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中小企業が取り組むべきCSR

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近年、日本では大企業だけではなく、中堅中小企業の中でもCSRに取り組んでいる会社が増えてきています。

しかし、中小企業の中には、自社が社会的活動を行っているとしても、CSR活動という特別な認識を持っていないまま取り組んでいる会社も多いです。

このことを周囲にアピールすることで新たなビジネスチャンスに繋がるかもしれないのに、CSRの知識がなく、周りに発信しないというのはもったいないですよね。

そこでここでは、中堅中小企業が取り組むべきCSR活動について書いていきます。是非ご一読ください。

中堅中小企業ができること、やるべきこと

はじめに…

近年、新聞やテレビなどのマスメディアでよく取り上げられるようになったSDGs(持続可能な開発目標)。持続可能な世界を実現するためのSDGsは、世界で取り組めば年間約1340兆円の経済回を持つ市場であり、3億8000万人の雇用を生み出すことができると予測されています。

また、一般の方の認知度も上がってきており、企業の社会的責任(CSR)として取り組んでいる中堅中小企業も増えてきています。

中堅中小企業ができることの例として、CSRやCSV活動としてSDGsの目標達成に向けて取り組むことで社会に貢献することが挙げられます。

SDGsの17つすべての目標を一気に取り組もうとすると、あまりにも規模が大きくてどうすればいいかわからないかもしれません。

しかし、1度にすべてを取り組むのではなく、自社の事業や活動に近い分野など、1つずつSDGsの目標達成に取り組むことによって、社会に貢献することが可能になります。

SDGsを達成するには、小さいことの積み重ねが大切です。例えば、日常生活でレジ袋やストローなどのプラスチック製品を使わないようするだけでも、SDGsの目標達成に貢献しています。

また、企業の中で、省エネや節電、節水などの活動を行うことでもSDGsに関連させることができ、CSR活動としても取り組むことが可能になります。

SDGsに取り組むとしても自治体は税金を使うことから失敗がしづらく、新しい取り組みをはじめにくいところが多いです。

しかし、こういう問題に中堅中小企業であれば、取り組むことができます。中小企業の経営資源は、大企業に比べ限られていますが、中小企業は意思決定の速さや特定分野への専門性があります。

だからこそ中小企業はSDGsで記されている社会課題を考え、取り組むことで市場をリードすることができるのです。

例えば、日本で現在注目されている子供の貧困問題。日本の子供の7人に1人は貧困といわれており、特にひとり親家庭の場合は貧困率が50.8%いう結果が出ています。

その支援として、日本では「子ども食堂」や家庭まで食料を届ける「こども宅食」、教育や学習を教える取り組みをしています。

しかし、これはビジネスではありません。支援することはいいことではあるのですが、それではコストがかかるばかりです。そうなってしまうと良い取り組みであるとしても、持続し続けるというのは難しくなってきます。

そうならないために、社会課題の解決を目的としつつ、お金が持続的にまわる仕組みをつくっていかなければなりません。

そこで企業は、活動が利益を生み、事業者にもメリットがある事業を考え、持続的に取り組むことが必要となってきます。

そうすることによって、今まで持続的に活動することのできなかった取り組みや支援をすることが可能になります。

このような問題をCSR活動で解決することができるようになれば、SDGsが掲げる目標である「誰1人取り残さない」世界をつくることができるのではないでしょうか。

さいたま市と中小企業のCSR

最近、中小企業のCSR活動を推進していくための支援として、CSR企業認証制度を創設する自治体が出てきています。

さいたま市では、2012年に中小企業を対象とした制度が創設されました。さいたま市で取り組まれている「さいたま市CSRチャレンジ企業」認証制度は、自らの事業活動の維持、または拡大を図りつつ、社会的健全性を両立させる企業経営の推進を試みている市内の中小企業をさいたま市が認定する制度です。

これに認定されると様々なメリットがあります。

1つはさいたま市が企業PRの支援をしてくれるということです。
認定されるとさいたま市のホームページに企業名が載るだけではなく、企業概要やどのようなCSR活動を行っているのかなど様々な紹介がされます。

さいたま市に認定されることによって、周囲から信頼されたり、従業員のモチベーション向上に繋がります。

他にも、認証企業や市内外のCSRに取り組んでいる企業が集まる「さいたま市CSRコミュニティ」に参加できるといったメリットもあります。

中小企業は大企業に比べ、人やお金に限界があり、CSR活動を存続させていくことも難しいでしょう。しかし、方向性が同じ企業や様々な取り組みをしている企業と情報交換したり、お互いの企業が行っているCSR活動の強みなどについて学ぶことによって新たなアイディアなどが生まれ、ビジネスチャンスになるかもしれません。

また、CSRに取り組むにあたって、経営者のリーダーシップが求められます。経営者がCSR活動について知っていなければ、従業員に教育することができません。そのため、経営者が他の企業のCSRについて学び、交流することが大切です。

中小企業は地域の声を反映させやすく、中小企業だからこそ取り組める社会問題もたくさん存在します。

中小企業はそのことをチャンスとしてとらえ、ニーズを踏まえた活動を行う必要があります。中小企業は地域と共に成長しなければ、持続可能な経営が成り立たないといっても過言ではないでしょう。

だからこそ、地域に寄り添った取り組みを行い、社会から必要をされる企業になることが重要だといえます。

まとめ

このように、中小企業のCSR活動を推進していくために自治体も様々と取り組みを行い、企業を支援しています。

しかし、まだまだCSR活動に取り組んでいる中小企業は少ないです。これから先、持続可能な世界にするためには1つ1つの企業の取り組みが重要となってきます。

このことから、企業は自社の利益のためだけではなく、地域活性化などの社会貢献に繋がる取り組みをしなければならないと考えます。

参考文献

CSRのその先へ
http://andomitsunobu.net/?p=6365

日経ビジネス
https://special.nikkeibp.co.jp/atcl/NBO/17p/sustainable2017_4_emf/

BIZHINT
https://bizhint.jp/report/245823

日本こども支援協会
https://npojcsa.com/jp_children/poverty.html

寄付ナビ
https://kifunavi.jp/issue/poverty/support/

Local.Biz
https://local-biz.jp/news/2982

CSRコミュニティ
http://www.csr-com.jp/business/01.html

中小企業ができるCSR活動とは?具体的な事例と期待できる効果
https://media.epod.jp/archives/449

さいたま市HP
https://www.city.saitama.jp/005/002/010/002/p063489.html

自治体によるCSR企業認証の現状を今後の方向性
https://cs2.toray.co.jp/news/tbr/newsrrs01.nsf/0/4C

筆者:綾部菜香
大学で国際協力(SDGs)、防災、企業のCSRについて研究。
世界をよくするためにボランティアという支援という形ではなく、ビジネスを通して社会の課題解決につなげたいと考えており、活動中。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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