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人材育成は中長期的計画で!人材教育との違いから育成のポイントまで

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少子高齢化による人材の減少、転職への抵抗が少なくなった現代では、優秀な人材の確保が急務となっています。

そして人材そのものが減少傾向であるからこそ、より人材育成への注目度が高まっているといえます。では、実際のところ人材育成とはどのように行っていくべきなのでしょうか。

また、中長期的な計画による人材育成を行うことで、どのようなメリットが考えられるのでしょうか。数ある疑問を解決するため、本記事では中長期的な計画を用いた人材育成について詳しく解説いたします。

人材育成について基本から見直したいと感じているのであれば、ぜひご参考にしてください。

人材育成には中長期的な計画が必須

結論からいえば、人材育成には中長期的な計画・目線が必須になります。単純に、人材を育成するには、どうしてもある程度の時間がかかるためです。

実際のところ、人材育成を始めてすぐに結果が出ると考える方は少ないでしょう。ただ、企業の人材不足により、人材育成にかけられる時間や人手が少ないことで、早期の結果を期待しすぎているのです。

本来の人材育成は、単純に仕事ができるようにするだけではなく、自社にとって必要な人材を育てることこそが目的です。そして組織にとって必要な人材とは、主に以下のような人を指します。

  • 自分の考えを持ち主体的に動ける
  • 自由な発想力を持ち、新しいアイデアを生み出せる
  • その場、その時に合わせた状況に柔軟に対応できる
  • 伝統に敬意を持ちつつ、変化に対応できる

このような人材を育成しようとすれば、育成までに時間がかかるのは当たり前だと感じるのではないでしょうか。まず、人材育成には中長期的な計画や目線が必要であること、一朝一夕には終わらないことをしっかり理解しましょう。

人材育成と人材教育の違い

人材育成と似た言葉に『人材教育』という言葉もあります。両者の意味を混同していると、人材育成の目的をはき違えることがあるため、違いを明確にしておくことも重要です。

人材育成:企業の成長を促進する、企業ごとに必要とする人材を育てること
人材教育:一般的なビジネスマナーや仕事に関する知識やスキルを教育すること

簡単にいえば、人材教育は目の前にある業務をこなすために必要な知識や技術を教えることだといえます。一方、人材育成は、業務を行う上での自社ならではの理念などを理解できるようにすること。

例えば、営業職の場合、営業先を教えたり、契約書類の書き方などを教えたりすることは人材教育に当たります。そして、営業を行う際に、どのような営業を行えば自社の理念に沿っているのか・自社の目的を達成できるのかを考えられるようにすることが人材育成です。

よく似た言葉ですが、教えるべき内容も教えられる側の社員の受け取り方も大きく異なります。人材育成をしているつもりで人材教育にならないよう注意しましょう。

企業が行う中長期的な人材育成におけるポイント

ここでは実際的な人材育成のやり方を見る前に、中長期的計画を立てるためのポイントを見ていきましょう。

人材育成を戦略から考える

人材育成を考える際には、必ず経営戦略と紐づけて下さい。なぜなら、経営戦略によって今後の企業の在り方や、組織の形が決まっていくからです。

組織としての在り方に即した人材こそ、組織にとって必要な人材になるはずです。反対に、一般的に優秀だとされる人材を育成しようとしたことで、組織の在り方と異なる人材育成になってしまうケースも考えられます。

これでは、どれだけ優秀な人材になったとしても、組織に必要な人材とはいえません。例えば、起業したばかりの組織が、多少強引な方法を取ってでも売り上げ第一の方針を取ったとしましょう。

この経営戦略を反映しないまま、顧客に寄り添えるような人材育成を行ってしまえば、戦略に沿った経営方針を貫くことができません。上記は極端な例ですが、経営戦略にそぐわない人材は組織で活躍しづらくなることから、退職につながることも考えられます。

せっかく育成した人材が活躍できない、退職を促すような結果になりかねないため、経営戦略と人材育成の紐づけは非常に重要なポイントとなるのです。

定着を促す環境の整備

人材育成には中長期的な計画が大切だと解説しました。この中長期的な計画の中には、育成だけではなく育成後の人材が組織に定着してもらうことも含まれます。

そして、組織への定着を促すには『この組織にいたい』と思わせられるかが重要だといえるでしょう。組織にとって必要とされる人材とは=優秀な人材です。そして優秀な人材=転職先でも活躍しやすいといえますよね。

そのため、人材育成が結果を結ぶほど、組織自体も魅力的になる必要があるといえます。整備すべき環境は主に以下のようなものが挙げられます。

  • 適正な評価制度
  • 働き方の見直し
  • ダイバーシティ推進
  • 介護・育児の両立支援など

まず重要になるのは、適正な評価制度を整えることです。育成結果を正しく評価できるよう、人材育成を始める前に評価制度も見直しておきましょう。

中長期的な人材育成を行う方法

では実際に、人材育成を行う上で中長期的な計画とはどのような方法になるのでしょうか。ここでは、人材育成を行う基本のやり方について解説します。

経営戦略と現状を確認した上で目標を立てる

まず、経営戦略と現状のギャップを確認した上で、どのような人材が必要なのかを明確にしましょう。

例えば、丁寧な説明やフォローアップにより、顧客に寄り添った営業を行いたいと考えているのに、現場の営業は価格競争で契約を取ってきている。この場合、安直な行動に走らないようにすること、また自社製品を魅力的に説明できる人材が必要だと分かります。

このように、まずは経営戦略と現状をしっかり確認して、必要となる人材育成の目標を立てましょう。

目標を達成するための方法を選ぶ

目標をしっかり立てた後は、目標を達成するための育成方法を選びます。一般的な育成方法は以下のような方法が挙げられるでしょう。

  • OJT
  • 集団研修・セミナー
  • e-ラーニング
  • 異動

それぞれの育成方法には特徴があります。目標となる人材を育成しやすい方法を選ぶことがポイントです。

人材育成を実施、結果の評価と見直しを行う

育成方法を決めた後は、実際に人材育成を実施していきましょう。

なお、何度も触れてきたように、基本的に育成の結果が確認できるようになるには時間がかかります。また、表面的な成果が見られないからといって、育成ができてないと言い切ることもできません。

単純に、成果をアウトプットできる機会が訪れていないだけかもしれないのです。そのためにも、ただ育成を行うだけではなく、社員と積極的なコミュニケーションを取るよう心がけましょう。

併せて、アウトプットができる機会を設けたり、育成結果の評価を適正に行えるような環境を作ったりすることも大切です。人材育成は1度の教育で終了するものではないため、繰り返しブラッシュアップを行うことこそ重要なポイントなのです。

まとめ

本記事では、中長期的な計画を用いて人材育成を行う大切さについて解説してきました。人材育成を行う際には、以下2つのポイントを意識してみると良いでしょう。

  • 経営戦略から人材育成を考える
  • 定着を促す環境の整備

経営戦略に沿った人材育成を行うことで、一般的に優秀な人材ではなく、自社にとって必要な人材の育成が叶います。また、あらかじめ定着させることまで考えに入れておくことで、育てた人材が外部に流出する可能性を下げることも叶うはずです。

しかし、『人材育成のための人材がいない』という課題を抱えている企業も多いのではないでしょうか。そのような場合は、自社内だけで育成を行うのではなく、外部のサービスを積極的に利用してみましょう。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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