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アンガーマネジメントによる生産性向上に期待

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アンガーマネジメント最大の魅力は「生産性向上」

アンガーマネジメントによる怒りのコントロールは、仕事の生産性向上にも直結します。

この事実はアンガーマネジメント最大の魅力であり、社員の健康や風通しのいい職場環境といったメリットも含めて多くの経営者が注目しています。

頻度が高い怒りや持続性があるものは、感情のアップダウンの幅を広げ安定した思考力も奪ってしまいます。

業務へ冷静に向き合う時間が減るので、生産性ダウンへと直結するのです。

怒りでイライラして作業が進まない。怒りにとらわれて書類が書けない。
そのような状況は「怒りに時間を奪われている」ことに変わりありません。

また、怒りでイライラしている社員が少なくなれば、周囲のモチベーションを下げるような巻き込み事故の発生率もダウンします。

怒りのコントロールや怒りという感情への対処法を学ぶのは、怒りに時間を奪われることを回避するビジネスハックでもあるのです。

社員への好影響

生きているかぎり、怒りとは切っても切れない縁。
大小関わらずストレスや感情から怒りを抱きます。

会社にとって大切な人材「社員」も、日々さまざまな怒りを感じながら仕事をしているでしょう。

企業全体の生産性向上は最重要な課題ですが、生産性向上とアンガーマネジメントが結びつかず導入してこなかった企業が多いのも事実です。

パワハラやモラハラが「普通」だと錯覚し続けてきた日本の空気感に、普通ではないと気づいた人たちの声がようやく浸透してきました。

経営者にとっても自社でパワハラやモラハラが横行するのはリスクでしかなく、倫理的観点からも許されることではありません。

パワハラやモラハラの発生率を抑える効果もあるアンガーマネジメントは、社員へさまざまな好影響を与えます。

円滑な人間関係のきっかけ

アンガーマネジメントで得られるメリットの1つに「円滑な人間関係」があります。

社員だけでなく経営陣にとっても社内環境は風通しよく整えたいもの。

ストレスやトラブルの原因である怒りをコントロールできる人材が増えれば、トラブルの根源を減らす効果が期待できるのです。

感情的に怒りを表現する、衝動的な怒りを制御できない人というのは、周囲に八つ当たりするなど無関係な人まで巻き込むケースがあります。

イライラやストレスは伝染するので、火元が小さくてもあっという間に広がり、衝突やトラブルを悪化させて社内で対立構造ができてしまうことも。

何の問題もなかったはずの部署まで影響が及び、人間関係でギスギスするようになれば、風通しも悪くなり各々のモチベーションや士気にも及ぶでしょう。

しかし、アンガーマネジメント研修で怒りの制御や受け流し方が分かると、イライラやストレスを早い段階での対処が可能となります。

社内全体でアンガーマネジメントスキルを身につけた人材が増えれば増えるほどその効果は高まり、怒りやストレスを早めに対処しようという良い雰囲気が整えられていきます。

社員同士もコミュニケーションでストレスを感じる機会が減れば、積極的に柔軟な会話が生まれやすくなり、円滑な人間関係のきっかけともなりえます。

コミュニケーションにおけるストレスや怒りの軽減は、社員一人ひとりの心と体の健康状態にもプラスです。

部下の教育や移動の引継ぎ、プロジェクトメンバーのタスク管理など幅広い面でもメリットでしかありません。

人間関係がスムーズになるということは、ストレスやトラブル回避にも繋がるので、会社にとって好循環といえるでしょう。

職場のストレスが軽減される可能性

衝動的または感情的な怒りをストレートに出していては、職場環境が整うはずもありません。

怒鳴り散らす上司や同僚がいれば気分が萎えますよね。

「~すべきだ!」と強く主張して押し付けてくる人がいれば、息苦しく窮屈に感じてしまいます。

イライラして社員間もギスギス、いや~な雰囲気が漂って過ごしにくく、オフィス内にいる社員のモチベーションもガクッとダウン。

モチベーションが下がることは生産性の低下でもあり、会社全体の業績へも影響しかねません。

また、近年はパワハラ問題も大きく取り上げられ社会問題となっています。

「自社内でパワハラ案件発生…」

とても笑えない、恐ろしいワードですよね。

パワハラ防止法が施行されたのも、それだけ急増しており実害が出ている証。

パワハラも社員一人ひとりのパフォーマンス低下も見逃せない問題であり、放置すれば悪化するばかりなので、アンガーマネジメントをはじめとした社員研修の導入と有効活用が注目されているのです。

