メタバースを活かした中堅中小企業の対応方法参考事例

アジャイル型経営の事例

企業の紹介

企業名:株式会社クロスエフェクト
事業内容: プラスチック製品製造業
資本金:1,000万円
HP:http://www.xeffect.com

事業の概要

2000年  京都市伏見区にてクロスエフェクト創業
2001年  株式会社クロスエフェクト 法人設立

光造形や真空注型による高速試作を強みとする試作品メーカーとして医療、自動車、家電等の分野でデザイン・設計から開発試作品製作、市場投入品小ロット生産に至るまで一貫して対応している会社です。

「顧客の想いをどこよりも速く形に変える」をミッションに掲げ、「最もシンプルで、最も良いものを、最も速く」提供することをモットーとしています。

世界初のフルオーダーメイドで3次元CADによる寸分違わない臓手術用模型を開発しています。

ものづくり日本大賞内閣総理大臣賞受賞をはじめ、グッドデザイン賞金賞(経済産業大臣賞)受賞、経済産業省主催「中小企業IT経営力大賞」優秀賞受賞など、モノづくりの質だけでなくデザインや最新経営など、ビジネス全般において質の高い実績を残しています。

アジャイル型経営に取り組むきっかけ

現社長竹田正俊氏は、大手企業の下請けとして大量生産のモノづくりをしていた父親の姿を見て、これからは人件費の安い国でないとこの業態を続かないと考え、異なるモノづくりを目指すようになります。

シリコンバレーでの留学を機に、ものづくりの上流のビジネスを目指し、開発に特化した会社を設立しました。

開発工程は開発競争や開発戦争、特許戦争という言葉がある通り、一番重要な要素が「時間」であったため、「どこよりも速く」をミッションに掲げ、「世界最速の開発支援企業」を目指すことになります。

速さを求める過程で従来のウォーターフォール型のものづくりではなく、顧客と一緒になって計画・設計・実装・テストを短期間で繰り返すアジャイル開発方式を取り入れることになったのです。

アジャイル型経営の具体的内容

開発リードタイムを短縮してお客様のクリエイティブな時間を創出することを手助けするため、開発部門のアジャイルだけではなく、お客様の想いをヒアリングしデザイン・設計から関与し、市場投入品生産に至るまで一貫して対応するアジャイル型経営に至りました。

このため、同業他社の半分の日程で納品できる圧倒的スピードと、ものづくり日本大賞やグッドデザイン賞を受賞するハイクオリティで顧客から高い信頼を得ています。

事例から学べる事

TOTALPRODUCE、FASTEST、FEEXIBLE、この3文字がこの会社を表す言葉としてホームページで強調されています。

さらに「最もシンプルで、最も良いものを、最も速く」提供することも約束しています。

まさにアジャイル型経営が目指すべきビジネスモデルを表現しています。

経済産業省主催「中小企業IT経営力大賞」優秀賞や「関西IT百選」最優秀賞を受賞するなど最先端経営にも疎く、メタバースへの対応もスムーズにできるでしょう。

メタバース時代の到来に向けて見本とすべき会社の在り方を示しています。

是非ホームページ他、関連記事をお読みいただくと大いに刺激を受けます。

こういった成功している企業であっても更なる会社発展のため、需要創造型アジャイル経営に取り組んでみてはいかがでしょうか?

日東電工の3つの要、
「3年で全商品が入れ替わる経営指標」
「三新活動」
「ニッチトップ戦略」は、

社員の士気を高め、ベンチャー精神を醸成しイノベーションのジレンマを回避すると共に、基幹技術を練磨する手法として有効だからです。

「世界最速のアジャイル型の設計開発力を強みに、感染症流行下での新製品の短期開発を実現した企業」

出典:2021年中小企業白書事例2-2-9
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_2_2.html

メタバースによる生産性向上に参考になる事例

本事例はメタバースにより生産性を向上させた事例ではありません。

しかし、メタバース導入など組織変革にあたり多くの企業が直面する経営者と従業員の温度差がどのように生まれ、どう解消されていったか、参考になるのでここで取り上げます。

