競争戦略を考えたポジショニング分析

ポジショニング分析というと、ライバル会社との製品の差別化を図り、優位性を発揮することがメリットとして取り上げられることが多いようですが、ポジショニング分析は製品そのものだけでなく、実は企業の経営戦略と大きく関わっています。

ポジショニングマップを見て「ああ、そういう事ね」と納得するだけではなく、実際に企業活動に落としていくことが求められます。

今回は、ポジショニング分析の活用方法を、経営戦略の視点から見ていきます。

消費者の中でのポジショニング

ポジショニング分析の目標はターゲットとする消費者の頭の中で1番のポジション得ることです。

まずは、その商品ジャンルの中で、消費者の選択肢の中に入っていることが重要です。

マーケティングの教科書では、そう強調されていますが、果たしてそれだけで良いのでしょうか?

ポジショニング分析と経営戦略

ポジショニング分析というと、製品の特性を軸にして分析することが最もポピュラーですが、その他の要素も深く関わっています。

例えば、製品の内容は遜色ないのに、なぜかライバル社に大きく水をあけられている場合があります。

そんな時は、製品そのものから少し外れて、他の要素も比較してみる必要があります。

では一体、どんな要素を考えていったら良いのでしょうか?

企業間競争における差別化の方法論

企業は製品・サービスを顧客に提供することによって他社に対抗していかなくてはなりません。

では、そもそも他社と競争して勝利していくためには、どんな方法が考えられるのでしょうか?

企業の経営戦略のうち、ポーターが提唱した説に「競争戦略」というものがあります。

ポーターはこの説の中で、企業が競争に打ち勝って生き残るには、「コストリーダーシップ戦略」「焦点戦略」「差別化戦略」という3つの方向性があると言っています。

3つの方向性の意味は以下の通りです。

コストリーダーシップ戦略

同業他社より低コストで製品を製造または提供できる企業力があることが強みになる戦略です。

低価格製造が実現できるため、収益性が高く、価格競争に陥っても、とことん収益性を確保できるという強みを発揮します。

焦点戦略

ニッチ戦略とも言われ、特定の製品分野やターゲットに絞った活動を行っている戦略です。

特定の製品や顧客を対象にしているため、得意にしている分野であれば競争も少なく、狭い分野で一人勝ちできる可能性があります。

差別化戦略

他社との違いを強調して消費者を引き付ける戦略です。

差別化の方法には品質の差別化、イメージ戦略、提供方法等があります。

競争戦略の要素をポジショニング分析に応用

消費者が製品の特性だけで購入を決めいているわけではないとすると、競争戦略の要素をポジショニング分析の軸として活用する意義はありそうです。
(コストリーダッシップは企業内の要素が強いので今回は割愛します。)

具体的には、以下の分析軸が考えられます。

ターゲット

・産業用ユーザー・一般消費者
・ヘビーユーザー・ライトユーザー・初心者
・男性用・女性用
・幼児向け・若者向け・成人全般・高齢者向け
など

イメージ

・高級・大衆
・エレガント・スポーティ
・フォーマル・カジュアル
・保守的・革新的
など

提供方法

・メーカー直
・店舗販売
・通信販売
・訪問販売
・移動販売
・産直
など

競争戦略の軸を活用したポジショニング分析の実際

では、具体的に競争戦略の要素を加味したポジショニング分析の方法を見ていきましょう。

図1のポジショニングマップは、主に製品の特性だけに的を絞って製品のポジションを分析しています。

しかし、このマップだけでは、人気のポジションはわかりますが、それだけしかわかりません。

このマップだけを頼りに考えると、高品質×低価格の象限に新製品を再び投入するか、別のポジションに参入して差別化するかという判断がありますが、根拠はありません。

次に、競争戦略の要素を軸にしてみると、新たなポジションが見えてきます。価格と利用度という軸で見てみます。(図2)。

高品質×低価格の象限で最大の収益を上げていた企業のうち上位企業であるA・B・C社製品は、実はヘビーユーザーにウケていたということがわかります。

ここで、「ヘビーユーザー向けに新たな機能を搭載した製品を投入する」あるいは「既存製品をリニューアルし、ヘビーユーザー向けのイメージに切り替えると」いった戦略が考えられてくるわけです。

まとめ・総合的な要素でポジショニングを判断し対応する必要性

製品の物理的特性だけを見てポジショニングを分析すると、製品特性だけを考えた戦略になりがちです。

しかし、実際の消費者の購入決定要素はそれだけではありません。

消費者側から見た購買要因を見つけていかなくてはなりません。

さらにそれは、自社が行うべき経営戦略が見えてくるというものでなくてはならないことがご理解いただけたのではないでしょうか?

モノやサービスを提供していると、提供している商品そのものに執着しがちになりますが、消費者の視点、さらには競争に勝っていくための視点も重要ということですね。

著者:hanbaishi
中小企業診断士。専門は経営・マーケティング・起業家指導・IT化支援。・TBC受験研究会にて診断士講座講師、福岡県産業・科学技術振興財団ベンチャースクール講師を経て、現在、専門学校で販売士検定・起業論・就職指導を行う。著作「中小企業のためのASPサービス導入に関する調査・研究(中小企業診断協会)」「繁盛店への道(財団法人福岡県企業振興公社刊)」等。趣味は黒鯛の落とし込み釣り、魚料理。

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