お問い合わせ

企業の不祥事は何故後を絶たないか?(コンプライアンスの考え方)

Twitter
Facebook
Pinterest
Pocket

こんにちは。
栗原誠一郎です。

不祥事つづきの日本企業

東洋ゴム工業、三菱自動車、東芝、そして最近では富士ゼロックスと、大型の不祥事が近年続いているように思います。なぜこうした不祥事は後を絶たないのでしょうか?

こういう問題が起きるとすぐにコーポレートガバナンス(企業統治)の話になりがちですが、コーポレートガバナンスが整っていれば不祥事がなくなるとはとても思いません。
つまり、そこにやりたいことがあれば、管理の網の目を潜り抜けることを人は考えてしまうからです。

コンプライアンス・遵法精神という言葉も、こういう事件が起きるとその重要性がやたら強調されますが、これも違和感があります。

例えば、我々は人を殺してはいけないという法律があるから、人を殺さないのでしょうか?そうではないはずです。そのような人間にはなりたくない、だから人も殺さないし、盗みもはたらかない。単純にそういう理由ではないでしょうか?

一方、一連の不祥事を起こした企業の社員は、不祥事の原因となる行為をやりたかったのでしょうか?

私はそれもまた違うと思います。

振り返って考えれば、2つの背景があると思います。

不祥事がおきる二つの背景

一つは売上至上主義・利益至上主義、また、バブル崩壊・リーマンショックという企業存続の危機を経て染み付いてしまった思想です。

今日がなければ明日はない。確かに利益を出せなければ企業は存続できません。

資本主義国家であろうと社会主義国家であろうと、利益は必要です。利益を出せないということは、投入価値より産出価値の方が低いということであり、社会の富を減らしていることに他ならないからです。

しかし、企業の使命は様々な商品やサービスを通じて社会を豊かにすることであり、社会を豊かにできている証として利益が存在するだけで、利益を出すこと自体が企業の目的ではないですよね。

だから、数字を操作して取り繕った利益では意味がありませんし、人を騙して得る利益では意味がない。そうではないでしょうか?

バブル崩壊、リーマンショックという大不況を乗り切った企業は、その成功体験として、本質的な利益の意味を忘れ、過度に利益そのものを重視するようになっているように思います。

もう一つの背景は、社会の価値観の進歩です。昔は当たり前に行われていて、罪でもなんでもなかったことも多くあります。
今の時代においては、やって当たり前のことではなくなっている。近年問題になっている長時間残業などもこれにあたります。

しかし、そのことに対して、「昔は普通だった」とか、「実質的な問題はほとんどないのに世間がうるさすぎる」と言っても意味はありません。

それは社会が進歩している証拠だからです。だから個々の企業も社会の進歩に合わせて変わっていかなければなりません。そうでなければ、価値観が進歩した社会を豊かにはできないからです。

企業が持つべきビジョンとは?

自分はどのような企業人でありたいのか、そして自分の企業をどのような企業にしたいのか?
誰しも、そのような想いをもっていると思います。

しかし、それは、これくらいの売上規模の会社、利益規模の会社にしたいといった単に数字だけのものでは意味がありませんし、本質的なビジョンであっても、社会の価値観の進歩に合わせて、見直し、進化させていかなければならないのです。

皆さんの企業は、そして皆さん自身は、どのような企業を目指していますか?

メルマガ登録

付加価値の高い商品・サービスの開発も含めた生産性向上のアイデアは、「人」が生み出していきます。
このように「人」の重要性がますます高まっていく時代において、弊社は世界NO.1の高生産性・高能力の一流中堅企業を育てるために、クライアントの経営・人事諸制度の改革、人材育成をバックアップしていきたいと思っております。

メルマガでは、抽象的な思考概念から実際に活用できる具体的なノウハウを提供しています。
現状を打破したい、改善のためのヒントになればと思っています。

錬成講座のお知らせ

「錬成講座」は、新卒社員が将来の経営幹部になるという、長期雇用慣行に基づいた日本的経営を前提に、先の見えない経営環境の中で企業の存続・発展を担う力のある次世代幹部人材を異業種交流の合同合宿により育成するプログラムです。
「錬成講座」は「新人」「若手リーダー」「管理職」「経営幹部」と階層別に別れております。

様々な業種の一部上場企業および同等クラスの優良中堅企業のリーダーとともに、講義時間も含め議論や対話を重ねるなかで、自分の業界や自分自身が知らず知らずのうちに囚われている固定観念に気づき、視野を広げることができます。

メルマガでは、抽象的な思考概念から実際に活用できる具体的なノウハウを提供しています。
現状を打破したい、改善のためのヒントになればと思っています。

RECOMMEND

こちらの記事も人気です

記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

このメディアの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知をメールで受け取ることができます。

サイト内検索

弊社最新コンテンツ

弊社人気コンテンツ