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台湾経済の行方

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こんにちは!栗原誠一郎です。

ブルキナファソ、中国と国交樹立

先日、日経新聞を見ていると、西アフリカにあるブルキナファソという国が中国と国交を回復したという小さな記事が掲載されていました。

何気なく読んでいると、その記事の最後に、ブルキナファソは中国との国交回復の2日前に台湾と断交したと、さらっと記述されていました。

中国(正確には、中華人民共和国。以下、中国と記載)は、自らを中国唯一の合法的な代表であると主張(一つの中国)し、台湾(正確には中華民国。以下、台湾と記載。)を中華人民共和国統治権下の台湾省として、主権国家として認めていません。

1971年の国連決議によって、中華人民共和国政府の代表が国連における中国の唯一の合法的な代表であることが承認されて以降、世界各国(日本・アメリカも含む)は、中国と国交を樹立し、結果として台湾と断交しています。

現在、台湾と国交がある国は18か国(中米のベリーズ、エルサルバドル、ニカラグア、グアテマラ、ホンジュラス、カリブ海地域のハイチ、セントクリストファー・ネイビス、セントルシア、セントビンセント・グレナディーン、南米のパラグアイ、オセアニアのキリバス、マーシャル諸島、ナウル、パラオ、ソロモン諸島、ツバル、アフリカのスワジランド、欧州のバチカン)で、残りの国々も中国とのビジネス関係の強化のために、台湾と断交する国が出てくることでしょう。

 

台湾経済への影響

では、こうした圧力が台湾経済にどのような影響があるかというと、現状としては、さほどの悪影響は生じていません。日本も含め主要国は非公式組織を通じて台湾と実務的な交流は続けており、その活動については中国も特に問題視していません。

台湾にとって中国は輸出入ともに最大の貿易相手国であり、そのためリーマンショック以降、中国の成長鈍化の波を受けて台湾の経済成長率自体は低成長が続いていますが、特に中国から経済的に圧力を受けている訳ではありません。(唯一、中国から台湾への団体旅行客に対して規制をかけている様子。)

そもそも、中国の中台関係における現状方針は、独立は絶対に認めないが、経済交流は深め、実質的に台湾を取り込んでいくというものです。

これはある意味、対台湾だけでなくアジア諸国全体に対する中国の影響力拡大策でもあります。(参照記事:カンボジアマレーシア

実際、2018年2月に中国は、台湾の企業・個人に中国の国民・企業と同じ待遇を与える優遇措置(税制優遇、軽減税率の適用、台湾の科学技術研究機関、学校などが中国の計画に参入することを可能にする、インフラ整備や政府調達への参加を認める等々)を発表しています。

この優遇措置の発表に対して、台湾は「形だけの優遇が多く、実際には中国を利するもの」とし、対抗策として就業環境の改善や産業育成の強化を図る方針を打ち出しています

低成長から脱却したいという想いはあるものの、これ以上中国依存度を高めるのは危険との判断でしょう。

しかし、中国に頼らず成長するための道筋ははっきりとは見えてきません。

 

台湾が本当に危惧すべきもの

台湾は、物価水準の違いを考慮した購買力平価での一人当たりGDPは日本を上回っており、国連が毎年公表している世界幸福度ランキング(「所得」「健康と寿命」「社会支援」「自由」「信頼」「寛容さ」などの要素を基準にランク付けしたもの)ではアジアでトップの国です。

また、2018年の全人口における65歳以上人口の比率は14.05%とアジアでは日本に次いで高い高齢化率となっています。

我々は、他のアジア諸国と同様、台湾に対しても新興国特有の高成長のイメージを持ちがちですが、日本同様、絶対水準としては良い国であるが、成熟しつつある国でもあるのです。

台湾が本当に危惧すべきは、中国ではなく、成熟化にともなう国民の安定化志向なのかもしれませんね。

 

さて、皆さんはどう思いますか?

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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