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「難しさ」の先にあるもの

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こんにちは!栗原誠一郎です。

大手ハウスメーカー若手営業マンの提案

大手ハウスメーカーで家を建てると、定期的に外壁や屋根、床下などの点検を無料で実施してくれますね。当然、無料で点検を行うのは継続して顧客との関係性を維持し、リフォーム等の売上につなげるという目的がある訳です。

先日、私の家も定期点検を受け、その後、若手営業マンが、外壁と屋根の塗装工事の提案をしにやってきました。その提案は以下のようなものです。

「定期点検の結果、壁と屋根に経年劣化が見受けられる。このまま放置しておくと、例えば壁の内側に雨が浸透し、鉄骨にサビが発生すると大変なことになる。今、この工事をして頂ければ10年保証を付けます。」

まぁ、若手営業マンだから仕方がないのかもしれませんが、基本的に「脅し」と大手ハウスメーカーならではの長期保証による営業でしかありません。

トップセールスの営業

そこで、その若手営業マンに、営業所で一番成績の良い営業マンの特徴を聞くと、以下のように説明してくれました。

「その先輩は外壁や屋根の塗装工事だけでなく、単価は大きくないけどトイレやキッチン周りなどのリフォームもコンスタントに受注しているので、外壁や屋根の塗装が受注できないときでも営業成績が底堅いんです。」

若手営業マンが言うには、トイレやキッチン周りのリフォームは競合が多く、大手ハウスメーカーでは価格的にどうしても高くなるので受注するのが難しい。外壁や屋根の塗装も地元の工務店と比べれば高くなるが、家全体のことなので、大手ハウスメーカーでも「信用力」でまだ戦えるとのこと。

この話を聴いて、トップセールスマンの発想はこの若手営業マンとは真逆なんだろうなと思いました。

そのトップセールスマンに直接話を聴いたわけではないので、真実が何かは分かりませんが、そのトップセールスマンは”外壁や屋根の塗装工事を受注するために、敢えてトイレやキッチン周りのリフォームを受注している”のだと思います。

大手ハウスメーカーは先述したように定期点検という形で、家の中に簡単に入れてもらえるのです。この最大のメリットを生かして、家の中に入れてもらった際に、ドアノブのゆるみ等よくあるちょっとした不具合を”自ら”見つけて、サービスで修繕する。そうやって”営業マン個人として”関係性を構築し、トイレやキッチン周りなどのリフォームを提案する。

確かに大手ハウスメーカーの工事価格が高いのは事実でしょうが、上述したように関係性を構築できれば、受注できないことはない訳です。

そして、このリフォーム工事を通じて、更に関係性を深めることによって、外壁や屋根の塗装工事も「脅されて、仕方なく」ではなく、「この営業マンが言うなら、お願いしようか」となるのだと思います。

「難しさ」の先にあるもの

結局、若手営業マンが「難しい」と言ってあまり注力していないトイレやキッチン周りのリフォームこそが、その先の大きな成果(=外壁や屋根の塗装工事など)に繋がっているのですね。

しかし、考えてみれば、我々だって、”効率”を重視するあまり「難しい」ことは避けがちなのが実態でしょう。特にその事自体がすぐに成果につながらなければなおさらです。

「難しい」ことに取り組み続けることでしか、その先には行けないことを本当は分かっているはずなのに。

さて、あなたが避けている「難しさ」の先には、何がありますか?

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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