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軽減税率とは

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最近、CMやニュースでも頻繁に取り上げられるようになった軽減税率。

これは中小企業にとって切っても切れない問題の1つですが、中小企業に従事されている方は軽減税率について的確に認識しているでしょうか。

このような政策について的確に認識することで節税対策につながり収益向上に大きく寄与します。

そこで今回は全5回のシリーズとして中小企業と軽減税率について解説していきます。まず今回は軽減税率の概要という形で解説していきます。

 

消費税増税について

まずは軽減税率を理解する上で欠かせない消費税について解説していきましょう。年々上がっていく消費税ですが、現在の8%から2019年10月1日には10%へ増税される予定となっています。

今回のシリーズでフォーカスしていく中小企業に限らず、個人の生活レベルにおいても消費税増税は生活の大きな痛手となっており、税金といえば「消費税」とネガティブなイメージを肌で感じていることでしょう。

そもそも消費税は、1989年のバブル末期に3%で始まり、1997年に5%へ増税、覚えに新しい2014年に8%となって現在に至ります。

国の財政不安が危惧され1990年初頭のバブル崩壊を境に注目されるようになってから、近年は一層その重要性を増すばかりです。

本来は2015年に予定されていた消費税10%への引き上げでしたが、消費への圧迫による景気悪化が危惧され、二度の延期を経て遂に現在に至ります。

 

軽減税率について

財政不安と景気悪化のバランスをみて施行されてきた消費税増税ですが、それと並行して2019年10月1日に実施が予定されているのが軽減税率制度です。

これは消費税増税のための経過措置の1つで、特定の商品を既存の8%のままの税率で設定するという規定です。

特定の商品というと基本的に今回の措置では、酒類を除く飲食料品に加え週2回以上の発行がある新聞が対象となります。それ以外は増税に合わせて10%の消費税が発生することになります。

中小企業にとってありがたい制度になることは間違いありませんが、これを効果的に活用していくには、業務やシステムにおける仕様の変更や補助金の受け方など、様々な対応が必要になってきます。

軽減税率導入の目的

先述したように、増税は生活を圧迫し消費の低下に繋がると危惧されています。皆さんも高価な商品は増税前に購入しようと考えたことがあるのではないでしょうか。

特に中小企業のような企業体であれば、個人で商品を購入する場合にも増して高額な商品を購入する場合が多い傾向にあるので、気にした経験があるのではないでしょうか。

また商品を販売している中小企業であればクライアントからの購入が増税前は拡大し、増税後は縮小した経験があるかもしれません。

このように増税と消費は切っても切れない関係なのです。そのような背景もあり、「経済的な配慮」を目的として軽減税率制度が導入されるのです。

生活必需品である飲食料品が軽減税率制度の対象になることで消費の圧迫における緩和となる可能性は大いに秘めていますが、実際のところどの程度効果があるのかについては実施されないことには不透明でもあります。

また一概には言えませんが、衣類や洗剤、燃料などについても今後検討される可能性もあります。

さらに情報化社会と言われて久しい近年、スマホ代なども議論の対象になってくる可能性もあります。

軽減税率対象品目

大まかにスキームで規定すると、飲食料品や定期購読新聞が対象となるのが軽減税率です。さらにそれらを詳しく見ていきましょう。

中小企業にとって実務レベルで役立てるには対象品目を的確に理解することが重要です。

対象品目
・飲食料品(食品表示法に規定する食品)
・有料老人ホーム等で提供される飲食料品
・持ち帰り飲食料品(コンビニ弁当、牛丼やハンバーガーなどのファストフード)
・新聞(週2回以上発行される定期購読新聞)

対象外品目
・外食(店内やフードコートでの飲食)
・酒類
・医薬品、医薬部外品

このように飲食料品や新聞といっても細分化され扱いが難しくなるので、注意が必要です。

また一体商品という名目も存在します。

1万円以下の商品で軽減税率対象の食品がしめる割合が三分の二以上である場合は、その商品自体が軽減税率対象となります。

規定が曖昧な商品になるのでこのような商品を扱う中小企業は細心の注意が必要になってきます。

 

中小企業の対応

それでは中小企業における軽減税率の対応策について見ていきましょう。

軽減税率導入の目的が先述した経済的な配慮であり、この趣旨は中小企業においても適応されます。国は地方自治体をはじめとし商工会議所やメーカー、ベンダーなどの団体と連携し、中小企業の軽減税率制度の理解や対応へ向かうための支援を行なっています。

しかし、現場レベルの認知には依然として不安が残っているという現場も伺うことができます。

例えば、軽減税率制度に適応した既存のシステムやPOSレジの導入や改修は支援の対象ですが、現場では対応が進んでいるでしょうか。

確実に適応していくためには、これらの取り組み対し中小企業側からも前向きにアクションを起こしていく必要があります。

また補助金を受けるための方法については、次回以降の記事で詳しく解説していきますので、ぜひチェックしていってください。

関係する事業者

飲食料品や新聞が対象となる軽減税率ですが、実際は全ての事業者(中小企業)に関係してきます。

それらの対象品目を直接扱っていない(売り上げに関与しない)場合においても、対象品目の仕入れがある場合は10%の標準税率の商品と8%の軽減税率の商品を区分する必要があります。

つまり、経理システムの改修が必要になってきます。しかし、何らかの理由で、それぞれの税率に適応できない中小企業は、一定期間の特例措置を設けられることができます。

さらに、クライアントから「軽減税率制度の対象品目」の請求書などを記した書面の発行を求められることも考えられます。

このように直接的に対象品目を扱っていなくても認知しておく必要があるのです。

 

著者:柄木田裕哉(karayu)
新卒フリーランスでライティング業務やサイト運営を行なっております。
学生時代は経営学や都市戦略、地域イノベーション、ソーシャルデザインを中心に学びました。
また、学業と並行し某コーヒーチェーンにてバリスタトレーナーや時間帯責任者、芸能プロダクションに所属しモデル業、営業、マネジメント業務を経験しました。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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