こんにちは!栗原誠一郎です。
テレワーク・デイズ
7月23日から27日まで官公庁や民間企業、全国1,500団体が足並みをそろえて在宅勤務など、勤務先事業所以外での勤務に取り組むテレワーク・デイズというイベントが開催されています。
このイベントの参加企業の規模別構成比を見ると、99人以下の企業が45%と最も多いのですが、次に多いのは1,000~4,999人の企業で18.5%となっています。
100~299人の企業が13.1%、300~999人の企業が13.7%と、日本の規模別企業数から考えれば、大企業が中心で、中堅企業の参加が今一つ多くありません。
企業規模によって異なる人手不足感
そもそも、こうしたテレワークに対する取り組みは、人手不足環境の中、働き方改革を進め、少しでも人材の定着確保を図りたいというところからスタートしています。
しかし、人手不足といっても、企業規模でその様相はかなり違います。
リクルートワークスが毎年実施している2019年大卒の求人倍率調査によれば、300~999人の企業が1.43倍である一方で1,000~4,999人の企業では1.04倍でしかありません。
やらない言い訳
このように、大企業と比較すると中堅企業の方がよほど人手不足に悩まされているはずなのに、大企業が取り組んでいるようにそのための対策がとれているかというと、上述したように今一つ積極的に取り組んでいるようには見えない訳です。
実際、私が中堅企業の経営層や管理部門の人たちと話していても、例えばテレワークの導入であれば情報漏洩リスクや費用を気にして、一向に議論が進まないケースがよくあります。
更に、「大企業と違って、当社にはその余裕がない」とそもそも検討することさえしないというものです。
上述したように、人材の定着確保ができなければ困るのは大企業ではなく中堅企業なのですが、そのような危機感ももう一つ感じることができません。
中堅企業に巣くう大企業病
企業は企業規模が大きくなるにつれて意思決定が官僚的になり動きが鈍くなると言われてきました。世に言う「大企業病」ですね。
実際、過去の歴史から大企業が社会の環境変化に対応できずに衰退していったという話は多くあります。
しかし、最近の企業を見ていると、大企業の方が新しい取り組みを積極的に行っているように見えます。
上述した働き方改革もそうですし、イノベーションのためにベンチャー企業と積極的に交流するといった動きもそうです。
本当の零細企業なら、変化に対応できなければすぐに倒産ということもありえますが、中堅位の規模になると、大変だとは感じるけど、すぐにどうこうなる訳ではないという認識で、皆がやり始めたらやっと自分達もやるという感じになっているように見えます。
早い者が勝つ時代
環境変化に対応して生き抜くためには、兎に角、実験的にやってみるという姿勢が大切です。
そして実際に取り組む中で、ノウハウを蓄積していく。
変化への対応のための取り組みは、どんな取り組みも簡単ではないのは当たり前なので、他社より早く始めて、経験を積みながら上手く行く方法を確立していくことが大切なのです。
かつてダーウィンは、強いものが生き残るのではなく、変化できるものが生き残ると言ったといわれていますが、生き残るための条件は更に厳しくなり、「変化に向けて早く取り組める者」しか生き残れない時代なのです。
さて、皆さんの会社では、変化に向けて色々なチャレンジができていますか?