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法令が先か、あり方が先か?

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こんにちは!栗原誠一郎です。

「65歳定年 3社に1社」

この見出しを見て、そんなバカな?と思われたかもしれませんね。

これは3月30日の日経新聞の記事見出しです。私も目を疑いました。

詳しく読んでみると、これは日経新聞社が行った「社長100社アンケート」で2割の社長が定年を60歳から65歳に延長する意向を示したというものでした。

また1割の会社は既に65歳定年としていたため、合計で3割は65歳定年になるという意味だそうです。

このアンケートの対象企業は大企業で、大企業は中堅中小企業に比べると、人材に恵まれており、そもそもの賃金水準も高いため、65歳への定年延長に対して否定的な考えの企業が多かったのですが、人手不足は大企業にまで及んできたという証なのかもしれません。

65歳定年までの給与水準についても、アンケート結果によれば60歳以前の給与水準の7割以上にする意向の企業が4割近くいるとのこと。

社会全体が高齢化しているということは、個々の企業における人員構成からみても高齢者の割合が大きくなることを意味します。

法令にしたがって、65歳までの雇用は確保するものの、現在多くの企業が行っている賃金を大幅カットし再雇用という運用方法では、社員のモチベーションダウンは避け難く、今後対象者が増加すれば、会社全体の風土にも悪影響がでることは必至です。

しかし、給与水準を維持しようと思えば、人件費の増加は覚悟しなければなりません。

また、それが多くの企業が法令で義務付けられていることしかしていない理由でもあります。

 

 余裕のある大企業以外は法令に従ってさえすれば良いか?

先日、ある中小企業の経営者の方が、「我々は大企業と違って余裕があるわけではないのだから、高齢者雇用にしろ、女性活躍推進にしろ、法令で義務付けられている以上のことする必要はない」と明言していました。

確かに大企業と比べれば固定費負担能力はないのかもしれません。

しかし、それでは、いつまでたっても「つぶれない企業」でしかなく、「発展する企業」にはならないのではないでしょうか?

 

歴史はあっても発展していない理由

以前、ある100年近い歴史のある会社の社員と話をしていたとき、彼が会社に対する不満を話すので、企業の寿命が30年と言われる中、100年近く続いていることは素晴らしいのではないかと話したところ、「100年近く経っているのにこの規模の会社でしかないことがダメな証拠」だというのです。

ある意味、本質をとらえてますよね。

中小企業でよいと思っていれば、そのような会社にしかならない訳です。

もちろん規模が全てとは言いません。

しかし、我が社は法令で言われることだけ、つまり最低限のことだけ守っていれば良いという姿勢では、社会の公器としての企業という視点から考えても発展していくわけがありません。

 

ありたい企業になるために先行投資を行う

年齢や性別に関わらず有能でやる気にあふれている社員が活躍している会社。

そのような会社にするために、どのようなことが必要かを考えた時、法令ではそこまでは求められてはいないということに何の意味があるのでしょうか?

どんな企業でありたいのか?
その企業像を考えた時、必要と考えられる投資は先行して行う。

もちろんステップを踏むことは必要でしょう。
しかし、それは法令にしかたなく従うものではなく、自発的なものであるべきでしょう。

さて、皆さんの会社は、どんな会社を目指していますか?
そしてそのための先行投資は行っていますか?

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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