「原因」と「結果」を決定するのはその前後のシチュエーション

こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。

今回の記事ではロジカルシンキングのもう一つの基本「統合」についてお伝えします。

前回お伝えした「分解」で重要となる「4Pの視点」があれば、「統合」の作業自体は全然難しくありません。

今回の記事では「統合」の方法についてお伝えしながら、「4P視点がないと統合の精度がどれだけ下がるか」も合わせてお話します。

統合の基本は「原因・結果」の整頓

統合の基本は「原因・結果」を間違いなく結んでいくこと、つまり因果関係をはっきりさせていくことです。

コレ自体は非常に簡単な作業に感じると思います。

例えば、「お金を使いすぎた」という要素と「お金がない」という要素を原因・結果の順番に並べることは簡単ですよね。「お金を使いすぎた、だからお金がない」という並びになります。

では、次にこれはどうでしょうか?

「コーヒーを飲んだ」という要素と「トイレに行った」という要素についてです。

多くの人は「コーヒーを飲んだ、だからトイレに行った」と想定するでしょう。これは「正しい」因果関係です。

でも、稀に「トイレに行った、だからコーヒーを飲んだ」という因果関係を見出す人がいます。

しかも、「トイレに行った、だからコーヒーを飲んだ」という因果関係が「正しい」場合もあるんです。

因果関係を決定するのは「前後の文脈」

先程の「コーヒーを飲んだ」「トイレに行った」という2つの要素の結び方には2パターンが存在し、どちらも「正しい」場合があると言いました。具体的にこれはどういうことなのでしょうか。

「コーヒーを飲んだ、だからトイレに行った」という因果関係を見出した人の頭は、おそらくこういうふうに動いたはずです。

「コーヒー(水分を飲んだ)」→「体の中の水分量が増えた」→「尿意を催すようになった」→「トイレに行った」

もしくは……

「コーヒーを飲んだ」→「コーヒーの利尿作用で尿意を催すようになった」→「トイレに行った」というところでしょうか。

これに対し、「トイレに行った、だからコーヒーを飲んだ」という因果関係を見出した人の頭はどういうふうに動いたのでしょうか。

例えばこうですね。

「トイレに行った」→「1時間後に検尿なのでもう一度トイレに行かないといけない」→「尿意を催すために(利尿作用のある)コーヒーを飲んだ」

もしくはこう

「トイレに行った」→「下痢をした」→「体の中の水分量が少なくなったので、脱水状態にならないようにコーヒーを飲んだ」

という場合ですね。

ちなみに、この例えを屁理屈だと感じられる方は、「家電量販店に行った」「パソコンを買おうと思った」という2つの要素を因果関係で結んでください。

「パソコンを買おうと思った」から「家電量販店に行った」というのが大人の行動なのでしょうが、実際には「ふらっと家電量販店に行ったら欲しかったパソコンが安く売っていて、しかもそれがセールをしているので、パソコンを買おうと思った」というケースはいからでもあります。後者の場合は「家電量販店に行った」から「パソコンを買おうと思った」のですね。

コーヒーの例でも、パソコンの例でも、因果関係を決定していたのは各要素ではありません。その要素が登場する「文脈/シチュエーション」によって決定しました。

文脈を判断するために必要な4P視点

つまり、因果関係を間違いなく把握するためには前後の「文脈/シチュエーション」の把握が必要になりますが、その把握のために必須のスキルになるのが「4P視点」です。

例えば最初のコーヒーの例で言えば「Purpose(目的)」の視点を切り替えることで、どちらの文脈も想定出来たはずです。

「なぜコーヒーを飲んだのか?」「なぜトイレに行ったのか?」という具合ですね。

パソコンの例で言えば「Period(時間)」の要素が分かっていれば間違いようがないですよね。

どちらが先でどちらが後かによって「先が原因」「後が結果」というように判断出来ます。

ちなみに、統合においてはこの「Period(時間)」の考えが特に重要になります。

先程お話したように「先が原因」「後が結果」です。

ただ、ビジネスの中には「どちらが先でどちらが後」だったかを追えない問題がたくさんあります。その場合は残りの3つの視点をもって判断しましょう。

自分の思考の前提条件を洗い出す

ここでもう一度最初のコーヒーの例で出した4つの解釈を見てみましょう。

①「コーヒー(水分を飲んだ)」→「体の中の水分量が増えた」→「尿意を催すようになった」→「トイレに行った」

②「コーヒーを飲んだ」→「コーヒーの利尿作用で尿意を催すようになった」→「トイレに行った」

③「トイレに行った」→「1時間後に検尿なのでもう一度トイレに行かないといけない」→「尿意を催すために(利尿作用のある)コーヒーを飲んだ」

④「トイレに行った」→「下痢をした」→「体の中の水分量が少なくなったので、脱水状態にならないようにコーヒーを飲んだ」

この4つに共通する要素があります。

それは「コーヒーを飲んだ」と「トイレに行った」が直接的につながっておらず、別の要素を間に挟んでいるということです。

この要素はどこから出てきたのでしょうか。当然因果関係を判断した人の頭の中ですよね。

ではどうやって要素を補ったかというと、自分の過去の経験に照らし合わせたんです。つまり自分の「前提条件」を勝手に当てはめていたんですね。

しかも、多くの人は「自分が勝手に要素を補った」ということに気がついていません。

だから因果関係の捉え違いを生むし、場合によっては自分だけが納得しているけど人に説明しても全然納得してもらえないという事態が生じるんです。

なのでここでも因果関係を考えるときに、「自分はなぜこの因果関係を正しいと思うのか?」という問を自分にしてみてください。

その時に4Pのそれぞれを変えながら自分に対して質問をしていくと効率よく前提条件を見つけることが出来ます。

ロジカルシンキングまとめ

では、ロジカルシンキングのまとめです。

まずロジカルシンキングとは………

・物事を各要素毎出来るだけ細かい言葉に分解し

・その分解した要素を原因と結果、属性という規則に基づいて再び統合する

ことです。そして、「分解」「統合」のそれぞれをうまく行うためには、自分の中にある「前提条件」を洗い出すことが大切です。その前提条件の洗い出しに効果的なのが………

①Purpose(目的)
②Position(立場)
③Perspective(空間)
④Period(時間)

の4つの視点です。この4つの視点を習慣化することで、ロジカルシンキングそのものを習慣化することが出来ます。

では、今回はここまでです。

次回からは企業の中でロジカルシンキングを実際に活用する方法をご説明します。

著者 井畑太佑
「いいものだらけの世の中へ」をテーマに起業家支援業を行う会社、株式会社Key-Performance取締役。「起業茶屋」という起業家支援イベントを主催し、年間500名以上の経営のお手伝いをしています。座右の銘は「粋で優しいバカでいろ」です。

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