「ギフトエコノミーって何?」
「ギフトエコノミーを実践したメリットを知りたい」
「ギフトエコノミーを実践したら何か特になるの?」
と考えておられませんか?この記事ではギブエコノミーとも言われるギフトエコノミーについて、実践するメリットや、問題点を徹底解説します。
ギフトエコノミーはとにかく与えまくるギブエコノミー
ギフトエコノミーはギブ&ギブのギブエコノミーとも言われています。「ギブ=give」を直訳すると「与える経済」となりますが、とにかく与えまくるので、ギブエコノミーなのです。
ギフトエコノミーは「お金を払って何かを手に入れる」「自分の利益を考えて行動する」という今の基本的な経済の考え方と全く違います。
「誰かの益を考えて行動する」「見知らぬ人に何かの贈り物をする」「感謝の気持ちを誰かに伝える」という考え方成り立っているエコノミーです。
ギフトエコノミーの特徴とは?
ギフトエコノミーの特徴は「与える精神」です。
「自分の役になるから」とか、「自分の都合がいいから」という理由で相手に親切にするのとは違います。
それが誰なのか対象者が明確でない場合でさえ「誰かのためになること」「誰かが喜ぶこと」を考えて行動するのです。
またお歳暮&お中元、ブレゼント交換とは違い、相手と「親切の交換」、「物の交換」は行いません。あくまでも時間や物、お金など自分が持っているものを与え続けます。
具体的なギフトエコノミーの実践方法とは?
ギフトエコノミーの実践方法はとても簡単です。誰かに何かを与えるだけで実践できます。
例えば、「仕事でいつもお世話になっている〇〇さんにちょっとしたプレゼントに手紙を添えて送る」「誰か困っている人の助けになる」などのシンプルなことをすればいいのです。
難しく考えるのではなく、「自分にできることは何だろう?」、「誰か感謝を表せる人はいないだろうか?」と考えてできることを行っていきましょう。
海外では既に取り入れられている?
海外ではギフトエコノミーの考え方を取り入れた動きが始まっています。例えばアメリカのレストランは「カルマキッチン」を開催し、その時には食事の料金を請求しません。
「え?!ただで食べられるなんてどうやってまかなっているの?」と考えていらっしゃるのではないでしょうか?
カルマキッチンの費用は寄付によって成り立っています。前に食べた人が次の人のために寄付をしていくというシステムです。
「寄付」なので、もちろん払うか払わないかは自分次第ですしいくら払うか決められていません。自分が誰か見知らぬ人の寄付でおなかいっぱいに美味しいご飯を食べられたので、次の人のためにも寄付をしたいと感じる人は次の人のために寄付をします。
このカルマキッチンの考え方はアメリカで始まりましたが、最近は少しずつ日本でも見かけるようになりました。
ギフトエコノミーを実践することのメリットを解説
ギフトエコノミーを実践することは、人の心に大きな影響を与えるとされています。ギフトエコノミーを実践することのメリットは次の通りです。
- ギブ&ギブで孤立した気持ちがなくなる
- 周りに良い影響を与える
- 自分自身が豊かな気持ちになる
この項目では、上記の3つのメリットについて具体的に解説します。
ギブ&ギブで孤立した気持ちがなくなる
ギフトエコノミーのギブ&ギブの考え方で行動することは、孤立した気持ちがなくなるメリットがあります。
「社会から孤立した気持ちになる」、「近所同士の助け合いが減ってきて悲しい」と感じたという言葉を聞いたことがあるのではないでしょうか?
特に近所同士で助け合ってきたけど引っ越した後で孤立を感じるようになった、都会に引っ越して周りとの距離を感じることが多いようです。
孤立を感じがちな人はギフトエコノミーを実践することにより、孤立した気持ちが少なくなるのがメリットです。
「誰かのために何かをしてあげている=誰かの役に立っている」ということで社会の誰かとつながっているという意識を持てるでしょう。
周りに良い影響を与える
ギフトエコノミーは周りに良い影響を与えるメリットもあります。
見返りを期待して何かをしてもらった時と、そうでない時とではどちらが嬉しいでしょうか?
