こんにちは。
栗原誠一郎です。
心理学という学問は、更に色々な分野に細分化されていますが、その中の一分野に「発達心理学」という学問があります。これは、人間の生涯を通じた心身の成長,発達過程を心理学の理論を背景として研究する学問ですが、その発達心理学の中の有名な理論をご紹介します。
エリクソンの心理社会発達理論
これは、人生を8段階に分けて、各段階における発達課題(人間が健全で幸福な発達をとげるために各発達段階で達成しておかなければならない課題)を整理したものですが、概略以下のような課題があるとされています。(出典:ウキペディア、一部加筆)
■乳児期(0~1歳)
・導かれる要素:「希望」
・心理的課題:「基本的信頼」vs「不信」
・主な関係性:「母親」
・存在しうる質問:「世界を信じることができるか?」
■幼児前期(1~3歳)
・導かれる要素:「意志」
・心理的課題:「自立心」vs「恥」「疑惑」
・主な関係性:「両親」
・存在しうる質問:「私は私で良いのか?」
■幼児後期(3~6歳)
・導かれる要素:「目的」
・心理的課題:「積極性」vs「罪悪感」
・主な関係性:「家族」
・存在しうる質問:「動き、移動し、行為を行って良いのか?」
■学童期(6~11歳)
・導かれる要素:「有能感」
・心理的課題:「勤勉性」vs「劣等感」
・主な関係性:「地域」「学校」
・存在しうる質問:「人々とものの存在する世界で自己成就できるか?」
■青年期(11~19歳)
・導かれる要素:「忠誠心」
・心理的課題:「同一性」vs「同一性の拡散」
・主な関係性:「仲間」「ロールモデル」
・存在しうる質問:「私は誰か?誰でいられるか?」
■成人期(20~39歳)
・導かれる要素:「愛」
・心理的課題:「親密性」vs「孤独」
・主な関係性:「パートナー」「友達」
・存在しうる質問:「愛することができるか?」
■壮年期(40~64歳)
・導かれる要素:「世話(より良く生きる力)」
・心理的課題:「生殖(次世代を育てる)」vs「自己吸収(停滞)」
・主な関係性:「家族」「同僚」
・存在しうる質問:「私は自分の人生をあてにできるか?」
■老年期(65歳~)
・導かれる要素:「賢さ」
・心理的課題:「自己統合」vs「絶望」
・主な関係性:「人類」
・存在しうる質問:「私は私でいて良かったか?」
例えば、学齢期であれば、学校で知識を習得し始める時期で、この時期に「勤勉性」を通じた「成功体験」を積まないと、「劣等感」が生じ、その「劣等感」が強いと、後々、その「劣等感」を引きずってしまうのです。
幼少期に親の愛情を受けることができなかった人が、何度も相手を裏切るというのも、心理的課題を乗り越えられなったことが原因ですね。
過去を振り返ることも必要なこと
私の記事を読んでいただいている方々が多い、壮年期は、体力・気力がそれ以前に比べて減退する中で、自分の役割が次世代を育てるという方向に変わってくる時期で、今まで築き上げてきたアイデンティティを問い直す時期でもあります。
自分というものに向き合い、自信を持って次世代に繋げていくことができるかが問われるわけですが、この際、成人期以前に解決できていなかった課題が再燃するとも言われています。
私の場合、幼少期にイジメで苦しんだ経験が、自己肯定感の低さになって表れる時があります。もちろん、プロフィールでも書きましたが、小学校の時の担任の先生のお陰で、トラウマにまではなっていないのですが、心理的課題を乗り越えることの大切さは分かります。
皆さんが、自分のこれまでの人生を振り返ってみた時、それぞれのステージで、もしかしたら未解決の課題があるとすれば、それは何でしょうか?
そこから、これからの人生を更に「より良く生きる」ためのヒントが得られるかもしれませんね?