怒りの根本にあるもの
怒りは単体で発生するものではありません。
悲しさや恐怖、不安や疲労やストレスが生れ、怒りへ転じます。
怒りの元となるネガティブな感情は「第1次感情」、第1次感情からうまれた怒りは「第2次感情」と呼ばれます。怒りの根本にあるものはネガティブな感情なのです。
第1次感情と第2次感情は、生きていく上でゼロにはなりません。
ヒトとして当たり前の感情ですし、揺さぶられる時間やメリット・デメリットも含めて「人間らしさ」と言えるでしょう。
臭い物に蓋をするように怒りを無理やり抑え込むのは、心と体の健康面でも良くありません。
そこで、アンガーマネジメントは怒りや第1次感情を分析し、コントロールする方法を学びます。
その大前提として、第1次感情や怒りをもつこと自体が「悪いことではないのだ」と、状況を受け入れる考え方も身につけるのです。
アンガーマネジメントで分類される怒りは6種類
アンガーマネジメントでは、怒りを6種のタイプに分けています。
自分の抱いた怒りが「どんな特徴をもっているのか?」など、情報をもとに分析して分類する作業は、自分を客観的に見つめる絶好の機会でしょう。
また、6種類の怒りそれぞれのきっかけや原因も探りやすくなるため、タイプ別の情報を覚えておくと便利です。
公明正大なタイプ
正義感が強く、ルールの順守や規律、倫理観や道徳観を重要視する公明正大タイプ。
他人にも同様の価値観や正義を求めがちです。
ルール違反や規律順守を自分だけでなく他人へも求め、指摘し矯正しなければ気が済まない一面をもっています。
もちろん、ルール違反や非常識な振る舞いは良くありませんが、人よりも敏感に反応してしまうのです。
そのため、会社内でもトラブルや問題へ自ら介入する場面も少なくありません。
自身の正しさや正義ばかりを気にしてしまい、周囲の意見をシャットしがちなので注意が必要です。
博学多才なタイプ
このタイプは完璧主義者が非常に多く、物事を白黒ハッキリさせなければ気が済まない傾向にあります。
向上心も強く自分にも厳しいため、楽観主義な考え方をする人や優柔不断なタイプに対し、怒りを抱きやすいのが特徴です。
完璧な仕事を求めることから、職場で仕事のペースが遅い・不注意が多い人がいるとライラしてしまいます。
周囲と自分の違いを受け入れる余裕が求められるでしょう。
威風堂々なタイプ
威風堂々タイプに分類される人は、周囲の視線に敏感になる傾向にあります。
自尊心が高く自信をもつことはポジティブなスタンスにみえますが、プライドの高さが仇になりイライラしてしまう場面があるのです。
例えば、想定外の方向へ物事が進んでしまうと「自分の思い通りにならない」と感じてしまうことも。
周囲から自分への評価が低い・ネガティブなものであった場合にも、プライドが傷つけられたと受け取ってしまい、不満やイライラを抱えてしまいます。
天真爛漫なタイプ
天真爛漫なタイプは自分の考えや思い、感情を正直にストレートに表現できます。
行動も自由を好み、自立心が強い人が多い傾向です。
一見、怒りとはそれほど縁がないように思われがちですが、自分がストレートに表現できるからこそ、意思表示があいまいな人を前にするとイライラすることも。
自由を好むため行動に制限がつけられる場面でもストレスを抱えがちです。
そして、いつも感情や思いをストレートに表現するタイプだからこそ、表現の仕方や言葉選びで厳しく縛られる環境になると、ストレスが募り怒りを抱きやすくなるのが特徴です。
天真爛漫タイプは、いかにストレスを抑えられるかが重要ポイントです。
周囲の意見を聞く、言動の前にワンクッション挟んでストレスを回避できれば、アンガーマネジメントも進めやすくなります。
外柔内剛なタイプ
一見、人当たりが良く柔らかいタイプにみえますが、内側では自身の意見や意志を尊重する、平たく言うと内面が頑固であることが、外柔内剛タイプの特徴です。
穏やかで周囲からの評判は悪くありませんが、胸の内では強い意志を秘めています。
自分の意志や価値観と合わない人がいれば、表面上は波立たせずとも内側では受け入れられず、我慢してストレスをためた結果、大爆発を起こすことも。
周囲も気づかず内にストレスをためて体調を崩すなんでこともあるので、本人も周囲も注意が必要でしょう。
