お問い合わせ

経営戦略とは何か?その必要性、昔と今の違い

Twitter
Facebook
Pinterest
Pocket

経営戦略と聞くと、何か高度で難しい印象も浮かぶ言葉です。しかし、企業人としては、理解して尚且つ実行出来ることが求められるキーワードです。

読者によっては、釈迦に説法という向きもあるかと思いますが、最新の経営のトレンドも押さえつつ、改めて経営戦略の基本について考えて行きたいと思います。

経営戦略の意味、必要性

経営戦略とは

経営戦略とは、一言で言うと、自社の経営資源と外部環境の関わり方であると言えます。平たく言うと、会社が周りの環境変化にどう対応していったら良いかということです。

つまり、会社経営とは、環境対応業であると言えます。

環境変化を知る必要性

「茹でガエル」の例え話をご存知でしょうか?カエルはお湯につけるとビックリして飛び出していくのに、水から徐々に温めていくと、知らぬ間に茹で上がって死んでしまうという例え話です。

企業を取り巻く環境は、劇的に変化しています。カエル(企業)が水温(環境)の変化に敏感に反応できるかが鍵になるわけです。

戦略と戦術の違い

戦略とは、戦い方の大きな方向性のことです。一方、戦術とは具体的な戦い方のことです。

昔は企業を巡る環境が変化しても、戦術の変更で何とか対応できていました。

例えば、ライバル企業が進出してきても、価格を下げたり、サービスを強化したりして対応できていました。しかし、近年の環境変化の激しさに対しては、戦術の変更だけではとうてい生き残っていくことは難しいと言われています。

そのため、今一度、自社を取り巻く環境を調べなおして、「戦略」から見直すことが重要です。

経営戦略の昔と今

スピードアップ

経営環境のスピードは年々高速化しています。

以前はIT業界の進歩の例え話として「ドッグイヤー」という言葉がありました。犬の寿命は人間の1/7くらいですから、そのくらいのスピードで世の中が変化している例えに使われてきました。

しかし、最近はそれよりも早い世の中の流れを例えて「マウスイヤー」とも言われます。ネズミの寿命は人間の1/18ですから、とんでもなく世の中は高速で変わっているのです。

モノからコトへのビジネス

変わっていることといえば、ビジネスそのものの形も大きく変化しています。ビジネスの中心は「モノ」から「コト」へすさまじい勢いで変化しています。

その国の経済は、成熟すればするほど、第一次産業(農林水産業)から第二次産業(鉱工業・建設業など)、第三次産業(商業・運輸・サービス業)へと移っていきます。

これは、人間の生活が物質的に満たされると、モノよりも便利さを求めて、サービス業がより求められていくからだと言われています。

さらに近年はソフトウェアや、情報通信産業、技術開発など、物質やエネルギーなどの大量消費を伴わない産業である第四次産業や、第一次から第四次までの産業を自由に組み合わせて、これまでになかった不定形なビジネスである第五次産業へと進化しています。

デジタルトランスフォーメーション

コンピュータやソフトウェアは業務を効率化するツールとして、今や常識ですが、最近はツールというより、ソフトウェアそのものがビジネスの主役になりつつあります。

例えば今話題の自動車の自動運転技術などはソフトウェアそのものですが、Googleなどの一見車には何の関係もなさそうなIT企業が参入したり、インターネットを使ってタクシーの手配サービスを提供するウーバーテクノロジーズが既存のタクシー業界そのものを脅かしたり、ツールが戦略化している例が増えています。

この流れのことを「デジタルトランスフォーメーション」と言いますが、これからのビジネスの大きなキーワードになっていくでしょう。

これからの中小企業の戦略のヒント

経営者自らが行う迅速な意思決定のための情報収集

まず、とにもかくにも今自社が置かれている環境を常に把握できる情報収集体制を作っておかなくてはなりません。

その主役は、経営者自身です。これは部下に任せる仕事ではありません。情報伝達に段階があると、それだけ不正確になるリスクが増します。

「とにかくやってみる!」は意外に重要な行動

世の中の流れがとてつもなく早くなっている現代、新たな経営手法やツールはぜひ一度やってみるというスタンスをお勧めします。

いわゆる「かじってみる」ということは、企業の戦略や戦術の選択肢を増やしていきます。SNSなどは典型的です。

ベンチャースピリットを取り戻す

「とにかくやってみる」というスタンスは、創業当時のチャレンジ精神を取り戻すことにも役立ちます。

長年同じ戦術で成功してきた社員にも良い刺激になり、環境変化に備えるきっかけにもなります。待っているだけの中小企業は生き残れません。

ビジネスは時を買う

時代の変化が激しいと言うことは、ビジネスを始めてもすぐに飽きられてしまうことが多いということです。製品のライフサイクルが短い現代では、収益を手に入れる期間も短くなっています。

新しいビジネスを始める場合は、一層ビジネスを構築している時間も短縮しなくてはなりません。優秀な中小企業をM&Aで手に入れることも重要な戦略です。

 

まとめ

経営戦略とは何か?経営戦略が必要な環境変化の激しさなどについてお話してきましたが、いかがだったでしょうか?

思っていた以上の環境変化が起こっていることをご理解いただけたのではないでしょうか?

次回からはベーシックな経営戦略理論を改めて理解しつつ、トレンドな経営情報もあわせてご紹介していきたいと思います。

著者:hanbaishi
中小企業診断士。専門は経営・マーケティング・起業家指導・IT化支援。・TBC受験研究会にて診断士講座講師、福岡県産業・科学技術振興財団ベンチャースクール講師を経て、現在、専門学校で販売士検定・起業論・就職指導を行う。著作「中小企業のためのASPサービス導入に関する調査・研究(中小企業診断協会)」「繁盛店への道(財団法人福岡県企業振興公社刊)」等。趣味は黒鯛の落とし込み釣り、魚料理。

 

メルマガ登録

付加価値の高い商品・サービスの開発も含めた生産性向上のアイデアは、「人」が生み出していきます。
このように「人」の重要性がますます高まっていく時代において、弊社は世界NO.1の高生産性・高能力の一流中堅企業を育てるために、クライアントの経営・人事諸制度の改革、人材育成をバックアップしていきたいと思っております。

メルマガでは、抽象的な思考概念から実際に活用できる具体的なノウハウを提供しています。
現状を打破したい、改善のためのヒントになればと思っています。

錬成講座のお知らせ

「錬成講座」は、新卒社員が将来の経営幹部になるという、長期雇用慣行に基づいた日本的経営を前提に、先の見えない経営環境の中で企業の存続・発展を担う力のある次世代幹部人材を異業種交流の合同合宿により育成するプログラムです。
「錬成講座」は「新人」「若手リーダー」「管理職」「経営幹部」と階層別に別れております。

様々な業種の一部上場企業および同等クラスの優良中堅企業のリーダーとともに、講義時間も含め議論や対話を重ねるなかで、自分の業界や自分自身が知らず知らずのうちに囚われている固定観念に気づき、視野を広げることができます。

メルマガでは、抽象的な思考概念から実際に活用できる具体的なノウハウを提供しています。
現状を打破したい、改善のためのヒントになればと思っています。

RECOMMEND

こちらの記事も人気です

記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

このメディアの読者になる

ブログの読者になると新着記事の通知をメールで受け取ることができます。

サイト内検索

弊社最新コンテンツ

弊社人気コンテンツ