セミナーでは教えてくれない都合の良い時間管理術
この「セミナーでは教えてくれない」という部分には、理由があります。
セミナーで教えてくれる時間管理術は受講後すぐに、業務に落とし込めなければ意味がありません。
そして、今までの業務効率の変化を体感できなければ、受講した成果を納得できないでしょう。
そのため多くのセミナーでは、受講後すぐに変化を感じられる時間管理術を教えるのです。
つまり、実行したら即効で変化を実感できる時間管理術になっています。
だけど、時間管理術の大事な焦点は即効性ではありません。
即効で詰め込んだスキルは、最初は効果を実感できますが、長続きしないのです。
何しろ時間管理術は、続けることでストレスを溜めてしまう可能性があります。
ここで重要になるのは、心の状態を安定させて感情をコントロールしながら継続できる思考です。
では、セミナーでは教えてくれない都合の良い時間管理術とはどんな方法なのでしょう?
その答えは“心の状態と感情のコントロール”になります。
具体的には、いつも同じ心の状態で機嫌のよい感情を保ち、高いパフォーマンスを出すための管理術です。
「感情をコントロールできることが、結果的に時間管理術を有効活用できる」ことを体得できれば都合の良い時間管理術になるのです。
感情のコントロールと心の安定で時間を管理する
自分で感情のコントロールを行い、心の状態をいつでもフラットな状態に軌道修正できる思考の管理術になります。
感情のコントロールができれば、感情の波がなく一定の心の状態で時間を活用することができます。
結論を言えば、感情のコントロールができる人とできない人とでは、長期的に見れば、負の感情になっている状態では「時間管理術は機能しない」ということです。
一般的に活用されている時間管理術は、時間効率をアップさせますが、長期的には続けるのは大変です。
なぜならば、あなたの周囲を取り巻く情報が、あなたの時間管理を邪魔していくからです。
違う言い方をすれば、溢れる情報に惑わされて飽和している状態のことですね。
周囲を取り巻く情報とは下記の情報になります。
- メディアによる情報(ネットニュース・新聞・テレビなど)
- 地域が発信する情報
- 家族や友人からの情報
- 社内の情報
- 天候
- 体調
- 医療機関の診断など
天候や体調も、あなたの時間管理能力を崩してしまう立派な情報経路になります。
なぜならば、あなたが外出しようとした時、自宅の窓から見た外の天気を見て「雨」だとします。
「ああ、雨だ。嫌だなあ。濡れてしまう。外に出たくないなあ。」
多くの人が雨に対して嫌なイメージを抱く可能性があります。
体調についても同じです。
「朝から熱っぽいし、喉が痛いから調子が上がらない」
このように体調面から伝わる症状も情報となります。
そして自分が求めていない情報によって生まれる嫌な感情が、時間効率を悪くさせていくのです。
体調が優れなくなって医療機関に診察してもらうことは、治療をして健康になることが第一条件なので仕方がありません。
ですが、それ以外の情報は、容赦なく入り込んでくるので時間管理術の継続は妨げられます。
意図して遮断しなければ、ネットサーフィンやユーチューブ動画と同じで、気が付いたら予定から外れたことをしている状態になるのです。
いかがでしょうか?
それでは、感情をコントロールして心の状態を一定に保つためのヒントを解説します。
準備段階
- あなたの環境の中で入ってくる情報の本意を見る力を養う
↓
- 身の回りで起きる事象に一喜一憂しない訓練をする
↓
- 常に俯瞰して自分と自分を取り巻く環境を見る癖をつける
↓
- 嫌な思いをしている自分を客観的かつ冷静に見ることができる訓練をする
準備段階で自分のことを客観視できるように訓練するのです。
物事を当事者ではなく俯瞰して見る力があれば、時間管理術だけでなく全てにおいて活用できます。
感情のコントロールの準備が整っていれば、身の回りで起きる事象全てを客観的に冷静に捉えることができるのです。
つまり、これから紹介する具体的な時間管理術を「冷静に淡々と」こなしていくことができるようになります。
感情に左右されない状態ほど強いものはないのです。
時間管理術
続きまして、具体的な時間管理術を取り上げてみます。
スケジューリングのことや手帳術、タスクごとに時間制限を設けて行うタイムマネジメントなどがあります。
- スケジューリングによる視覚化
- 記録する楽しさの手帳管理術
- 細分化したタスクを時間制限で処理
- 優先順位と緊急性で4分割して順番に処理
- 断捨離による不要な行動やモノを遮断
スケジューリングは、日記形式で「年間予定」「月間予定」「週間予定」「1日の予定」「タイムスケジュール」と落とし込む方法です。
予定が視覚化されればされるほど具体的に行動しやすくなる仕組みですね。
タスクを手帳やアプリなどに細分化して、タイムリミットを設けて取り掛かる時間管理方法もスキルアップに繋がります。
抱えきれないほどの案件やタスクを整理して時間効率を図る手法として、緊急性と優先順位を明確にする4分割に振り分ける方法も視覚的に整理されます。
極めつけは、身の回りの不要なものを排除する「断捨離」も効果的です。
特に自分が求めていない突発的な「勧誘」や「誘い」「業務依頼」などをキッパリと断ることで無駄な時間が減り、やるべき事に集中ができます。
以上のような時間管理術は、実際に時間効率と処理能力も上がりますが、感情に左右されてしまうと長期的に同じパフォーマンスを出せるわけではありません。
時間管理術には感情のコントロールは不可欠
AIが台頭してくる世の中で、安定したパフォーマンスを継続させるスキルは必須なのです。
人間がAIに勝てない部分は、想定外の感情の動きになります。
つまり、人間の時間管理術には厄介な弱点が潜んでいるのです。
その弱点とは、男性でも女性でも特有の生理的な感情、「怒り・悲しみ・妬み・辛み」。
ご機嫌な時とご機嫌斜めの時と人間は感情の動物ですから当たり前の話です。
ですが、先ほど紹介した時間管理術を続けているときに感情に左右されてしまったら、どうでしょう。
- できない自分を責める
- 自信喪失
- 予定通りにできなくてイラつく
- モチベーションが下がる
このように負の連鎖が始まってくるのではないでしょうか?
そして少なからずとも、セミナーで教えてもらった時間管理術もお蔵入りになってしまう可能性があります。
このような感情の揺さぶりにも影響されない感情のコントロールを覚えるだけで、長期的に見れば、安定した作業をこなすことに勝るものはなくなります。
感情のコントロールを踏まえて実行する時間管理術は、自分のことを客観的に見られる自分がいるため、無理なく淡々と業務をこなせる結果に繋がります。
感情がコントロールされた時間管理術は、自分にとって都合が良いことは間違いありません。
なぜならば、自分の許容能力を超えることは決してないのです。
自分のことを俯瞰して見ることができれば、自分の限界も先回りして判断できます。
結果的に、スランプを作らない安定した状態の維持に繋がるのです。
安定している時間を長く作り出すことができるスキルこそ、生産的な時間を多く作れます。
セミナーでは教えてくれない感情のコントロールが、自分にとって都合が良い時間管理術になるのです。
著者:絵鳥彰太郎
飲食店店舗責任者の経験を経て、某給食委託会社のエリア管理に人材育成とコスト管理のバランスを追求してきました。
時間管理には、「情報の断捨離」が必要と自ら、論理的に情報の取捨選択を実行して、安定したパフォーマンスで日々を送れるように心がけております。