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利子は悪か?

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こんにちは!栗原誠一郎です。

利子の歴史

お金を借りれば利子を払う。

現代社会に生きる私たちにとっては当たり前のことですが、たった400年位まで多くの宗教において利子を取ることは禁じられていました。

利子を認めていたユダヤ教でさえ、異邦人からは利子をとっても、同胞からは利子はとってはならないとされていたのです。

旧約聖書よりも古いハムラビ法典にも利子はとってはならないと書かれていますから、紀元前1700年前位から、利子をとることは道徳規範として悪とされていたことになります。

なぜ、利子をとることは禁止されていたのでしょうか?

お金がお金を生む?

人々が働いて、何かを生産し、それによりお金を得る。

つまり「労働」によりお金を得ることは良いことである。

しかし、「利子」はお金がお金を生むので、労働軽視につながる。

または神様の所有物である「時間」を使ってお金を生むので、それは神に対する冒涜であるという考えなど諸説あります。

しかし、経済活動が活発になるにつれ、融資を必要とする人が増えてきます。

そうなると、闇で利子をとってお金を貸す人がでてくる。

実態がなし崩し的に変わってくるわけです。

そうすると、「利子」そのものが悪いのではなく、「高利貸し」がよくないのだという話になり、16世紀の宗教改革により5%の利子取得を認めるという流れになります。

でも、何パーセントだったら高利貸しで、それ以外だったら良いというのは判断できるものではないですよね。

実際、そもそも利子を何故とるかということで言えば、貸し倒れのリスクに備えるという理由もある訳です。

当然、貸し倒れのリスクが高ければ、利子も高く設定せざるを得ません。

確かにイタリアのメディチ家のように金融業で巨万の富を得た人間もいるでしょう。

でも、それは経済自体の発展時期に重なったからという側面が大きいと思います。
メディチ家からお金を借りて、事業を成長させた人も沢山いる訳です。

まさに、「お金がお金を生む」という仕組みのおかげで、世の中は発展したと言えるでしょう。

「前向きな借入」が世界を豊かにする

農耕社会であった時代に、作物が不作だった人が、次の年のために豊作だった人から種もみを借りる。

不作だった人は種もみがなければ生産自体ができないので、利子(この頃は現物利子ですね)を払っても借りざるを得ない。その状況に付け込んで利子をとってはならない。

このイメージは確かに理解できます。

ハムラビ法典が制定された古代、まだまだ農耕が中心だった時のように閉ざされた経済社会においては、「前向きな借入」という概念がそもそもなかったのではないかと思います。

商業が発達し、経済社会がどんどん広がって行く世の中においては、お金を借りてでも、事業を発展させたいという人が出てくる。

そして利子で儲かった人は、そのお金でまた多くの「前向きな借金」を必要としている人にお金を貸せるようになる。

そういう人達のおかげで今の豊かな世の中があるといっても良いでしょう。

もちろん、借入という「返済の必要があるお金」を使って事業を展開することは、一歩間違えれば博打にもなります。

しかし、現在のように現金をためるだけため、リスクを過度に恐れて必要な投資もしない企業の様子を見ると、そもそも今の企業が「リスク」といっているものは、本当に「リスク」と呼べるようなものなか?と思います。

単に何もやらないことの言い訳をしているのではないでしょうか?

さて、皆さんは、「利子」は何故「悪」だとされていたと思いますか、そして、「お金がお金を生む」ことは「悪」だと思いますか?

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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