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アメリカ経済の行方

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こんにちは!栗原誠一郎です。

米国、2018年からの大型減税法案成立

現地時間の12月22日、トランプ大統領が減税法案に署名しました。レーガン大統領が行った減税法案以来、30年ぶりの大型減税法案が成立したことになります。

レーガン政権時の税制改革は後のアメリカの経済成長を実現したと言ってよいと思います。もちろん、他の環境要因も当然ありますが、主要な要因であったことは事実でしょう。

さて、今回の減税法案ですが、個人所得税の幅広い減税が行われるとともに、2018年から法人税率も35%から21%に引き下げられます。また、この減税法案にはもう一つ大きな目玉があります。それが海外子会社の配当課税の廃止です。

 

なぜ配当課税を廃止するのか?

アメリカは『自国の居住者および自国に本店のある法人は、その所得の源泉が国内であろうと国外であろうと、すべて課税の対象』とする「全世界所得課税」を採用しています。

このため、アメリカの企業は海外子会社が稼いで残した利益から配当を受ける際に、35%の税率で課税されます。もちろん、海外子会社の現地で納税した部分は除外されますが、高税率のためアメリカ企業は海外子会社が得た所得を親会社に配当しない傾向にあります。そうやって海外に留保されている利益が、2兆ドル以上あるといわれています。

そこで今回の税制改革で全世界所得課税を廃止し、「源泉地国課税」(所得の源泉のある国が、その国の居住者はもとより、非居住者に対しても源泉地国で生じた所得に対して課税する考え方)を導入することになったのです。これにより、米国外子会社の所得は、源泉地国でのみ課税されることになるので、海外にため込んだままだった資金が米国に還流することになります。

実際、2005年のブッシュ政権時に、米国の多国籍企業が海外の利益を米国に還流する際の法人所得税率を35%から5.25%引き下げる1年限りの時限立法(本国投資法)が成立した際は、当時、約1兆ドル規模だった米多国籍企業の海外留保利益のうち、およそ3割にあたる3,600億ドルが米国内に還流したと試算されています。

 

減税が景気に与える影響は?

今回の減税により、米企業のM&A(合併・買収)や設備投資が活発になりそうだとメディアで解説されていますが、実際の影響はどうなるでしょうか?

現在の日本がそうであるように資金を市場に供給しても、その資金を使う需要がなければ、経済成長にはつながりません。実際、2005年のブッシュ政権時の減税により本国に還流した資金の多くは自社株買と配当増に使われたとも言われています。

したがって、資金還流によるドル買いによりドル高になること、株式市場が活況になることの可能性は相当高いですが、経済成長につながるかどうかが見極めどころだと思います。

そこでトランプ大統領の次の一手は、国内インフラ投資になります。アメリカ国内に需要を創り、還流した資金が実経済に使われるようにする訳ですね。ロシアとの不適切な関係を巡るいわゆる「ロシアゲート」により大統領の弾劾が現実味を増す中、今回の減税の影響も含めて、アメリカの動向を注視する必要があると思います。

さて、皆さんのアメリカ経済の行方に関する見立ては、どのようなものですか?

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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