現代の溢れる情報の中から、“不変”の情報を見極めて半永久に使えるアイデアに変換する方法を紹介していきます。
溢れる情報から不変を見極めることの意義
まず初めに「溢れる情報」とは何か?をピックアップしました。
- インターネット
- スマートフォン(電話番号登録者・SNS・携帯会社の宣伝)
- テレビ・ラジオ・新聞・雑誌
- 店舗(店外・店内・広告・従業員のセールス)
- 訪問セールス・電話セールス・FAXセールス
- 電車の中吊り広告・駅の広告・街に溢れる広告と案内
- 対話(家族・友人・会社・学校・趣味の集い・地域の集い・役所)
- 図書館
- リアルな体験
- 過去の経験(トラウマ)
巷に溢れる情報の中には、過去の潜在意識や無意識のうちに取り入れてしまう情報が氾濫しているのです。
日頃、意識しないで情報を選別しないと「溢れる情報」だけで頭の中はいっぱいになってしまいます。
溢れる情報の中から不変を見極める方法
それでは、情報の選別をしましょう。
溢れる情報の中から“不変”(揺るがない永久的な)の情報だけを見極めるヒントを説明します。
「情報の本質」を見極めて必要な情報なのか?不要な情報なのか?を判断する参考にしてみてください。
情報の本質を見抜く方法
インターネットのニュースなどを例に挙げて解説します。
ニュース記事タイトルだけで惹きつけられて、記事の本文で結論にまで至らないような記事を見かけませんか?
ニュース記事のタイトルは、「知りたい」と思わせるような仕掛けがされています。
情報の本質を見抜ければ、読んで余計な情報を入れなくてもいい判断ができるのです。
物事の本質を例に考えてみましょう。
噴火したばかりの山と噴火して時が経過した山を例に話を進めます。
山は山
山は時として火山活動を開始して、噴火する恐れもありますが、「いつ噴火するのか?」を正確に予測するのは難しいです。
噴火しても山は山。
ニュースや新聞記事などから情報をそのまま受け止めると、下記のように捉えてしまいます。
「○○山は怖いね。近寄らない方がいいよ」
「○○山は噴火する山だよ」
「○○山は怖い危険な山だよ。嫌な山だね。」
いわゆる、風評被害ですね。
過去に噴火した山が、噴火をしなくなりました。
噴火をしない状態が10年以上続けば、地元民以外の一般の人は過去の話になってくるのです。
そして山の麓の高原でアウトドアを楽しむ人も増えてきます。
「○○山は最高だね。また来ようね。」
「○○山は登山客も多いね。」
「○○山は緑がきれいで開放的な山だよ。大好きな山だね。」
噴火から10年以上経って風評が収まり、「噴火レベル」も安全になりました。
過去の噴火も忘れられて、同じ山に対しての受け止め方は変わります。
10年前 = 嫌な山
10年後 = 大好きな山
だけど本質で見抜けば、「○○山は○○山」です。
嫌でも大好きでも怖い山でもきれいな山でもないのです。
つまり、主観で情報を捉えていくと情報の本質が見抜けなくなります。
情報の発信元が仕掛けたヴェールによって、隠されたままで終わってしまうのです。
典型的な例が、芸能ニュースなどの記事タイトルが当てはまります。
「元A〇B48の○○が深夜の密会!お相手は30代イケメンIT社長!」
誤解のないように断っておきますが、これは仮に作ったタイトルになります。
タイトルだけで判断すると、このニュースの本質は有名タレントと実業家の交際が発覚したというだけの内容です。
スクープされたタレントの熱狂的なファンならば非常に興味を持つ内容ですね。
芸能ニュースを批判しているわけではありませんが、ニュースのタイトルは、記事の内容を読みたくなるような仕掛けがされているのです。
「不変を見極める」という観点からとらえれば、ニュースの対象になった芸能人とIT社長の恋愛情報を「知るべきか?」という判断になります。
今現在の自分の脳にインプットして役に立つのかどうか?という咄嗟の判断になるのです。
多分、役に立つとしたら、社内の芸能通の同僚とのコミュニケーションで、ランチ中の会話のネタに使うだけの情報で終わりでしょう。
さらに現代の溢れる情報の観点から判断すると、ニュースで話題になっている情報をネタに会話をしても革新的な時間にはなりません。
その理由は、スマートフォンの普及により、誰でも情報の入手が簡単になり、誰もが「情報通」になれる環境だからです。
以上のことから、情報の本質を見極めて、余計な情報を取り入れない体制を整えましょう。
そして溢れる情報の中から、主観ではない物事の本質だけにフォーカスするのです。
自分の身の回りの状況を俯瞰して見ることが重要になってきます。
では、情報の本質を見極めた後は、その本質の情報をどのようにアイデアに変えていくのでしょう?
それは、情報の本質になるキーワード(テーマ)を中心にして発想を論理的に膨らませていく方法になります。
溢れる情報から見極めた不変(本質)をアイデアに変える方法
アイデアといえば、単純に“ひらめき”と思いがちですが、ひらめきは単なる“思いつき”です。
ひらめきを「アイデア」にまで完成度を上げるには、論理的に整理する必要があります。
論理的に磨き上げて他人に伝えられる提案となって初めて「アイデア」と呼べるのです。
ここで言う“ひらめき”は、溢れる情報から見極めた“本質のテーマ”になります。
不変のテーマをアイデアとして磨きをかけるためには、論理的に整理していく必要があるのです。
ここで代表的な2つの本質のテーマをアイデアとして成長させる方法を紹介します。
マンダラート
マンダラートとは、1987年に今泉浩晃氏が発案した9×9のマス目を使った論理的に発想が展開していく方法です。
中心に「テーマ(問題)」を置いて、8つの関連するキーワードを周囲の8つのマスに書き込んでいきます。
8つのキーワードをさらに次の9×9のマスの中心に置いて、さらに8つの関連するキーワードを書き込んでいくのです。
本質的なテーマから関連したキーワードで派生していくので、新しい気づきを得られるアイデア発見方法になります。
ブレインストーミング
1938年にアレックス・F・オズボーン氏が発案した企業内でよく行われるグループディスカッション形式のアイデア発掘方法です。
本質のテーマを「お題」にして、グループで大量の発想を引き出す方法になります。
ブレインストーミング、略してブレストにはルールがあります。
参加者がルールを守らないで始めたら収拾がつかなくなり、揉める場合もあるので注意しましょう。
ブレストのルール
- 人の提案には決して批判をしない
- 大したことのないアイデアも大歓迎(自由寛大)
- 全ての提案を付箋やカードに記録する
- 制限時間を設ける
- 質より量でできる限り吐き出す
そして、出たアイデア(提案)から連想したり、結合したり、時には人のアイデアに便乗したりして、アイデアに磨きをかけて最終的にグループ内で多数決により絞り込んでいきます。
グループディスカッション形式の脳内から発生するアイデアを議論のような雰囲気の中で出していく方法です。
このように本質のテーマからあらゆる関連性に結び付けて発展させて、新しいアイデアに変換させていくことができるのです。
一人でマンダラートを実行したり、グループでブレインストーミングしたりすれば、不変のテーマが、あらゆる方向へ新しいアイデアとして発展していくことでしょう。
著者:絵鳥彰太郎
飲食店店舗責任者の経験を経て、某給食委託会社のエリア管理に人材育成とコスト管理のバランスを追求してきました。
時間管理には、「情報の断捨離」が必要と自ら、論理的に情報の取捨選択を実行して、安定したパフォーマンスで日々を送れるように心がけております。