IoTパート1
「モノのインターネット」と呼ばれ、最近良く聞く言葉「IoT」。
今、私たちの生活が激変しようとしています。
生活の中では、あらゆるシーンでインターネットと結びついてきています。
2020年には500億個のデバイス(モノ)がインターネットに接続すると言われています。
IoTとは
「IoT」とは、「Internet ofThings(読み:インターネットオブシングス)」の略称です。
従来のインターネットは、パソコンや通信機器に搭載するのが一般的でした。
しかし、IoTという分野の登場により、本来は通信を目的としていなかった機器や物にも、インターネットに接続できる機能を搭載し、さまざまな方法で制御や操作をするようになりました。
このような一連の流れや分野、またそれをビジネスなどに活用した市場のことを「IoT」と言います。
IoTが浸透することで、あらゆるモノがインターネットにつながる時代が到来したと言えるのかもしれません。
IoTの歴史
しかし、「IoT」のその概念自体は古くからあったと言われています。
一番最初にこの言葉を使ったのはマサチューセッツ工科大学のAutoIDセンター共同創始者であるケビン・アシュトン氏という人物で、すでに1999年から存在していました。
しかし、IoTは、当時では「コスト」と「技術」に課題があり、日の目を見ることはありませんでした。
その課題とは、具体的には以下のようなことが挙げられます。
コスト
・IoT中核部品であるセンサーやプロセッサー、通信モジュールが高価だった
・通信コストが高かった
など
技術
・センサーやプロセッサー、通信モジュールのサイズが大きく、モノへの組み込みには限界があった
・性能自体も十分ではなかった
などです。
IoTがブレイクスルーした背景とは?
しかし、2010年頃からモジュール化が進み、センサーなども小型化が実現してきます。
また通信コストも引き下がりました。
このようにIoTを取り巻く「コスト」と「技術」における課題は縮小化してきました。
また、もう一つのブレイクスルーは「クラウド」という発明だと言われています。
ご存知かもしれませんが、クラウド(cloud)とは雲のことを指し、クラウドコンピューティングを略して「クラウド」と呼んでいます。
パソコンやスマートフォンなどのハード機器にデータを保存するのではなく、ネット上の仮想空間で大量のデータを保存できる技術のことです。
このクラウドが普及した事によって、端末上にすべてのデータを残す必要がなくなり、膨大な量のデータを離れていていても入手できるようになりました。
さらに、ビックデータの利用方法、人工知能(AI)技術との融合が拍車をかけています。
こうしてIoT普及の障害が取り除かれ、モノとインターネットの融合がビジネス上現実化しています。
IoTは「ビジネス」をこう変えていく!
それではIoTで何ができるのでしょうか。
その肝はビックデータだと言われています。
様々な膨大なデータを「蓄積」し、さらにその膨大なデータを扱い「解析し応用する」ことは、今まで不可能ではありました。
しかし、クラウドの発明やAI(人工知能)の発明により、このビックデータを「解析し応用する」ことが可能となり、今では、過去の膨大なデータからの未来予測、または過去の購買履歴からの最適なマーケティングなどにも利用されています。
ビッグデータの活用分野について
このビッグデータの活用は大きく分けて以下、3分野が注目されています。
【ビッグデータの活用分野】
○社会、公共活動・・・公共や環境などのデータ(例:交通量、降雨量など)
○日常生活、人間的活動・・・人間生活やモノなどからのデータ(脈拍、発汗、人の動きなど)
○事業、産業活動・・・機械やロボットに組み込まれるセンサーや装置などのデータ(距離、高度、位置など)
モノから得られる膨大なデータ。
このようなビッグデータの収集と解析を通して、我々人間が住む世界に更なる利便性をもたらす事こそ、IoTとビッグデータがもたらす真の価値と言えるでしょう。
IoTによって、我々の生活もより大きく変化し、便利に、そして豊かにする技術が生み出される可能性が高まっています。
また同時に、ビジネスや事業の在り方も大きく変化し、またそのビジネスチャンスも増えることが期待されています。
パート2へ続く
著者:嵐
元東証一部上場企業のベンチャーキャピタリスト。
主に国内アーリーベンチャー企業に対し発掘、支援に従事。
多くのベンチャー企業経営者と面談、新技術や新サービス分野に強み。