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経営人材を育成するには?次世代のリーダーに必要な要件と育成の4ステップ

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「優秀な人材は揃っているが、経営を任せるにはどこか心もとない」
「今の役員たちは、自分の指示待ちになってしまっている」

多くの経営者が、こうした「右腕不足」の悩みを抱えています。経済産業省の報告書等でも、日本企業の最大の経営課題の一つとして「経営人材の育成」が挙げられています。

しかし、多くの場合、従来の「管理職研修」の延長線上で教育を行ってしまい「優秀な執行者」は増えても「経営判断ができる人材」が育たないというジレンマに陥っている企業が多いという結果に…。

そこで本記事では、経営人材を育成するために不可欠な要素、管理職との決定的な違い、そして「本物の経営者」へと脱皮させるための具体的なプロセスを徹底解説します。

そもそも「管理職」と「経営人材」は何が違うのか?

経営人材の育成がうまくいかない最大の理由は、管理職(マネージャー)としての優秀さを、そのまま経営の適性と見なしてしまう点にあります。

しかし、両者は求められるOSが根本から異なります。ここでは管理職と経営人材の違いについて確認していきましょう。

視座と時間軸の劇的な変化

両社に挙げられる違いのなかでも、まず挙げられるのは視座をどこに置いているかといった点です。

管理職の主な任務は「既存の枠組みの中で、いかに効率よく目標を達成するか」にあります。その視座は自部門に限定され、時間軸も今期や来期といった短期・中期に集中すると言えるでしょう。

 一方で経営人材は、「枠組みそのものをどう作り替えるか」を考えなければなりません。

視座は全社、さらには社会全体へと広がり、5年、10年先の未来から逆算して「今、何を捨てるべきか」を判断する時間軸を持つ必要があるのです。

「プロセスへの責任」か「結果への責任」か

続いての違いは「責任の所在」にあると考えられます。

管理職は、適切なプロセスを経て努力した結果であれば、ある程度の弁明が許される立場だと言えるでしょう。しかし経営人材に「言い訳」は存在しません。

景気動向、競合の動き、部下の不始末、それらすべてを「自分の責任」として飲み込み、最終的な結果に対してのみ責任を負う。この「当事者意識の質」こそが、両者を分かつ境界線です。

部分最適の誘惑を断ち切れるか

最後に知っておくべき違いは、会社全体の利益を考えられるかどうかです。

部長職などは、自部門のメンバーを守り、利益を最大化することに心血を注ぎます。これは組織人として正しい姿ですが、経営人材には、時に「自部門を縮小・廃止する」といった、身を切るような全体最適の判断が求められます。

この痛みを伴う決断ができるかどうかが、経営者としての資質の踏み絵となるでしょう。

経営人材に求められる「4つのコア要件」

経営人材を育成する上で、具体的にどのような能力を「練り上げ」れば良いのでしょうか?結論から言えば、以下4つの要件が指針となります。ここから詳しく見ていきましょう。

経営リテラシー:構想を支える「共通言語」

まず、財務諸表(B/S、P/L、C/F)を読み解き、キャッシュフローの動きから事業の真実を見抜く力は必須です。

加えて、戦略、マーケティング、組織論といった経営の基本要素を体系的に理解していなければ、直感に頼った危うい経営に陥りかねません。リテラシーは、社内外のステークホルダーと対等に議論するための「共通言語」だと言えるでしょう。

意思決定力:正解のない問いに「答え」を出す

残念なことに、経営の現場には100%正しい答えが用意されていることはありません。

6割、7割の確信度であっても、タイミングを逃さずに決断を下す。そして、決めたことを正解にするために組織を動かす。この「決めきる力」こそが、経営者の真髄です。

人間力と熱意:組織を「牽引する」力

ビジネス上で理論をもとに動くことが大切なことは多くの方が知っていることでしょう。しかし、人は論理だけでは動きません。特に困難な局面において、人を突き動かすのは、同じく人の「熱意」と「人柄」です。

「なぜ我々はこの事業を行うのか」という大義を語り、自ら背中で示す人としての厚みが、組織の求心力になってくれるでしょう。

アンラーニング能力:過去の成功を「捨てる」勇気

過去の成功にすがらない潔さ・柔軟さも重要です。

優秀な実務家ほど、かつての成功体験に縛られます。「自分はこのやり方で部長まで上り詰めた」という自負が、新しい時代の変化を拒む壁になるのです。

経営人材には、自らの成功体験を自ら否定し、学び直す「アンラーニング」の柔軟性が求められます。

経営人材を育成する「実践的4ステップ」

では実際に、経営人材を育成するにはどのような方法が有効なのでしょうか?

