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年上部下のマネジメントは難しい?信頼関係を築くためのポイントも紹介

部下のマネジメント
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長く採用されてきた年功序列が崩れつつある現在、日本のビジネス界でも「年上の部下」「年下の上司」が増えてきました。併せて問題になっている点が、年上の部下にどのようにマネジメントをするべきなのかという点です。

年下の上司からしてみれば、自分よりも知識や経験がある年長の方への接し方に戸惑ってしまう場面も多いでしょう。しかし年上だからとマネジメントを怠るわけにもいきません。

では実際のところ、年上の部下に年下の上司はどのように接するべきなのでしょうか。本記事では、年上部下に対するマネジメント方法や信頼関係を構築するポイントについて解説いたします。

年上部下へのマネジメント方法とは

実際のところ年上部下へのマネジメントは、どのような方法をとるべきなのかでしょうか。注意すべきポイントともに見ていきましょう。

立場と年齢を混同しない

年上の部下に対してマネジメントを行う際、最も気を付けてほしい点が「仕事における立場と年功序列を混同しない」という点です。

一般的に年齢を重ねるほど、知識や経験を積み重ねられると考えられます。だからこそ、まだ経験が少ない年下上司から指示や指摘をすることが難しいと感じるのでしょう。

しかしビジネスの場における立場とは、適材適所で各々に割り振られるものです。入社したばかりの新入社員のように、明らかに経験が足りない場合を除いて、本質的にビジネスの場で年齢は関係ありません。

したがって年上・年下は関係なく、まずは与えられた役職を全うすることが重要だといえます。上司に求められていることは、中長期的な目線を持ち部下にとって適切なマネジメントを行うことです。

年上部下だからこその接し方があることは事実ですが「年齢ばかりに気を取られて必要なマネジメントができない」このような事態を引き寄せないようにしましょう。

年長者に対する一定の敬意は必須

ビジネスの場である以上、仕事を前提として動くことが重要だと紹介しました。しかしいくら仕事上において部下だとしても、年長者に対する敬意を持ち合わせないようでは摩擦が避けられないことも事実です。

与えられた立場から各々が仕事を進めると同時に、自身より経験を持っている年上部下への敬意も忘れないようにしましょう。一例として挙げるとすれば以下になります。

  • 上から目線にならない
  • 敬語で話す
  • 培ってきた経験を頭から否定しない

基本の人間関係と同じであるため、特別難しいことをするわけではありません。仕事上の立場と一般的な人間関係を混同することなく、それぞれのバランスを意識するとよいでしょう。

年上部下の疎外感に注意する

上司が年下、チームを構成する人員も若い方が多い。このような状況になると、年上部下に疎外感を覚えさせる恐れがあります。

放っておくと「自分がここにいる意味があるのか」「会社にとって自分は必要ない人材なのではないか」など、ネガティブな思いに引きずられてしまうこともあるでしょう。こうなると、年上部下は自分を守ろうとしてコミュニケーションが難しくなる可能性があります。

したがって不必要な疎外感を覚えさせないよう、適切な役割や居場所を提供することが重要です。一例を挙げれば以下のようになります。

  • 知識や経験を生かして若手の指導役になってもらう
  • 得意分野に専念してもらう
  • チーム全体のサポート役になってもらう

チーム内での自分の役割を確保すれば、ネガティブな思いに引きずられることもなくなるでしょう。業務全体を見通す心の余裕が生まれれば、年下上司にとっての良きアドバイザーになってくれるかもしれません。

年上部下と信頼関係を構築するコツ

年上部下に限らず、適切なマネジメントを行うには信頼関係が重要です。ここでは年上部下と信頼関係を築くポイントについて見ていきましょう。

すべての部下と平等に接する

チーム内の関係を良好にし、風通しを良くするためにも、すべての部下に対して平等に接することが重要です。

年上の部下に対して特別扱いをしたり、むやみにへりくだったりするようでは、かえって年上であることを強調することになりかねません。上司と年上部下の間がうまくいったとしても、チーム内の関係には悪影響だといえるでしょう。

一方、上司が年齢やキャリアによって態度を変えない姿勢を貫けば、チーム間でも同じ価値観を共有できるようになります。結果的に年齢などによって左右されることのない、強固なチームを作れるでしょう。

活発なコミュニケーション

年齢に限らず信頼関係を構築するには、活発なコミュニケーションが重要なポイントになります。特に年上部下の場合は、遠慮をしてしまうことで話しかけにくいと感じることもあるでしょう。

しかし話しかけにくいからと、コミュニケーションを途絶してしまえば、信頼関係を構築することはできません。仕事の話はもちろん、あいさつなど普段のちょっとした会話を意識して持つようにしましょう。

ここで注意すべきポイントとなるのが、仕事の話・雑談のどちらにしても、自分の話だけで終わらないことです。年上上司は扱いづらいと感じることもありますが、同時に豊富な経験や、年下の自分では知らないような知識を持つ心強い存在でもあります。

マネジメントをする立場であることをわきまえつつ、教えを乞う謙虚さを持てば、コミュニケーションを取りづらいと感じることも少なくなるでしょう。

年上部下と接する際にやってはいけないNG行動

部下であっても年上である以上、接する際には敬意が必要だと解説しました。ただ、年上であることをむやみに意識しすぎることも良くありません。ここでは年上部下と接する際のNG行動について見ていきましょう。

相手が年上だからとへりくだる

年上部下に対して敬意を持つことは大切ですが、年齢だけにこだわって必要以上にへりくだらないよう注意しましょう。年下であろうとも自身がチームのリーダーです。遠慮をしすぎてしまうようでは、本来のリーダーシップを発揮できなくなります。

そもそも年上部下の経験や知識を敬い、相談やアドバイスをもらうこととへりくだることは別物です。

実際にチームがどのように動き、何を目標にするのかを決めるのはリーダーの仕事なのです。リーダーが年上部下にへりくだるようでは、チーム内のパワーバランスも崩れてしまうでしょう。年上部下本人もやりにくいと感じてしまいます。

年上部下の顔色をうかがうことなく、毅然とした態度を見せることも大切なポイントだと考えられるでしょう。

知識・経験への過度な期待

年上部下の知識や経験について、正しく把握しておくことも重要です。年上だという一点だけを見て「あれもこれもできるだろう」と丸投げしてしまえば、年上部下の負担にしかなりません。

ごく当たり前のことですが、年齢に関係なくだれにでも得意・不得意があります。不得意・未経験の業務を与えられてしまった場合、年上部下は自分だけでなんとかしようと抱え込んでしまうことも考えられるでしょう。

プライドが邪魔をして、周りに助けを求められないケースも考えられます。

このような状態を招かないためにも、知識や経験への過度な期待は禁物です。マネジメントを行う上で求められる、冷静・公平な目線を忘れないようにしましょう。

まとめ

年上部下にマネジメントを行う際には、年齢と立場を混同しないよう注意が必要です。年上であることに敬意を払いながらも、リーダーとして刻然とした態度が求められるためです。

立場をわきまえたうえで、チーム全体に公平に接することができれば、自然と周りからの信頼も集まります。信頼できるリーダーをトップに置くことができれば、チーム自体の結束も強まるでしょう。

ただ年上部下の中には、年齢を重ねたことで、必要以上にプライドが高くなっているケースもります。どうしてもうまくマネジメントを行えない場合は、自身のマネジメントスキルを上げることも求められます。

自身の上司に相談する、自身がセミナーを受けるなど、できることから行動しましょう。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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