最近はリモートワークの進展で、オンライン会議をすることが増えていますよね?
外出自粛の中でオンラインでの決算説明会や株主総会なども行われましたが、通信速度による問題はあるものの、ほとんど技術的な問題はないようですので、このスタイルは続くのではないかと思われます。
オンラインで会議、オンラインで飲み会というスタイルも日常生活の一部として続いて行くのでしょう。
グループビデオ通話できるチャットツールで十分?
さて、前回の記事でSlack、Chatwork、Skypeといったチャットツールを紹介しました。また、普段のコミュニケーションにLINEやFacebook Messengerを使っている人も多いでしょう。
SlackやChatworkでは有料版のみになりますが、これらのツールではグループビデオ通話の機能があります。
複数人で顔を映しながら通話ができる機能です。もちろん音声だけの通話も可能です。これがあれば、会議できるよね?と気付かれた方、鋭いです。
少人数であれば、共通のチャットツールを入れて、そこで会議をしてしまえば良いのです。全員が同じツールを入れれば可能です。
無料版チャットツールでのグループビデオ通話の制限
- LINE: 200名まで同時通話が可能、時間無制限
- FaceBook Messenger: 50名まで同時通話が可能、時間無制限
- Skype: 50名まで同時通話可能、1 か月あたり 100 時間(1 日最長4時間)
と、ほぼ少人数の組織には問題ないレベルです。
人数が多くなると通信が不安定になることがあるのと、1時間くらいのビデオ通話で300MB程度のデータを消費するので、通信に制限がある人は必要な時のみビデオにして後は音声にするなどの工夫をしながら使うのが良いでしょう。
画面共有でオンライン会議でも仕事がはかどる
これらのチャットツールでのグループビデオ通話機能を利用して会議を行うとき、一番便利なのは「画面共有」の機能です。
事前に関係者に資料のファイルを送って見てもらう形もできますが、同じ画面を共有し、資料を修正している様子も共有できればよりわかりやすくなります。
ツールごとに少しずつやり方は違いますが、以下の方法で画面共有が可能です。
ただし、LINEの場合はスマートフォンのアプリでのみ画面共有が可能です。LINEはどうしてもPCよりスマホ上で操作しやすいようにできているので、PCを主に使っている人には注意が必要です。
ツールごとの画面共有のやり方の違い
本格的なオンライン会議ツールが必要な時とは?
さて、少人数での組織内での会議であれば、チャットツールでも可能だと述べましたが、本格的なオンライン会議ツールが必要な時とはどんな時でしょうか?
- 社外など不特定多数な人と会議がしたい
- 参加者が、何か会員登録するなど特別な手続きなく会議に参加したい
- セミナーなど、大人数への発信中心のイベントがしたい
このような時が考えられると思います。
組織内であれば連絡先を知っているので問題ありませんが、面識のない人にいきなり連絡先を教えるのは抵抗がある人もいます。
また、プライベートではチャットツールの会員になっていても、仕事上の関係者には教えたくない場合もあるでしょう。
大人数の人々に自社の製品やサービスを紹介するセミナーをオンライン上で行う「ウェビナー」は近年広まりつつありますが、このような場合は、主催者がプレゼンをしている間は参加者には私語はしないでほしいが、質疑応答では積極的に質問してほしい、といったニーズもあります。
チャットツールでは、このようなニーズに答えることが難しく、本格的なオンライン会議ツールを導入することが必要になってくるのです。
参加者側が登録手続きなく会議に参加できるのは、ZoomとWebex
同じ組織の外から参加者がいて、何かの会員登録をしなくてもWeb上で会議に参加したい。そのような場合、日本語に対応していて使いやすいのがZoomとWebexとなります。
多くのオンライン会議がこれらのツールを用いているため、名前だけは聞いたことがあるという方も多いでしょう。いずれも無料版が用意されています。まずはこれらのツールの比較から見ていきましょう。
Zoom | Webex | |
PCでの利用 | ○ | ○ |
スマホでの利用 | ○ | ○ |
会議の時間 | 1対1は無制限、 3人以上は40分 (有料プランは無制限) |
50分
(有料プランは無制限) |
同時接続人数 | 100名 | 100名 |
画面共有 | ○ | ○ |
ホワイトボード | ○ | ○ |
バーチャル背景 | ○ | スマホのみ |
録音録画 | ×(有料プランのみ) | ×(有料プランのみ) |
最も簡単に使えるオンライン会議ツールとして普及したZoom
(出典:Zoom公式サイト)
今や「Zoom飲み」なんて言葉も一般的になっているほど有名になったZoom。2011年にアメリカで設立されたZoom社によって提供されている比較的歴史あるツールです。
アプリケーションも比較的軽く、自分の自宅を見せたくない人には「バーチャル背景」、お化粧をしなくても会議に出られる「美肌機能」などがあり、多くのユーザーを獲得しました。
無料プランでは3人以上の会議を主催するときは40分までと制限されていますが、参加者として参加する分には関係ありません。会議を主催できる1ホストのライセンスは2000円/月~となっています。
昔から企業内で広く使われてきたツールWebex
(出典:Cisco Webex公式サイト)
一方でWebexは大手企業を中心に使われ、Cisco社によって提供されているツールです。もともとは1995年にWebex社から生まれ、2007年にCisco社に買収されて現在に至ります。
Zoomも実はWebexから生まれた会社で、まさに枝分かれして現在の形になっています。
有料版の一番安いプランは1ホスト1490円/月となっています。
一般的に、セキュリティ的にはWebexの方が優れていると言われています(実際はZoomもセキュリティ対策を強化しているので確実なことはわかりません)。
ホワイトボード機能でブレインストーミングにも使える
これらのオンライン会議ツールで1つ便利な機能が「ホワイトボード」機能です。
その場で話し合われたことをメモすることもできますし、ホストが許可すれば、参加者全員が書き込むこともできます。
テキストだけではなく、図や絵を入れることも可能です。
このような機能を使って、参加者同士でアイデアをブレインストーミングすることもできますから、実際に集まることができなくても、アイデアについて話し合う、内容はホワイトボードでシェアして行うということが可能になります。
Zoomでは画像での保存、WebexではPDFでの保存となりますが、まさにホワイトボードの画面印刷機能をオンラインでもできるということで、オンライン上でのクリエイティブな活動が広がりそうですね。
いかがだったでしょうか。
皆さんの会社が、ほぼ同じ会社や部署の仲間同士でのオンライン会議しかしないのであれば、最初はチャットツールを使っていても問題ありません。
ただし、これから社外の人と多く会議するようになるとか、大人数にむけてのウェビナーを開きたいという展望があれば、ZoomやWebexといった本格的なオンライン会議ツールを導入してみても良いでしょう。
1アカウントごとの料金はチャットツールよりは高めですが、まずは社内で1アカウント持っておけばできることの範囲が広がることは間違いないでしょう。
オンライン会議ツールを使って皆さんの仕事がいっそう効率的になれば幸いです。
著者:中尾 凛
働き方改革コンサルタント、ITライター。約20年にわたるIT業界の経験から、企業がリモートワークやツールの導入でどのように生産性を上げられるかを実践中。海外での事例などを調査し、Webメディアなどでの紹介もしている。