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中堅・中小企業経営におけるインナーブランディング

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インナーブランディング3つの重要性

中堅・中小企業の経営者には、企業価値をブランディングによって高めようと考えることがあります。

確かにブランディングは重要ですが、対外的なブランディングを意識するあまり、社員がブランディングを意識しておらず、外面的価値だけが高まれば会社は成長するのだと考える経営者もおります。

しかながらし、社員が企業価値を認めていない会社は、いずれ世間から評価されなくなるでしょう。社員に対してブランディングを理解させていくことも重要なのです。

今回は、中堅・中小企業経営におけるインナーブランディングの重要性についてご紹介していきたいと思います。

 

社員の働きがいに影響する

インナーブランディングは、社員の働きがいに影響します。

自社に誇りを持っている社員と、自社に諦めを感じている社員は、どちらがしっかりと働いてくれるでしょうか?

インナーブランディングの成否によって、社員のモチベーションに大きく影響を及ぼしますので、対外的な広告と同じくらい、社内的なブランディングも重要です。

各社員のポテンシャルを引き出し、誇りを持って働ける環境作りや待遇、透明性を確保することは、鉄則として心掛けなければなりません。

 

社外への噂が広まる

経営者の中には「社長は孤独なものだから、社員から嫌われても構わない」と考えている人がいらっしゃいますが、この考え方は少々危険です。

経営者を嫌っている社員は、会社自体に不満を持っていることが多いため、自社に対してマイナスイメージがあります。

そして、社員には家族や友人がいて、自社にとってマイナスの口コミが作られてしまう可能性があります。

結果的に、社員による噂が対外的に広がる可能性があるため、きっちりとインナーブランディングをしておく必要があるのです。

 

採用活動に直結する

インナーブランディングが遂行されていなければ採用活動にもその影響が直結します。

悪い口コミの多い企業は、受験者数も少なくなりますし、採用活動費もかさんでしまいます。

逆に、良い口コミが多い企業や、採用活動中に社員が活き活きと働いている企業であれば、受験者にもその雰囲気が伝わるでしょう。

良い人材は良い雰囲気の企業に応募してくるものです。

 

インナーブランディングの3つの効果性

インナーブランディングをしっかりと行うと、どのような効果が期待できるのでしょうか?

ここまで紹介したように、社員のモチベーション向上や、良い口コミの拡散、採用活動が順調に進むなどの効果もありますが、さらに直接的な効果もあげられます。

ここでは、インナーブランディングで期待できる効果をご紹介していきたいと思います。

 

商品サービスが向上する

インナーブランディングができていると、商品サービスが向上する傾向があります。

たとえばリッツカールトンのような一流ホテルを想像していただくと、そのホスピタリティーの高さが伝わってくるかと思います。

リッツカールトンは、「クレド」という理念やミッションを持っており、社員が共有しています。

また、社員の自主性が引き出しやすいように、顧客サービスに対する一定の権限が与えられているため、ひとりひとりのサービス力が高いのです。

誇り高い企業で働く社員は、自分自身も誇り高く働き、結果として商品サービスが向上するのです。

 

顧客満足度が上がる

商品・サービス力が上がると、自ずと顧客満足度上がります。

また、自社ブランドにフィットした顧客が集まってくるため、顧客の質も上がりやすくなります。

クレーマーのような顧客や、無理難題を押し付けてくる顧客を、ブランド力によって撃退することができるでしょう。

いずれにしても、企業のブランド力と、社員の誇りがにじみ出ている企業であれば、商品サービスの品質も必然的に高くなるため、顧客は自然に満足してくれるのです。

 

離職率が下がる

インナーブランディングの良いところは、離職率が下がるというところにも表れます。

経営者の悩みの種として、離職率が高いという問題点があります

たとえば求人情報を見ても、いつも募集されている企業を見かけませんか?

このような企業は、応募者側も問題があるとみなしがちになるため、採用活動の経費が割高となります。

離職率が低ければ、余計な経費を払う必要がなくなるため、日ごろの企業活動に専念することができるでしょう。

 

インナーブランディングに必要な2つのこと

インナーブランディングにとって必要なことは、具体的にどのようなことなのでしょうか?

実はインナーブランディングには、さまざまな要素があるのですが、その中でもすぐにできることをご紹介したいと思います。

 

自社ブランドの分析

インナーブランディングをしようにも、そもそも自社の企業価値について理解していなければ、インナーブランディングのしようがありません。

まずは自社がどのような企業であり、どこを目指すのか、どんな顧客と取引したいのかを分析してみましょう。

言いかえれば、「理念」「ビジョン」「マーケティング」の3つの要素を最初に検証する必要があります。

自社の姿が分かれば、戦略が立てやすくなりますので、必ず取り組むべき内容なのです。

 

システムによる業務効率化

インナーブランディングで重要なことは、社員が快適に働くことです。社員が快適に働くためには、理念や待遇も重要なのですが、ストレスがない状態で働くということも大切です。

とりわけ、業務に無駄が多い状況のなかにおいては、社員の不平不満に繋がったり、業務上のストレスとなる可能性があります。

そのようなことがないように、業務システムを導入して、いきいきと快適に働くことができる環境を提供していきましょう。

ただし、昨今ではCRM(顧客管理)ERP(基幹系情報システム)において、高価で複雑なものも多いのです。

無駄の多いシステムや、使いづらいシステムでは、かえって社員の不満を招いてしまいます。

そこで、誰でも使いこなせる便利でシンプルなシステムを導入することをオススメします。

 

まとめ

インナーブランディングは、会社の足元を固めるために非常に重要なことなのです。

社員から支持されていない企業では、足元から崩れてしまいますので、いくら外面を良くしても無駄となります。

企業価値と社員が考える価値は類似するものとして、手を緩めずに取り組む必要があるでしょう。

著者:上田謙悟

中堅中小企業にとってますます重要となっているコンプライアンスに関して、単に法令を遵守するにとどまらず、企業活動の社会的な責任を果たし、従業員のポテンシャルを引き出し、モチベーションを高め事業展開を活性化していくシステムを構築し浸透させていくための方策などについて多くの企業に紹介している。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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