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ロジカルシンキングを活用したチーム学習

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こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。

「企業内でのロジカルシンキング活用法」というテーマで連載をしてきましたが、いよいよ今回が最終回。

今回は「ロジカルシンキングを活用したチーム学習」についてみなさんにお伝えします。

このチーム学習のスキルがあれば短期間に自分たちの能力をグンと引き伸ばすことが出来ます。

仕事の質を何倍にも高める「思考力」

今回ご紹介したロジカルシンキングを含め、仕事をするに当たっては「思考力」というものが求められます。

思考力があれば限られた「モノ・カネ・ヒト」を含む3大リソースを何倍にも膨らませることが出来ますし、「時間・環境」といった制限に負けることなく仕事を達成出来る可能性が高まります。

 

では、その「思考力」とは一体なんなのでしょうか?

思考力というのは………

・思考するに値すべき「問い」を持っていて(問題発見能力)
・判断基準がハッキリしてて(論理的思考)
・特定の分野に関して深い知識があり(専門知識)
・持っている知識を組み合わせる(横断的思考力)

という4つの能力を包括する言葉です。

問題発見能力は読んで字の如く「問い」を見つける力。
「 論理的思考」というのは、ロジカルシンキングのことですね。

専門知識はその分野特有の知識のこと。これは説明不要ですね。

横断的思考力とは、言い換えると「抽象化・体系化」すること。
幾つかの事実の中から共通項を見つけ出し、原因・結果の法則を見つけ出す事を言います。

この4つの中で身につけるのが特に難しいのは「問題発見能力」と「横断的思考力」です。

日本人は「与えられた問に答える」という教育をされているので、問を見つけることに対しての訓練が出来ていません。

また、日本の教育方法は「法則を教えて、具体的な問題に当てはめる」という「抽象→具体」の思考法なので、具体的事実からの「抽象化・体系化」にもなれていません。

ですが、ロジカルシンキングを活用することで「問題発見能力」と「横断的思考力」を同時に鍛えることが出来ます。

しかもこれはチームで行うことが出来るので、一人で行うよりも何倍も早くに思考力を身につけることが出来るはずです。

ロジカルシンキングを活用したチーム学習とは?

まずは、自分たちのチームの「学習のロードマップ」を作ります。

ロードマップっていうのは「目的地までの地図」の事、ビジネスや学習においては「目的を達成するための計画表」の事です。

「問題発見能力」と「横断的思考力」を高めるためのロードマップに必要な要素を分解すると次の2つになります。

・目的地
・学習する内容(ジャンル)のピックアップ

 

目的地〜思考に値すべき「問い」を見つける〜

まずは、自分たちのチームが「何を目的にして学習をするか?」という「目的地」を決めます。

思考力を鍛えるために行う学習ですが、その目的が「練習問題」のようなものだと真剣味がなくなって学習の効果も薄れます。

ここでは「なぜ自分たちの部署では残業時間が他の部署よりも長いのか?」や「なぜヒューマンエラーを未然に防げないのか?」等の、自分たちが実際に困っていて、かつ解決したい問題をテーマにしましょう。

ちなみに、この部分が「問題発見能力」を鍛える場であり、ロジカルシンキングを発揮する場所です。

例えば「なぜヒューマンエラーを未然に防げないのか?」という問に対しては「そもそもヒューマンエラーとは何か?」という分解の不足や「他の部署や会社に比べて、本当にヒューマンエラーは多い方なのか?」という視点を変えた見方をすることで、より本質的な問題にたどり着くことが出来ます。

ここでのポイントは「今の自分達の知識では判断出来ないレベルまで問題を深掘りすること」です。

言い換えると「問題なのは分かるけど、何が原因なのか分からないし、どうやって解決していいかも分からない状態」まで深掘りするってことです。

多くの問題はロジカルシンキングを用いれば現状の知識で原因と解決策を見出すことが出来るでしょう。

でも、そこから更に問題を深掘りし、今の自分達の知識量の限界まで思考することで問題発見能力が鍛えられていきます。

そして、この「目的地の設定」をチームでやることには次の2つのメリットがあります。

①自分以外の視点や知識にふれることで、視野が広がり情報も得られる
②「自分たちが何を知らないのか」という現状を共有することが出来る。

特に②のメリットは次の「学習する内容(ジャンル)のピックアップ」で役に立ちます。

学習する内容(ジャンル)のピックアップ〜学習する「コア」を見つける〜

「目的地の設定」が終わったら、次は学習する内容(ジャンル)をピックアップします。

ここで重要なポイントが一つ、この前の行程で「自分たちが知らなかったことは何か」についての分析は終わっています。

次は自分たちに不足している知識を得るための「学習する内容(ジャンル)」のピックアップですが、これはできるだけ複数のジャンルに分けたほうが効果的です。

例えば、「全く同じ原因でヒューマンエラーが発生し続ける理由は何か?」というテーマに決まった場合、学習する内容は「ヒューマンエラー発生の原因」と「ヒューマンエラーを防ぐ方法」がコアになってきます。

学習する際にはこの「コア」が同じな、別々のジャンルを複数選択したほうがいいです。

例えば「ヒューマンエラー」が問題となりそうなのは「医療」「介護」「SE」「輸送」………などが考えられますね。

この複数のジャンルを学習することで、「それぞれの業界独自の原因」と、「業界が関係ない原因」が浮き彫りになります。

複数のジャンルを学習するのは時間がかかりますが、「自分たちが何を知らないのか」という現状を共有することが出来ているチームであれば、それぞれ担当をするジャンルを決めてバラバラに学習を進めても、あとでスムーズに共有することが出来ます。

そして、この「複数のジャンルの知識を統合して考えること」とは「抽象化・体系化」であり、これこそが「横断的思考力」といいます。

この学習のサイクルを繰り返すことで、チームとしても個人としても驚くべき速さで思考力を鍛え上げることが出来ます。

まとめ:ロジカルシンキングの企業内での活用

では、最後に5回の連載のまとめです。

そもそもロジカルシンキングとは「複雑に見える物事を分解・統合することで正しく理解する」思考法でした。

そのための「分解・統合」には、「4Pの視点」を変えて自分の中の「前提条件」を取り払って物事を捉えることが重要です。

4Pの視点で「分解・統合」を行うことで、物事を正しく理解・説明出来るようになるだけでなく、人の「前提条件」に気づき、提案を通りやすくすることが出来ます。

つまりプレゼンテーションでも活用することが出来ます。

さらに、「自分たちが何を知らないか」を深く掘り下げることで、チームでの学習も促進されます。

ロジカルシンキングを活用することでみなさんの仕事の質とスピードはグッと向上します。

今回の連載でみなさんにそのロジカルシンキングに活用術をお伝え出来ていれば幸いです。

著者 井畑太佑
「いいものだらけの世の中へ」をテーマに起業家支援業を行う会社、株式会社Key-Performance取締役。「起業茶屋」という起業家支援イベントを主催し、年間500名以上の経営のお手伝いをしています。座右の銘は「粋で優しいバカでいろ」です。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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