まっさらな状態から学ぶ新人への教育とは異なり、経営人材は、研修室の中だけで育つことはありません。「理論」を学び、「実践」で失敗をし、その経験を「内省」するサイクルが必要です。

ここでは上記のサイクルを回すための4つのステップを解説します。

STEP1:経営人材像の言語化と早期の「期待」表明

まずは自社にとって必要な経営者像を定義しましょう。

「何でもできるスーパーマン」を求めるのではなく、自社の10年後の課題を解決できるのはどのような人物かを明確にします。

その上で、選抜した候補者に対し、社長自らが「君を次世代の経営者として期待している」と公に、あるいは真摯に伝えることが、本人に「経営者としてのスイッチ」を入れる第一歩となります。

STEP2:タレントレビューによる選抜と配置

全員を等しく育てることは不可能です。能力、実績に加え、何より「失敗・修羅場を過度に恐れない強靭な精神」を持つ人材を早期に選抜しましょう。

そして、彼らを「現在のスキルの延長線上にない部門」へ配置します。営業のエースを製造や管理部門の長にするなど、強制的に視点を変えざるを得ない環境を作ります。

STEP3:あえて「現場」の責任を負わせる

人は責任の重さに比例して成長します。新規事業の立ち上げ、不採算事業の撤退、海外拠点への出向など、失敗すれば会社にダメージがあるような「ヒリヒリする現場」を任せてみましょう。

そこで自分の判断一つで結果が変わるという恐怖と高揚感を経験させることが、経営者マインドを育む最大のスパイスとなります。

STEP4:現役経営層との「越境的な対話」

日常の業務報告(報告・連絡・相談)ではなく、一つのテーマについて社長と候補者が対等に議論する時間を設けましょう。

「もし君が今の私の立場なら、このM&A案件をどう判断するか?」といった、高い抽象度での問いかけを行い、社長の思考プロセス(脳内)を移植していきましょう。

成功の鍵:社外研修を「内省と覚醒」の場にする

上記までのステップを進めることで、経営陣としての能力を育てていくことができるはずです。

しかし、自社の中だけで育成を完結させようとすると、どうしても「現経営陣の劣化コピー」になりがちです。また、候補者も社内での立ち位置を気にして、本音での議論や大胆な発想を控えがちになります。そこで重要になるのが、戦略的な「外部環境の活用」。

・異なる常識、考え方による衝撃: 異業種の優秀なリーダーと議論することで、「自分がいかに狭い世界で生きていたか」を突きつけられます。この衝撃が、自己変革の強力なエネルギーになります。

・客観的な自己分析: 社内のしがらみがない専門家からのフィードバックにより、自分の強みと致命的な弱点(思考の癖)を冷静に把握できます。

・理論と実践の統合: 現場でなんとなく行っていた判断が、経営学の観点からどう位置づけられるかを知ることで、確信を持って決断を下せるようになります。

外部環境の活用はセミナーや研修、出向など様々な方法が挙げられます。候補者がせめて、一度は外部の環境に身を置けるよう調整してみましょう。

まとめ

経営人材の育成は、今日始めて明日成果が出るようなものではありません。しかし、その一歩を先送りにすることは、5年後、10年後の自社の存続をギャンブルに委ねることに等しいと言えます。

優秀な「管理者」を、孤独な決断に耐えうる「経営者」へと変貌させる。そのためには、適切なリテラシーの付与、修羅場経験、そして何より現経営陣の並々ならぬ覚悟が必要です。

当社では、半世紀以上にわたり、多くの企業の次世代リーダーを「経営者」へと成長させてきた実績があります。当社が提供する「次世代経営者錬成講座」は、単なる知識の習得を目的としていません。

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貴社の未来を託せる「本物の右腕」を育てたいとお考えなのであれば、まずはお気軽にご相談ください。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルティング部門の中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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