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5Gの普及により加速していくDX

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今回は5Gが普及することで、既存のビジネスにどのように影響していくか、企業のDXがどのように加速していくかをみてみましょう。

5Gは単に通信規格が変わるということではなく、それらをインフラとして活用するインターネットサービスやビジネスに大きな影響を与えます。

DXの加速を見据え、5Gとの関連技術を抑え、活用事例についても理解しておきましょう。

5Gにより加速していくDX

まず、5GとDXの関連性についてですが、DX実現に向けて、5Gが必ず必要になることはありません。しかしながら、DXによるビジネスの変革・発掘のために、5Gが活用される機会は増加していくことでしょう。

それは、大容量通信、多数同時接続、低遅延という5Gの特徴が、DXを実現する上で必要なインフラとなることが多いからです。

例えば、自動運転の場合、インターネット回線の接続が安定していることが絶対条件です。それは、もし接続数が限定であったり、遅延があれば、安心して利用することができないからです。

安全のために、多数のセンサーから、リアルタイムでデータが収集され、分析結果を遅延なしに、運転へと反映させるためには、高性能な通信が必須になります。

スマートファクトリーではどうでしょうか。こちらも工場中のセンサーからリアルタイムに無数のデータを集め、異常検知や生産計画の改善などにつなげることが求められます。

このためには、あらゆる機器がネットワークに接続され、リアルタイムでデータのやり取りすることが必要となります。

このように、DX実現に向けた新たなビジネスでは、5Gの整備が前提となることでしょう。

これまでネットワークに繋げることができず、実現できなかったビジネスも、5G通信により可能になるかもしれません。つまり、DXによるビジネスというのは、ある程度5Gに依存していると考えていいでしょう。

また、労働環境に目を向けても、労働人口不足を緩和するため、働き方改革が急速に進められています。この動きは、新型コロナウイルスの感染拡大により、さらに加速していくでしょう。

コロナ禍では、テレワークでのコミュニケーション、教育、エンターテインメント、営業などあらゆる分野で、音声だけではなく、動画システムが活用されています。

この既存の通信ではなく、動画も含めたリアルタイム通信が当たり前になると、DXを推進するためには、大容量データ通信が必要となります。

さらに、5Gではあらゆる膨大なデータを収集し、分析します。このデータを的確に分析するには、AIを活用することになるでしょう。

リアルタイムにデータを分析しなければならず、AIに判断をゆだねる場面が増えていきます。5GをDXで活用するということは、AIも欠かせない技術となるわけです。

このように5Gをあらゆる場面に浸透させていくと、IoT、AIといった他の技術も同時に活用するシーンが増えるのです。

5GによるDXの事例

株式会社FMB
東京都「5G技術活用型開発等促進事業」のアクセラレーションプログラム「TOKYO 5G PROMOTER」の第1期スタートアップ企業として採択

ファッション3DCG制作事業を展開する株式会社FMBが東京都「5G技術活用型開発等促進事業」のアクセラレーションプログラム「TOKYO 5G PROMOTER」の第1期スタートアップ企業として2021年1月27日に採択されました。

FMBはこの採択を通じて、KDDI株式会社と共同で開発を進める「アパレルバーチャルショップ」の産業活用をさらに加速させ、ファッション産業のDXを実現します。

株式会社FMBは、日本初のファッションテックスクール「Tokyo Fashion technology Lab」を運営する株式会社TFLを親会社に持つジョイントベンチャーです。

同スクール内で3DCGの産業活用を研究してきた「バーチャルファッション研究会」で生み出され3DCGメソッドをコアに最高峰のファッション3DCG提供を可能にしました。

TOKYO 5G PROMOTERとは

「TOKYO 5G PROMOTER」は、東京都「5G技術活用型開発等促進事業」がスタートアップ企業を支援する事業者3社選出をし、その3社が本アクセラレーションに採択されたスタートアップに対して東京都、通信事業者等と連携・協働を図り、資金的、技術的な側面からのサポート、マッチング支援等を展開する事業です。