アンガーマネジメントでストレスへのセルフケアや、怒りをコントロールするための考え方などを学ぶと、職場のストレスが軽減される可能性が高まります。

・必要な怒りと不要な怒りの判断ができるようになる
・理不尽な言葉をスルーできるようになる
・相手への押し付けが減る
・いろいろな意見や考え方を柔軟に受け止められるようになる
・衝動的な怒りをやり過ごせるようになる

これまで怒りをいだいていた事柄を「怒るほどのことでもないな」と受け止めるスキル、怒りをコントロールしたり上手に表現する方法が分かるということは、怒りの根本的解決ではないにしろ会社全体でメリットにしかなりません。

日本でアンガーマネジメントを導入する企業急増中

終息見えぬコロナ禍の影響は、オフィスの雰囲気や士気にも及んでいます。

緊急事態宣言が解除されても、またいつ宣言が出されるか分からない状況のなか、働き方や業務の流れを大きく変更しなければならなかった会社も少なくありません。

リモートワークでのびのびと日常業務をこなせるようになった人もいれば、毎日のルーティンを崩されたくない性格の方、完璧主義でドタバタと変更しなければならない状況にイライラが募った方もいらっしゃるでしょう。

幾つもの不満や不安、怒りが蓄積されていくと、緊急事態宣言が解除されれば万事解決!というわけにもいかなくなります。

必ずどこかで誰かの怒りが爆発するか、イライラが伝染しオフィス内の空気が悪化する可能性もあります。

また、コロナの流行が拡大するとともに「コロナうつ」という言葉も生まれました。

国内では自殺者数が増加し、DVの相談件数も過去最多を記録するなど、蔓延防止策のほかに社会全体で取り組まねばならない課題も浮上しています。

大人だけでなく子どもへの影響も深刻化するなど、コロナストレスによる不安や怒りがトラブルの増加と重大問題の発展を後押ししていることは間違いありません。

そのため、コロナ禍をきっかけにアンガーマネジメント導入を検討する企業や実際に導入し始めるところも増えています。

先行きの見えない時代でも、アンガーマネジメントのような打開策があるのです。

日常生活でも、マスクをつけていない赤の他人をみかけるとイライラしていませんか?

緊急事態宣言下で県外ナンバーをみかけて不快に感じていませんか?

夜、繁華街をうろついている人をニュースでみかけて、怒りを抱いたことはありませんか?

コロナ禍において、命を守るための正義も必要でしょう。
正義を大義名分として正論を掲げることも、間違いではありません。

しかし、正義を掲げてイライラした結果、自分自身もイライラして冷静さを欠き、言動が粗暴になってしまう可能性もあるでしょう。

自身のストレスが増加して怒りを周囲にぶつけてしまうような状況は元も子もないのではないでしょうか。

そのイライラが私生活だけでなく職場でも抑えられないようになると、コロナ禍で大変な状況をさらに悪化させてしまうかもしれません。

アンガーマネジメントでは怒りを分解し、その怒りが自分に必要か不要かを判断します。

怒りのピークを回避すべく6秒カウントしたり、視野を広げる考え方も学びますが、「イライラしてしまう物事を自分から探さない」こともポイントです。

電車のなかでマスクをつけていない人を探したり、わざわざ車のナンバーを確認したり、夜出歩いている人を見ない。

自分がイライラしてしまうことが分かっているはずですから、怒りの標的をスルーしてしまうことも自分のためですし、仕事のためにもなります。

わざわざ自分から怒りの原因へ近づく必要はありません。

自分のコンディションを崩すことなく仕事をこなすスルースキルも身につけておくのがベストです。

しかし、どれだけ自衛しても怒りをゼロにはできません。

企業がアンガーマネジメント研修を導入することで、社員にはイライラの根本的解決を図るスキルが育まれます。

スルースキルを磨く方法も含まれているので、社員のストレス回避効率を高める効果が期待され、最終的に作業効率の上昇や成績UPにも繋がるでしょう。

また、会社全体でアンガーマネジメント研修を受けると、イライラや怒りなどネガティブな感情を共有し理解し合う雰囲気も生まれやすくなります。

コロナ禍で不安や怒りに敏感になりやすいからこそ、ネガティブについて一緒に向き合っていく時間が生れるのは安心感にも繋がるかもしれません。

著者:立石 みか

35歳、魚座のB型。
アンガーマネジメント診断では「天真爛漫タイプ」の結果がでました。
ほどほどに天真爛漫したいと思います。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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