企業の不祥事は何故後を絶たないか?

こんにちは。
栗原誠一郎です。

不祥事つづきの日本企業

東洋ゴム工業、三菱自動車、東芝、そして最近では富士ゼロックスと、大型の不祥事が近年続いているように思います。なぜこうした不祥事は後を絶たないのでしょうか?

こういう問題が起きるとすぐにコーポレートガバナンス(企業統治)の話になりがちですが、コーポレートガバナンスが整っていれば不祥事がなくなるとはとても思いません。
つまり、そこにやりたいことがあれば、管理の網の目を潜り抜けることを人は考えてしまうからです。

遵法精神という言葉も、こういう事件が起きるとその重要性がやたら強調されますが、これも違和感があります。

例えば、我々は人を殺してはいけないという法律があるから、人を殺さないのでしょうか?そうではないはずです。そのような人間にはなりたくない、だから人も殺さないし、盗みもはたらかない。単純にそういう理由ではないでしょうか?

一方、一連の不祥事を起こした企業の社員は、不祥事の原因となる行為をやりたかったのでしょうか?

私はそれもまた違うと思います。

振り返って考えれば、2つの背景があると思います。

 

不祥事がおきる二つの背景

一つは売上至上主義・利益至上主義、また、バブル崩壊・リーマンショックという企業存続の危機を経て染み付いてしまった思想です。

今日がなければ明日はない。確かに利益を出せなければ企業は存続できません。

資本主義国家であろうと社会主義国家であろうと、利益は必要です。利益を出せないということは、投入価値より産出価値の方が低いということであり、社会の富を減らしていることに他ならないからです。

しかし、企業の使命は様々な商品やサービスを通じて社会を豊かにすることであり、社会を豊かにできている証として利益が存在するだけで、利益を出すこと自体が企業の目的ではないですよね。

だから、数字を操作して取り繕った利益では意味がありませんし、人を騙して得る利益では意味がない。そうではないでしょうか?

バブル崩壊、リーマンショックという大不況を乗り切った企業は、その成功体験として、本質的な利益の意味を忘れ、過度に利益そのものを重視するようになっているように思います。

 

もう一つの背景は、社会の価値観の進歩です。昔は当たり前に行われていて、罪でもなんでもなかったことも多くあります。
今の時代においては、やって当たり前のことではなくなっている。近年問題になっている長時間残業などもこれにあたります。

しかし、そのことに対して、「昔は普通だった」とか、「実質的な問題はほとんどないのに世間がうるさすぎる」と言っても意味はありません。

それは社会が進歩している証拠だからです。だから個々の企業も社会の進歩に合わせて変わっていかなければなりません。そうでなければ、価値観が進歩した社会を豊かにはできないからです。

 

企業が持つべきビジョンとは?

自分はどのような企業人でありたいのか、そして自分の企業をどのような企業にしたいのか?
誰しも、そのような想いをもっていると思います。

しかし、それは、これくらいの売上規模の会社、利益規模の会社にしたいといった単に数字だけのものでは意味がありませんし、本質的なビジョンであっても、社会の価値観の進歩に合わせて、見直し、進化させていかなければならないのです。

 

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2 件のコメント

  • 初めて拝見しました、参考になりました。社会の変化に対応できる能力は重要ですね。多くの中小企業で、何のために利益を求めるのかを考えることなく、利益、利益と言っているようです。その先に何があるのか?

    • コメントありがとうございます!赤字企業は社会の富を減らしていることになる(=縮小再生産)。ゆえに資本主義社会においては、社会を豊かにするために、利益が出せない企業はつぶれるという「ルール」を作っています。これが企業にとっての「利益」の意味なのですが、多くの企業はおっしゃるように、何のための利益か考えずに、数字だけを追っているケースが多く見られます。「利益」とは何か、しっかり考えられる人材の育成が不可欠ですね。

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