東京都では、スタートアップ企業等による「新しい日常」に寄与するような5G技術を活用したイノベーションの創出や新たなビジネスの確立を促進するため、民間事業者と協働してスタートアップ企業等の開発等を支援する5G技術活用型開発等促進事業を実施します。

本事業では、東京都と協働して支援を行う事業者を開発プロモーターとして募集・選定し、スタートアップ企業に対し多角的な支援を行います。

開発プロモーターは東京都、通信事業者等と連携・協働を図り、3ヶ年度にわたりスタートアップ企業等の開発・事業化、資金的、技術的な側面からのサポート、マッチング支援等ネットワーク面の支援を行います。

アパレルバーチャルショップとは

ファッション産業のDX化の注目技術である「3Dモデリング」のノウハウを持ちアパレル製品の3DCG制作を行う株式会社FMBは、ファッション産業での3DCG活用をさらに広げる目的で、KDDIの持つ5G通信技術とXRを組み合わせた技術要素(例:ヘッドマウント型ディスプレイを用いずともVRに没入できる「au XR Door」や、AR表現を備えたスマートグラス「NrealLight」など)を使ったサービス開発を共同で行っていきます。

今回は開発プロモーターであるプロトスター株式会社が率いるアクセラレーションプログラムの一つとして採択され、新しい日常を加速させる5G技術・サービスを活用した新市場が継続的に生まれるエコシステムの構築を目指し実証実験をおこなってまいります。

参考
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000002.000071713.html

NSSOL
エネルギー業界のDX実現を目指し、北海道電力・HOTnetの5Gを見据えた自営無線網の適用検証を支援

日鉄ソリューションズ株式会社は、北海道電力グループの北海道総合通信網株式会社(以下、HOTnet)の自営等BWAの無線局免許取得を受け、現場業務効率化によるDX実現に向けて、発電所構内の実地検証(2020年12月~2021年3月)の導入・運用支援を行っています。

今回の実地検証では、発電所内に構築した無線網を用いて、中央操作室から無線カメラによる設備の遠隔監視、ウェラブルデバイスを装着した現場作業員の保守業務の遠隔支援の実現性の確認を行います。

これらの実現によって、設備の不具合の早期発見、現場作業の省力化を目指しています。無線網は、通信規格LTE(4G)を特定のエリアに限って利用することができる自営等BWAで構築しており、将来的に5Gを使った実証を目指す予定です。

その中で今回当社は、無線機器の販売、無線設備の設置工事、システムの運用保守を提供しています。

NSSOLは、製造業をはじめとする幅広い業種・業界の企業のシステム構築、IoXソリューションの提供、通信キャリア向けのネットワーク構築など、様々な知見・ノウハウを活かし、ノキアとの戦略提携のもと、他に先駆けてローカル5Gサービスを日本国内で提供しています。今回の実地検証を通じて、エネルギー業界のDX実現を目指していきます。

今後もNSSOLは、「ファーストDXパートナー」として、アプリケーション・基盤・通信を含めたトータルDXソリューションを提供し、日本のインダストリー4.0の実現に貢献していきます。

IoXとは:機械・部品が互いにつながる「IoT(モノのインターネット)」と、ヒトがIT武装によって互いにつながる「IoH(ヒトのインターネット)」が、高度に連携・協調することにより大きな成果を出すコンセプトを「IoX」と総称しています

まとめ

いかがでしたでしょうか?今回は5Gが普及することで、他の技術やDXがどのように加速していくかについてご紹介しました。

今後、5Gをインフラとして、DX実現に向けた企業やサービスが続々と登場します。中堅中小企業においても、そのDXの波に乗り遅れないように、最新動向を常に抑えておきましょう。

著者:ko0820

幼少期より、無線機器に興味を示し、中学生でアマチュア無線免許を取得。大学では、情報通信を専攻。その後、携帯キャリアに就職し、ネットワーク装置の設計・開発に従事。
プライベートでもMVNOの回線を複数契約し、価格や品質を調査しながら、5Gの最新動向も追う。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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