標を立てて育成や行動を始めた後は、定期的にミーティングの機会を設けるようにしましょう。

人材育成は基本的に一朝一夕で終わるものではありません。中長期の時間をかけて少しずつ育成を行っていくため、定期的に進捗を把握しておく必要があるのです。

定期的なミーティングで、進捗を把握していれば、目標達成のためにたてた計画が上手く行っていない場合も、早期に気付き対策を打てるようになります。

「目標達成のために何か助言が必要なら言いに来い」ではなく、上手く行っているか・困っていることはないのかと気を配ってあげるものなのだと考えましょう。

なお、ミーティングの理想の頻度は、比較的短期的な目標を立てている場合は週に1回。長期的な目標の場合は月に1回が目安です。

サポート体制の幅を広げる選択も重要

人材育成において、上司や人事部の負担はどうしても大きなものになりがちです。しかし、どちらも人材育成だけに時間を取られる訳にいかない場面もあるでしょう。

そのような場合は、サポート体制の幅を社内だけで完結させず、外部に求めることも大切です。一例をあげれば以下のような選択肢があります。

・e-ラーニングの活用

・外部研修の活用

e-ラーニングは、スマホやパソコンを使えばどこでも学習できるため、画一的な育成が必要なビジネススキルなどを学ぶ際に有用です。また、外部研修を活用すれば、分からないことや困ったことがあったときなども、直接専門家から教えを乞えるようになります。 特に中小企業など、人材育成を行おうにも教える側の人材が乏しい場合など、積極的に活用することで若手社員の育成やリーダー的存在を育てやすくなります。

まとめ

人材育成における目標・ゴール設定を行う手順から必要性まで解説してきました。今一度、目標・ゴール設定を行う際の手順を簡単に確認しておきましょう。

・組織・企業全体の目標を確認する

・企業の目標を個人に落とし込む

・具体的な達成基準と期限を策定する

・ゴールに到達するための達成計画を策定する

一足飛びに目標やゴールを設定しようとするのではなく、段階的に考えていくことで、社員個人にとって必要な目標を設定しやすくなります。

ただ、何度も同じ方法を行っていると、同じような目標・ゴール設定ばかりになってしまうケースも考えられます。そのようなときは、日本経営開発協会が提供する「次世代経営者錬成講座」をご活用ください。

人材育成方針の策定から運用まで、実践的なノウハウを学べるプログラムによって、一段高い目標やゴールを目指す必要性が理解できるはずです。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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