当然見返りを求めずに、心から何かをしてもらった時です。
人は誰かに親切にしてもらい心が温かい気持ちになると、他の人にも何かしてあげたいと思うようになります。
誰かのために何かをしたあげたいという気持ちが循環するメリットは大きいと言えるでしょう。
自分自身が豊かな気持ちになる
ギフトエコノミーを実践することで、自分自身が豊かな気持ちになります。
「与え続けることで人は幸せになれる」という言葉が昔からありますが、人は誰かのために無視の気持ちで与えることで幸福感が得られるのです。
ギフトエコノミーを実践することは、見返りを求めずに誰かのために自分を差し出すことなので幸福感を感じ、心が豊かになる人が多いのもメリットと言えるでしょう。
ギフトエコノミーの問題点を解説
とてもいいことばかりのギフトエコノミーのようですが、資本主義の世の中でギフトエコノミーを発展させるには問題点もあります。
ギフトエコノミーを実践する上での問題点は次の通りです。
- 資本主義と正反対の考え方
- ギフトエコノミーを循環させなければいけない
資本主義と正反対の考え方
今の世の中は資本主義の経済で成り立っています。「ギブ&テイク」の考え方です。
お歳暮やお中元、接待は、ギブにあたりますが、ギブによって得られる「見返り=テイク」の見込みがあるのでギブを実践します。自分の利益になるようにしなければお金を稼ぐことができません。
この資本主義とギフトエコノミーは正反対の考え方なので、資本主義の中でギフトエコノミーを発展させるのは簡単ではないでしょう。
資本主義出回っている世の中にギフトエコノミーをどこまで取り入れるのかバランスを考えるのが、今後の課題といえます。
ギフトエコノミーを循環させなければいけない
ギフトエコノミーはギブを循環させることによって成り立つエコノミーの考え方です。誰かから良いことを受けた人が感謝し別の人に与えるサイクルが大切なのです。
しかし全員がギフトエコノミーの考え方に同意しているとは限りません。与えてくれる人の親切に漬け込む人もいるでしょう。
循環しなければ、「ギブ&ギブ」の考え方が浸透しないでしょう。
ギブエコノミーであるギフトエコノミーを発展させるためには?
ギフトエコノミーはまだ問題点もあり、発展させるためには、いろいろな角度から取り組んでいく必要があるでしょう。例えば次のような取り組みができます。
- ギフトエコノミーを一部取り入れている企業もある
- SNSの拡散で徐々に拡大する期待も
ギフトエコノミーを一部取り入れている企業が多い
企業は利益を出し、従業員に給料を払う必要があります。
そのため、資本主義の考え方で利益が出るように動く必要がありますが、その中で一部ギフトエコノミーの考えを取り入れている企業が多いです。
例えば、普段は普通に営業しているレストランが、カルマキッチンをたまに実施することもあります。
このようにすべてにギフトエコノミーをとり入れるのではなく、一部に工夫して取り入れることで、利益とギブのバランスを上手に保っているのです。
SNSの拡散で徐々に拡大する期待も
最近はSNSで自分の身に起こったさまざまなことをシェアする人も増えてきています。
ギフトエコノミーを受けた人や実践した人がSNSにシェアする可能性も否定できません。
ゆっくりではあっても、SNSの拡散でギフトエコノミーの考え方が徐々に浸透することが期待できるでしょう。
まとめ
ギフトエコノミーはとにかく良い同期で与えまくるという考え方で成り立っているギブエコノミーです。
ギブエコノミーを実践することにより、孤立した気持ちがなくなったり、周囲に良い影響を与えたえるだけでなく、自分自身が満足感を感じるというメリットがあります。
資本主義の世の中で、どのようにギフトエコノミーを取り入れていくのかをこれから期待できるでしょう。
次の記事では、すでにギフトエコノミーを取り入れている日本の状況について考えます。