「ギフトエコノミーって何?」
「ギフトエコノミーは具体的にどうするの?」
「シェアリングエコノミーと同じもの?」
と考えていらっしゃいませんか?この記事では、「ギフトエコノミー」についてシェアリングエコノミーとの違いを含めて徹底解説します。
ギフトエコノミーとは?
ギフトエコノミーとは「見返りを求めず与えることを目的とする経済」のことです。
「見返りを求めずに与える気持ち」「見返りを求めずに行動する」ことは、もともと人間の中にあります。お母さんが赤ちゃんを育てるときの行動はまさに、見返りを求めずに与え続ける行動です。
しかし、「経済」と言う方向から考えると、資本主義を中心に世界が回っており経済の中で「見返りを求めずに与える」考え方は、あまり取り入れられていませんでした。
そこが最近経済の中でも、見返りを求めないギフトエコノミーが注目されてきています。
ギブ&ギブのエコノミー
「経済を発展させる」つまり、自分の会社が利益を上げるためには、ギブ&テイクが欠かせないと考えられているのは周知の事実です。
日本でも「接待」「あいさつまわり」「お中元&お歳暮」などの習慣があります。立て前としては「お世話になっている企業に対するお礼」「お近づきの印です」などと言いますが、その目的の中に「利益」が絡んでいることは否めません。
要するに利益が期待できるから、見返りがあるから贈り物をしたり接待をしたりすると、自分の成績にとって何かプラスになるからです。
反対にギフトエコノミーは、見返りを期待しないので自分に利益があるかないかを考慮せずに行動します。「ギブ&ギブ」のエコノミーだと言えるでしょう。
実際にどんなことをするのか具体例を解説!
ギフトエコノミーを経済に取り入れる方法は、実践する企業によって異なります。
会社内のボーナスを感謝とともに従業員で分け合うシステムを導入している企業もあれば、寄付で運営しているレストランもあります。
どのようにギフトエコノミーの考え方を自分たちの企業に取り入れるのか工夫するところにも、ギフトエコノミーの楽しさがあるといえるでしょう。
ギフトエコノミーは資本主義とは正反対!
今の世界の経済は主に相手の出方を見て損得で決定するという資本主義の考え方によって動いていますが、ギフトエコノミーは資本主義とは正反対の考え方です。
資本主義が「お金」という分かりやすく見えるものによって利益や、成果を見いだすのに対し、ギフトエコノミーは「人の感情」に訴えかけるという見えないものにアプローチします。
ギフトエコノミーを実践するためには、見返りを期待しないで動く必要があるのです。
ギフトエコノミーとシェアリングエコノミーとの違いを解説
ギフトエコノミーと同じくシェアリングエコノミーと考え方も最近注目を浴びるようになってきました。
ギフトエコノミーとシェアリングエコノミーは似ているようですが違うものです。
この項目では次のことについて徹底解説します。
- シェアリングエコノミーとは?
- シェアリングエコノミーの具体例とは?
- ギフトエコノミーとシェアリングエコノミーとの違いとは?
シェアリングエコノミーとは?
「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。
自分の家や車、その他自分が持っているもので自身は使っていないものを貸し出すことで利益を得るシステムです。
自身は使っていないものを人に貸し出すことにより、無駄をなくしつつ利益につながります。
シェアリングエコノミーの具体例とは?
Airbnbはシェアリングエコノミーとして近年注目をあびるようになってきたシステムです。
Airbnbというサイトを介して自分の持ち家をホームステイとして観光客や出張先のサラリーマンに貸し出します。
ホテルに泊まるのに比べて格安ですし、家具、電化製品などを備えている部屋も多いので、子供連れの旅行にも向いているのです。
また、自分の車を移動手段として提供するUberタクシーもシェアリングエコノミーの代表です。
ギフトエコノミーとシェアリングエコノミーは違うもの!
ギフトエコノミーとシェアリングエコノミーは、一見似ているようですが根本的に違います!
シェアリングエコノミーは、自分の持っているものを他の人に役立ててもらう考え方ですが、それによって利益を得ることが目的です。
要するに「ギブ&テイク」の考え方を元に、サービスを展開しています。
ギフトエコノミーはサービスにより「利益」や「見返り」を得ることを目的としていません。そのためギフトエコノミーとシェアリングエコノミーとは違うものなのです。
ギフトエコノミーによって人に与える影響とは?
ギフトエコノミーは、資本主義の考え方とは大きく異なる経済の考え方なので、ギフトエコノミーを実践することは人にも影響を与えます。
人に与える影響とは次の通りです。
- 温かい気持ちになれる
- 他の人に何かしてあげたい気持ちになる
- 良いサイクルが回る
この項目では、ギフトエコノミーが人に与える影響について3つとりあげます。
温かい気持ちになれる
昔から人は「人のためになることをすると、心が温かくなって幸せになれる」と言われてきました。おじいちゃんやおばあちゃんからそう言われて育った覚えのある人も、いるのではないでしょうか?
昔からの言葉にもあるように、人は他の人のために何かをしてあげることによって温かい気持ちになるので満足感を得られます。
ギフトエコノミーを実践することで、直接的な利益にはつながらないように見えても誰かのためにしてあげたという満足の気持ちを保てるのです。
他の人に何かしてあげたい気持ちになる
ギフトエコノミーを体験し誰かから見返りを期待せずに親切なサービスを受けたときに受ける側も幸せになり、他の人に何かしてあげたくなります。
無視の気持ちでしてもらったサービスは、相手にも伝わりますよね?
例えば子供が一生懸命に書いた「お母さんの絵」「道端で摘んできた雑草の花」などのプレゼントをお母さんはすごく喜びます。
有名な絵描きが描いた高額の絵でもなく、花屋で買ってきたバラの花でもないのですが同じほど、もしくはもっと高い価値を感じるでしょう。
これは子供がお母さんのことを思って心からプレゼントする気持ちがあるからです。
お母さんはより一層子供のことを愛おしく思い、なんでもしてあげたいと思うでしょう。
良いサイクルが回る
「ギフトエコノミーを実践することで自分自身も幸せな気持ちになる」「ギフトエコノミーを受けた側も幸せになるので誰かにしてあげたくなる」という人の気持ちは良いサイクルになります。
ポジティブなエコノミーが良いサイクルとして回るなら、より多くの人が満足を感じるでしょう。このように良いサイクルが生まれる影響もあります。
このことから分かるように、どんな人でも形だけでもらうプレゼントよりも心から送られるサービスやギフトは嬉しいものです。
嬉しいので、今度は他の人にも何かしてあげたい気持ちになります。
まとめ
ギフトエコノミーは今の資本主義とは全く別のエコノミーで見返りを期待せずに何かのサービスを提供することです。
シェアリングエコノミーと似ているようですが、シェアリングエコノミーは自分が使用していないものやサービスを提供し利益を得ることなのでギフトエコノミーとは異なります。
ギフトエコノミーを実践することにより、「自分自身も満足できて、幸せになれる」「他の人にもしてあげたい気持ちになる」などの影響を与え、良い影響が循環します。
次の記事では、ギフトエコノミーを取り入れることのメリットについて徹底解説します。