企業の紹介

企業名: 兵庫ベンダ工業株式会社
事業内容: 金属製品製造業
資本金: 1,000万円
HP:https://www.bender.jp/

事業の概要

兵庫県姫路市に本社と5つの工場をもつ兵庫ベンダ工業株式会社は、建材の曲げ加工から組立てまでを手掛ける企業です。

ダムやトンネル等巨大な施設から社屋、学校等の建造物まで幅広く鋼製建材を扱っています。

生産性向上に取り組むきっかけ

本社従業員は共働きの子育て世代の女性が多いため、以前より子育てのための時間短縮勤務や介護休職の要望が多くありました。

そこで社長は「長く・安心して働ける」職場環境を整備することで、将来的な介護離職を予防するとともに、広い範囲から優秀な人材を確保することを目的にテレワークの導入を決定しました。

ところがテレワーカーと出社従業員との負担の差、工場勤務者とのテレワーク導入に関する理解の差から、社内に温度差が生じてしまいます。

そこで温度差解消のため状況・情報の徹底的な共有等コミュニケ―ションを強化することになったのです。

生産性向上の具体的内容

まずチャットやネット掲示板、ビデオ会議などデジタルデバイスを用いてコミュニケーションを強化する環境を整えました。

社長から工場長へ、工場長から工場勤務者へと、デジタル化のメリットに関する説明も併せて行いスムーズな導入を試みました。

デジタルデバイスの使用に消極的な社員もいましたが半年ほどで本社のデジタル化は浸透。

工場勤務者にも1年ほどで「いつでも、どこでも」仕事ができるメリットの理解を得られるようになりました

もっとも文書のデジタル化は業種柄、取引先との関係で困難な面もあり、出社の必要性が解消できずテレワーカーとの勤務負担の完全な平等化が実現できませんでした。

こうした面に関してはあえて担当者を決めず臨機応変に対応することで協力体制が自然に生まれるようになっています。

事例から学べる事

(1)テレワーク導入の混乱から企業経営の本質的課題、社内コミュニケーションの重要性に気づけたことがまず学べます。

まさにGE(ゼネラル・エレクトリック)のCEOであったジャック・ウェルチが言っていたように「競争相手のことなんかどうでもいい。社内でコミュニケーションが取れないことのほうが、よっぽど恐ろしい敵だ」を実感できたわけです。

その背景になったのがテレワーク導入にあたり経営陣と社員間で生まれた温度差でした。

(2)それではどうすれば最初からうまくいったのでしょうか?

この点、「[新版]ブルー・オーシャン戦略―競争のない世界を創造する」で紹介されている「公正なプロセス」が参考になります。

公正なプロセスとは、組織変革で人を動かすには従業員の感性と知性を評価する過程を経る必要があるとする人事戦略です。

公正なプロセスは「関与」「説明」「明快な期待内容」の3つで構成され具体的には以下のようなものです。

(3)公正なプロセスを通じて、さらに、コミュニケーションの質を向上させるためワークスペース型メタバースの導入を、工場ではデジタルツインの導入を検討すべきでしょう。

これらを導入すれば議論や発想の向上が望めるアバター効果も期待できます。

「全社的なテレワークの推進に取り組み、社内の声に耳を傾けることで、働き方改革を実現した企業」

出典:2021年中小企業白書 事例2-2-3
https://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/2021/chusho/b2_2_2.html

おわりに

「顧客の想いをどこよりも速く形に変える」第一章で取り上げた株式会社クロスエフェクトのミッションです。

確かにメタバースによってこれまで以上に詳細な商品説明が可能になります。

しかしスピードは質以上にシンプルで分かり易い差別化要素です。

社会が大きく変化する時代にその変化に合わせ顧客の想いを実現するには会社全体で取り組まなければなりません。

このスピードに会社全体で取り組むクロスエフェクトの姿勢は業種業態を問わず学ぶべきところは多いと思います。

一方そうした組織変革の際に犠牲にされがちな従業員の想いを大切にする兵庫ベンダ工業株式会社の姿勢も見習なければなりません。

いかに社員を大切にしているか同社のホームページをみて参考にしてみてはいかがでしょうか。

著者:maru

2011年から中小企業診断士として経営コンサルタントをはじめる。
通常の企業経営コンサルから、無農薬農業経営、介護施設運営等の幅広い業種に関わり、
エンターテインメント施設の開業のための市場調査から、債務超過企業の事業デューデリジェンスまで、企業成長段階に応じたコンサルタントを行っています。

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