頑固さとはこだわりの強さでもあるので、ストレスを回避するためにも自分と周囲の違いを受け入れ、許容範囲を広めることもアンガーマネジメントのポイントです。
用心堅固なタイプ
真面目な人が多く、何事も慎重に進めるのが特徴の用心堅固タイプ。
周囲への警戒心も強いことから、人間関係のストレスは沸点が低めです。
少しでも自分の領域に誰かが足を踏み入れると、一気に警戒心が膨らんでストレスを抱えやすいのも特徴です。
真面目さゆえに周囲を頼れず、難しい仕事も一人でこなそうと無理をしがちなタイプでもあります。
また、自分や他人への固定観念を抱きやすいことから、不測の事態を自分で作ってしまいがちなことも注意ポイントでしょう。
用心堅固タイプに必要なのは、自分の得意分野と不得意なことを知ることです。
得意分野を活かしつつ「自分は何ができないのか?」を分析し受け入れることで、周囲との協力体制を築きやすくなりストレスや怒りの原因を回避しやすくなるでしょう。
上記6つが、アンガーマネジメント診断をもとに分類されるタイプです。
その他にも、次の4種類も怒りの特徴として自己分析に役立ちます。
持続性がある怒り
過去の不快な出来事やトラブルなど、時間が経っても思い出してはイライラする。
それは「持続性がある」怒りタイプです。
物事自体は既に終わっていても、怒りだけが持続され自身にストレスを与え続けます。
強度高めの怒り
怒りを抱いた時の表現が過激なもの、あからさまに怒りを出しているもの、イライラしだすととまらないなど、収拾つけがたいものは強度が高めの怒りに分類されます。
頻度高めの怒り
1日を通して些細なことにも反応しイライラしてしまうと、1日に何度も怒りを抱いていることになります。
これは頻度が高めの怒りに分類され、ストレスを感じる瞬間や不快感な時間が多いと言えるでしょう。
攻撃性をもつ怒り
人に対して、または物事に対して強い怒りを持ち攻撃的になる、とても危険なタイプ。
怒りを暴力などの行動で表す傾向にあるため、人間関係のトラブルは人よりも多くなりがちです。
アンガーマネジメントでは、上記のように6つのタイプと4種類の怒りタイプを学び、自己分析からスタートして怒りをコントロールする方法を習得していきます。
アンガーマネジメントの診断方法
国内では「日本アンガーマネジメント協会」という団体がアンガーマネジメントの推進活動を展開しており、無料診断も提供しています。
まずは自分のタイプを簡単に調べてみたいという場合、非常に参考になりますよ。
【日本アンガーマネジメント協会提供の無料診断】
【12の質問】次の12の質問について1~6点までの点数をつけてみます。
Q1. 世の中には守るべきルールがあり、人はそれに従うべきだ。
Q 2. ものごとは納得いくまで突き詰めたいと思う。
Q 3. 自分に自信があるほうだ。
Q 4. 人の気持ちを間違って理解していたということがよくある。
Q 5. 簡単には解決できないコンプレックスがある。
Q 6. リーダー的な役割が自分の性に合っていると思う。
Q 7. たとえ小さな不正でも見逃すべきではないと思う。
Q 8. 好き嫌いがハッキリしている。
Q 9. 自分はもっと評価されてもいいと思う。
Q 10. 自分で決めたルールを大事にしている。
Q 11. 人の言うことをそのまま素直に聞くのが苦手だ。
Q 12. 言いたいことはハッキリ主張するべきだ。
出典元)日本アンガーマネジメント協会
https://www.angermanagement.co.jp/test
この無料診断ではどのタイプに分類されるかと、簡単な特徴を知ることが可能です。
タイプを知りさらに深い診断を求める場合は、4つの怒りタイプや怒りの原因を詳しく分析する診断があります。
まとめ
私たちが日常生活の中で抱く怒りは、自分が6タイプのどれに当てはまるかで根本的な原因が異なります。
また、強度が高めなのか持続性があるのかなど、怒りのタイプによってもコントロール方法が変わってくるため、アンガーマネジメントのスタートは「自分を知る」ことが非常に重要なのです。
著者:立石 みか
35歳、魚座のB型。
アンガーマネジメント診断では「天真爛漫タイプ」の結果がでました。
ほどほどに天真爛漫したいと思います。