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BCP(事業継続計画)の意味と必要性

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近年、日本国内の度重なる自然災害発生を受けて、BCPといわれる災害発生に対応した事業計画を作ることが多くの企業に求められるようになっています。

BCPとは何か?その意味や背景、中小企業におけるメリットなどをご紹介します。

 

BCP(事業継続計画)とは

BCPとは、英語でBusiness Continuity Planを略した言葉であり、日本語に訳すと、「事業継続計画」と言えます。

天災や人災が起こって、企業の従業員や設備などに被害が及び、業務が出来なくなった時に、いかにスムーズに業務を再開し、いかに早く被災前の操業状態に戻すかを、事前にしっかりと計画しておき、いざというときに備えるものです。

しかし、多くの中小企業においては、そのための備えが出来ていないのが現状です。

 

防災計画との違い

BCPに似た計画に「防災計画」と言われるものがあります。災害に備えるという意味では同じですが、根本的には違うものです。

防災計画では、災害が起こった時に、従業員の生命や財産、会社の設備や製品への被害を最小限に食い止めるよう努力するものですが、BCPは、災害そのものは防災計画と同じに想定しながら、最短時間で企業の活動を再開しようとするものです。

 

BCPが求められる背景

日本では近年、災害が多発しています。2011年に起こった東日本大震災をはじめ、西日本の集中豪雨災害や関東地方の河川堤防の決壊を伴う大規模な浸水被害など、連日ニュース報道がなされています。

そもそも、日本は世界の中でも群を抜いて自然災害が多い国です。地震や台風、河川の氾濫など多くの災害リスクを負っています。

国際連合大学が2016年に発表した調査によると、日本は調査した171カ国中、リスクが高い順で17位となっています。

欧米の先進国の多くは100位以下ですから、いかに日本が災害リスクに晒されているかが分かります。

 

【参考】「日本経済新聞 自然災害リスク、日本17位と高く 国連大学が171カ国調査

また、企業の活動を阻害する災害は自然災害だけではありません。

最近、過激になっている香港の反政府デモやテロリズム、インターネットを使ったサイバーテロやなりすましによる詐欺事件、従業員による不正など多様化しています。

 

災害発生と中小企業との関係

災害はどんな企業にも降りかかります。しかし、大企業は持っている資産や内部留保が潤沢ですから、ある程度の災害には耐える力があります。

生産や営業拠点も多くありますから、一時的に活動範囲を変更したり、被災していない地域の工場で増産を図ったりすることは、いくらでもできます。

しかし、中小企業の場合、製造や営業の拠点は限られています。本社や製造拠点が被災すると、操業や営業が困難になり、それが原因で取引先から取引中止を告げられ、やむなく倒産や廃業となることは多々あります。

特に製造業では、中小企業といえどもサプライチェーン(部品の供給網)の一端を担っていることが多く、一度の被災で全てを失うことにもなりかねません。

我が国の事業所の95%以上を占めるのは中小企業です。わが国の経済基盤をなしていると言っても過言ではありません。

その中小企業の経営状態が、度重なる災害で停滞するとしたら、わが国の経済や国民生活全体に影響を及ぼす大きな問題になります。

国も、このような状況を重視し、中小企業庁を通じてBCP策定運用指針を発表し、BCP策定のアドバイスや策定後の教育訓練・見直しについて、サンプルや事例を豊富に準備して支援しています。

【参考】「中小企業庁 中小企業BCP策定運用指針の公開にあたって

 

BCPの特徴・メリット

では一体、BCPとはどんなものなのか?その特徴やメリットを見ていきましょう。

 

早期操業再開することの社会的意義

まず、何といっても事業を迅速に再開することで、企業としての存続を図ることが出来ます。企業は社会の公器です。

早期に操業を開始することによって、従業員を路頭に迷わせないだけでなく、取引先や金融機関、地域経済にとっても大きなメリットがあります。

つまり、自社が再建することは、ステークホルダー(利害関係者)に対する社会的責任を果たすことでもあるのです。

 

企業価値の向上

BCPを策定し、いざという時に最短時間で操業を再開することは、有事の際にとても重要なことですが、そもそも事前にBCPをきちんと整備していること自体、取引先からも大きく評価されます。

特に製造業のサプライチェーンの一員である場合などは、元請け企業から高い評価を得たり、金融機関からも信頼されたりすることが出来ます。このことは、BCPが平常時から活用できることを表しています。

 

社内の問題点解決の糸口

BCPを策定するにあたっては、社内の設備や人材、工程などの現状を洗いざらい調べる事から始めます。

設備の老朽化や安全性の不安、製造工程のムダ、人員配置(シフト)の過不足など、改めて調べてみると社内の体制に不備がいくつも見つかることでしょう。

これは、一種の企業の健康診断であり、BCP策定をきっかけにして、企業体質を強化することにもつながります。

 

広い範囲のリスクにも対応

災害は自然災害だけではありません。感染性の病気の大流行や従業員の不正や不祥事、製品の不良による事故・リコール、セクハラ・パワハラ、個人情報の漏洩など、人的要因による災害も拡大しています。

飲食店やコンビニで従業員や顧客が遊び半分に投稿したSNSの動画が拡散し、企業のブランドイメージの失墜をもたらしたことは記憶に新しいところです。

そういった人的要因による企業活動停止に対しても、BCPは有効に作用します。

 

まとめ

企業活動におけるBCPの意味や役割、特徴などについてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?

大きな災害が日常茶飯事のように起こっている昨今、大企業だけでなく、中小企業においても大きな役割や意義を持っていることがご理解いただけたのではないでしょうか。

また、BCPは非常時だけでなく、平常時の企業体質を強化するきっかけにもなります。ぜひこの機会に導入を検討していきましょう。

 

著者:hanbaishi
中小企業診断士。専門は経営・マーケティング・起業家指導・IT化支援。・TBC受験研究会にて診断士講座講師、福岡県産業・科学技術振興財団ベンチャースクール講師を経て、現在、専門学校で販売士検定・起業論・就職指導を行う。著作「中小企業のためのASPサービス導入に関する調査・研究(中小企業診断協会)」「繁盛店への道(財団法人福岡県企業振興公社刊)」等。趣味は黒鯛の落とし込み釣り、魚料理。

 

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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