ギフトエコノミーを実際に実践している企業について
ギフトエコノミーはアメリカで発祥した考え方で、誰かのためを思って行動する考え方です。
損得を考えて行動する人が多く、貧富の差が激しい世の中にあってギフトエコノミーを実践することでちょっとした思いやりやギフトを届けることができます。
ギフトエコノミーの考え方は、日本でも少しずつ注目され始めてきますがまだまだ市民の生活として浸透していないのが現状です。
反対に世界ではギフトエコノミーが少しずつ浸透しています。
特にイタリアでは第二次世界大戦中にすでにギフトエコノミー の考え方が存在していました。この記事はギフトエコノミーのメリットや世界の動きについて解説します。
ギフトエコノミーとは?
「そもそもギフトエコノミー って何?」と考えておられるのではないでしょうか?ギフトエコノミーとは、相手からお返しされることを期待せずに行う「ギブ&ギブ」のエコノミーです。
現在の世の中は「ギブ&テイク」で、「これをやったら何の得になるのか」とかんがえるのがふつうです。
例えば、利益が見込まれるから契約をする、こちらにとってメリットがあるから接待をすることは普通に行われています。
自分の特にならないなら何も行動したくないという態度を取る人も珍しくありません。
ギフトエコノミーは「ギブ&テイク」とは正反対の考え方で、利益にならないとしても誰かのために何かをしてあげることです。
ギフトエコノミー の実践の仕方とは?
ギフトエコノミーの実践方法は至って簡単です。「困っている人を見つけたら、その人を助けてあげる」「誰かが喜ぶことをしてあげる」たったこれだけです。
難しく考える必要はなく、自分にできることから行っていけるでしょう。特にギフトエコノミーは具体的にルールがあるわけでなく工夫次第でいろいろな取り組みができます。
ギフトエコノミーは「何をしたらみんなが喜ぶか」と相手が喜ぶことを考えながらアイデアを出し合って工夫することも楽しいのです。このようにいろいろな可能性を秘めています。
世界のギフトエコノミーの動きを解説!
もともとギフトエコノミー の考え方はアメリカのカルマキッチンから始まりましたが今やいろいろな国でも実践されています。
例えばイタリアでは古くから「カフェ・ソスペーゾ」という習慣がありましたが、経済不況の影響で現在も見直されているのです。
この項目ではイタリアから始まったギフトエコノミーについて解説します。
イタリアから始まったヨーロッパでのギフトエコノミーとは?
イタリアのミラノにはもともと第二次世界大戦中に「カフェ・ソスペーゾ」の習慣がありました。「カフェ・ソスペーゾ」は「保留カフェ」という意味です。
自分のコーヒー料金を払うときに一杯分のコーヒー代金を「保留」として支払います。保留されたコーヒー代金はコーヒー代金を払うだけの資力がない人がコーヒーを飲むために使われました。
「お金がなくてコーヒーが飲めない…」という人でも、見ず知らずの誰かが支払ってくれた「保留」の前払い代金があったのでコーヒーを楽しめたのです。
第二次世界大戦中のイタリアが「カフェ・ソフペーゾ」のことを「ギフトエコノミー 」だと思っていたかどうかはともかく、「カフェ・ソフペーゾ」はまさしくギフトエコノミーの考え方そのものです。
イタリアと言えばエスプレッソ文化です!エスプレッソ文化を心から誇っていたイタリア人が「貧困の人でもコーヒーだけは飲んでもらいたい」と無視の気持ちから行っていた行動だと分かります。
ブルガリアでも始まったソフペーゾ!
世界大戦後しばらく無くなっていたイタリアの「カフェ・リフペーゾ」でしたが、イタリアやギリシャを中心とした経済悪化の影響で、また見直されることになりました。
イタリアやギリシャが深刻な経済悪化の影響を受けているニュースは日本でも取り上げられていたので、記憶に新しい方も多いのではないでしょうか?
そんな中、再開されたのが「カフェ・ソフペーゾ」でした。イタリアは最悪な大不況の中、もう一度「カフェ・ソフペーゾ」が始まりました。
第二次世界対政治とは違い、ネットが普及していたことで「カフェ・ソフペーゾ・ネット」が作られ、以前より大規模に活動されました。
この現代版「カフェ・ソフペーゾ・ネット」の反響は凄まじく、経済不況で貧困の国民が多いブルガリアでも影響を受けて始まるという結果に!
ブルガリアでは、カフェ、ファストフード、飲食店が協力して「ソフペーゾ」を呼びかけています。このように、「貧困で食べるものに困っている仲間の力になりたい」、「誰かが美味しいモノを食べて幸せになってほしい」という行動はヨーロッパで広がっているのです。
ギフトエコノミーのメリットとは?
ギフトエコノミーを企業で取り入れることは沢山のメリットがあります。
その中でも特に大きなメリットは次の3つです。
- 相手にさわやかな気持ちを与える
- 自分自身もさわやかになる
- 良い行いが循環する
相手にさわやかな気持ちを与える
ギフトエコノミーを実践することにより、誰かにさわやかな気持ちを与えるのがメリットです。
先ほどの「カフェ・ソフペーゾ」も「お金を払えない人にも、自分と同じように美味しいコーヒーを飲んでもらいたい」「自分が大好きで、誇りを持っているコーヒーだからこそ他の人も飲んで幸せになってほしい」「困っている人を助けたい」という心からの行動の現れです。
誰かの「保留」によってコーヒーが飲めた人がどれだけ感謝し、幸せになったかは想像に難しくありません。
自分自身もさわやかになる
見返りを期待せずに無視の気持ちから行った行動は、自分自身もさわやかな気持ちにします。「カフェ・ソフペーゾ」の例がからも伺えるように、ギフトエコノミー を行ったからと言って、自分が直接感謝される機会はないでしょう。
自分の良い行いを誰が受け取ったのか結局は知らないままなのです。
それでも誰かが幸せになっていると思うとさわやかになり、満たされた気持ちになるでしょう。
良い行いが循環する
誰から受けた良い行いや、プレゼントは人をさわやかにするので、受けた人は自分も同じようにしたいと思うようになります。
「カフェ・ソルペーゾ」によって救われた人は、貧困から脱出した時に誰かにお返ししたいと思うでしょう。感謝しているからです。
このように、良いサイクルが生まれることによって、社内はいつも良い雰囲気に保たれるでしょう。良い行動が循環することもギフトエコノミーのメリットです。
まとめ
ギフトエコノミーは「ギブ&ギブ」の考え方で、誰かのために見返りを求めずに行動するエコノミーです。
ギフトエコノミーを実践することにより、受けた人がさわやかになるだけでなく行動した本人もさわやかになり満足感を得るという良いメリットがあります。
また人のために行った無視の行動は相手の心を動かし、他の人にも同じように良い行動をしてあげたいと思うこともメリットです。
ギフトエコノミーの実践方法はとてもシンプルで「困っている人を助ける」「誰かが喜ぶことをしてあげる」だけです。ギフトエコノミー の考えを取り入れて企業として実践しているところもあります。
人が喜ぶところを想像すると誰でも幸せな気持ちになりますが、ギフトエコノミーの具体的な実践方法を考える過程そのものが充実した時間となるでしょう。