こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。
前回の記事では集客ファネルについてお話しました。顧客を親切に商品まで誘導するための集客ファネルですが、せっかく設計しても正しく機能しなければ意味がありません。
今回の記事では、ブログ運営に欠かせない「指標」の管理の仕方をご紹介します。
キーワード設定、ブログ全体のピラミッド構造の設計、集客ファネルの設定、そしてKPI設定が全部揃って、初めてブログマーケティングでのトライアンドエラー、PDCAサイクルを回すことが出来ます。頑張りましょう。
※ちなみにPDCAサイクルとは「Plan」「Do」「Check」「Act」の4つの頭文字をとったものです。日本語に直すと「計画」「実行」「測定」「改善」です。目的に向かい確実に試行錯誤を積み重ねるために、「計画→実行→測定→改善→次の計画………」のサイクルを繰り返すことをいいます。
指標となるKPI(数値)の種類
みなさんは「KPI」という言葉を聞いたことがありますか?
KPIとはKey Performance Indicatorの略語で、設定した目標の達成に向けて測定すべき、鍵となる指標のことを言います。
今回であればブログでのマーケティングを成功させるために必ず必要な指標です。
では、まずは指標となるKPI(数値)の種類をご紹介します。
細かく設定すれば無限に出てきますが、これさえ設定しておけば大丈夫という5つをご紹介します。
1.PV数
2.セッション数
3.ユニークユーザー(UU)数
4.SNSシェア数
5.エンゲージメント率
ざっくり説明します。
PV数
PVとはページビューの略で、期間中に対象のページが何ページ見られたかという情報です。
代表的な測定の仕方は「月間PV」で、自社のブログが一ヶ月間に合計何回見られたかの数値です。
多くのブログがこの数値を公表しているので、自社のブログの現状を相対的に図る数値にもなります。
また、その他にも目的によって「1記事の1日のPV」に着目して調べたりします。(特殊な目的がある時を除けば、1日のPV数を出したいときにも一ヶ月分を調べて、月の日数で割ります。WEB検索は意外と日によっての変動が大きいので、標準的なデータを調べるためには長い期間の平均が必要なのです。)
セッション数
PVとの違いに注意してください。PVがページを見た回数なら、セッション数は「ページを訪れた回数」です。
例えばサイトAにアクセスして5ページ見た場合、セッション数は1で、PVは5です。
翌日またサイトAにアクセスして、今度は8ページ見たとします。この場合累計のセッション数は2、PVは13です。
セッション数は単体で使われることはあまりなく、PVと比べた「ページ/セッション」で一回のセッションにつき何ページを見るのかという情報や、この次に紹介するユニークユーザー数と比べた「セッション/UU」でユニークユーザー一人あたり平均月何回サイトを来訪するのかを調べたりします。
これも重要な数値です。
ユニークユーザー数(UU)
ユニークユーザー数とは、月に訪れた人数のことです。
セッション数がいわゆる「延べ人数」だとすれば、こちらは純粋な「来訪人数」。期間中に何回訪れても、同じ人であれば「1人」とカウントされます。
SNSシェア数
SNSでシェアされた回数です。Twitterならツイートでの投稿になりますね。
SNSでのシェアの管理はもちろんですが、SNSシェアの測定はもう一つ重要な役割があります。
それは「記事の質」をより正確に判断出来るという点です。
記事の質をPVの多さで判断する場合、どうしても検索順位などに影響を受け、純粋な「記事の内容」の判断にはあまり適切とは言えません。
ですが「SNSシェア数/PV」という比較で見ると、「そのページを見た人のうち何人がSNSでシェアをしたか」という情報が得られます。
記事の質が高ければ当然シェア率も上がっていきます。
SNSシェア率を測定することで、より顧客がどんな記事を望んでいるかが明確になります。
エンゲージメント率
これは集客ファネルで説明した「CTA」やマガジン登録率、問い合わせ数や商品の成約数などの、「こちらが促した行動を行ったかどうかを測定する指標」です。
この指標も最重要。設定しないなんてありえないです。集客ファネルで設定した導線すべてで「エンゲージメント率」を測定する必要があります。
基本的には目標とする数値に対して「無理なく・理想的な」エンゲージメント率を設定し、それでも目標達成をしないとき、もしくはむちゃくちゃなエンゲージメント率を維持しない目標に届かないというときだけ、PVを上げていく動きになります。
なので、KPI測定の要になるのがエンゲージメント率です。
KPI設定の方法
KPI設定はあまり難しくありません。
まずはファネルの最終地点での目標を立てます。例えば「オンラインサロン登録者数、月10名」などです。
次に、ファネルを一段上がって、エンゲージメント率を設定します。最初は業界標準をベースに設定しておいたほうがいいでしょう。
ちなみに業界標準はネットで公開されている情報もあれば、専門の業者に依頼をしないと調べられない場合もあります。
また、WEBマーケティングをあまり行わない業種の場合は、類似のサービスでのエンゲージメント率を調べましょう。
この時「現時点での自社サイトの状況(エンゲージメント率)」も必ず測定して見られるようにしておいてください。
次も同じです。ファネルを一段上がってエンゲージメント率を設定します。
ファネルの一番上に上がると、最終的には「検索者数(PV数・UU数)」に行きつきます。
ここで、まずは自社の現状のPV数、エンゲージメント率を当てはめたときに、目標に届いているかどうかを確認して下さい。
多くの場合、現状のままでは目標に届かないでしょう。
そこで次は、各エンゲージメント率を業界標準に置き換えて下さい。(業界標準を上回っている部分はそのまま据え置き)業界標準のエンゲージメント率になった場合、現状のPVで目標を達成出来るかどうかを確認します。
達成出来ているのであれば、エンゲージメント率を業界標準にまで上げられるように、届いていない部分を修正して、再び測定を行っていきます。(PDCA)
もしエンゲージメント率を業界標準にまで上げても目標に届かない場合は、PVを上げるしかありません。
具体的には「検索流入を増やす」というSEO的な対策か、すでにいるユーザーの回遊率を増やすという導線対策になります。
このように、集客ファネルの各要所にKPIを設定すれば、どこを修正しなければいけないかがはっきりと分かります。
原因がはっきりしていて、到達すべき数値もわかっている状態。この状態になって初めて「PDCA」というものが回せるのです。
なぜエンゲージメント率を起点とするのか?
世の中ではウェブマーケティングといえば「PVの向上」みたいなイメージがありますが、実際にPVを追うのはオススメしません。
なぜかというと、検索で上位に表示されるかどうかはGoogle次第なので、不確定要素がとても大きく、しかも行動してから効果が出るまでの期間が長い。つまりPVは「制御しきれない要素」なのです。
それに比べてエンゲージメント率は行動してからすぐに結果が出ますし、お客さんにとって価値ある行動をすれば必ず効果が現れます。つまり「制御出来る要素」です。
なのでエンゲージメント率を起点にするのが重要です。
今回はここまでです。
次回の記事はオウンドメディアに欠かせないもう一つの要素、SNSでの使い方についてご紹介します。
ブログという母体があることで、SNSのコストパフォーマンスは非常に高くなっています。せっかくの資産、有効活用しないともったいないですよね。
では、また次回。
著者 井畑太佑
「いいものだらけの世の中へ」をテーマに起業家支援業を行う会社、株式会社Key-Performance取締役。「起業茶屋」という起業家支援イベントを主催し、年間500名以上の経営のお手伝いをしています。座右の銘は「粋で優しいバカでいろ」です。