中堅中小企業が採用すべきデジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングとは

デジタルマーケティングの定義

「現代経営学」の発明者ドラッガーによれば、マーケティングとは、「販売とマーケティングは逆である。同じ意味でないことはもちろん、補い合う部分さえない。マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである。」

「売り込みしなくても」おのずから売れるような仕組みを作ることがマーケティングの本質と捉えています。

この仕組みをユーザーがデジタルを通じて行動するあらゆる面を通じて実現していくことがデジタルマーケティングです。

デジタルマーケティングとWEBマーケティングの違い

Webマーケティングとは、Webサイトを通じて行われるマーケティングです。つまり、ユーザーがWebを通じて行動するあらゆる面を捉えて「売り込みしなくても」おのずから売れるようにすることがwebマーケティング。

具体的には、Webサイトの作成、SEO(検索エンジン最適化)、Web広告、SNSマーケティングなどです。

デジタルマーケティングはWebマーケティングよりも包括的な概念です。

上記のWebマーケティングだけでなく、ユーザーがデジタルを通じて行動するあらゆる面を対象としています。

スマホやタブレットを通じてのユーザーの行動履歴、地図アプリなど、アプリを通じての行動履歴、IoT商品の利用履歴などの包括的なデータも含む点が特徴です。

デジタルマーケティングを活用することで、インターネットが普及した1995年以前より多様なチャネルを通じて顧客と接触することが可能になりました。

しかもその接触はコスト的にますます安価になり、中堅中小企業でも大企業に負けないマーケティングが可能となっています。

それどころか、2010年代のスマートフォン普及後のSNS時代に入ると、中堅中小企業の方が密度の濃い接触でマーケティングの勝者となり易い環境が整えつつあることを理解しなければなりません。

デジタルマーケティングのメリット、デメリット

メリット

「売り込みしなくても」おのずから売れる仕組み作りがより安価により容易になっていることがメリットです。

つまり、「売り込み」が徐々に難しくなる、人からマスメディアへ、マスメディアからネット、ネットからSNSへ、ユーザーの購買工程(カスタマージャーニー)の中心が移動していきました。

2010年代に登場したスマートフォンを通じて、SNSでのコミュニケーションが常態化した「接続性の時代」、デジタルコンテンツのユーザーとの共創やユーザーが所属するSNSコミュニティへの企業の参画によるカスタマージャーニーは、大企業でない中堅中小企業でこそ強みとなるマーケティング手法がデジタルマーケティングです。

営業というリアルな活動も、ICTまたはSNS、AIの活用によって、デジタルマーケティングの一部として自動的に行えるようになっています(マーケティング・オートメーション(MA))。

デメリット

大企業と中堅中小企業では得意不得意分野が全く異なることを理解してデジタルマーケティングを展開しないと生き残れません。

  • 大企業は、多種多様な商品サービスや膨大なデータを持っているので、サブスクリプションやONE2ONEマーケティングが得意。
  • 中堅中小企業は、大企業に比べ、顧客コミュニティとエンゲージメントを作り易い環境にあります。ゆえに、特定の趣味嗜好を有するSNSコミュニティと単純接触・類似接触・互酬接触するCommunication活動が、スマホの登場した2010年代以降の中堅中小企業が生き残る術です(具体的手法は第2部第4章Communication編、具体的成功事例は第3部事例2参照)。

デジタルマーケティングの手法

リアルマーケティングに対するデジタルマーケティングの手法の特徴は

ⅰ潜在的顧客層、既存顧客とのタッチポイントの増加。
ⅱ潜在的顧客層、既存顧客データの蓄積し易さ。
ⅲ潜在的顧客層、既存顧客のニーズに合った「売り込みしなくても」おのずから売れる仕組み作りの容易さ。

デジタルマーケティングの変化と経営に与えるインパクト

マーケティングの権威であるフィリップ、コトラーはマーケティングの変遷を以下のように4つの段階に分け、マーケティング1.0から4.0として捉えています。

デジタルマーケティング登場前のマーケティングと経営

マーケティング1.0(1970年代以前)

需要に供給が追い付かず消費者に届ければ売れるという単純な社会構造で「売り込みしなくても」おのずから売れる仕組み作りの主導権は製造側にあったことが特徴です。

そのため、マーケティング戦略を具現化するマーケティングミックスは製造者視点で描かれ、product、price、place、promotionの4Pで構成されていました。

マーケティング2.0(1970年代以降)

1970年代になると、生産性が向上し、需要と供給のバランスがとれはじめたため、消費者に届ければ売れるという単純な社会構造でなくなりました。

「売り込みしなくても」おのずから売れる仕組み作りの主導権が製造側から消費者側に移ったことがマーケティング2.0の特徴です。

そのため、マーケティングミックス4Pも消費者視点に置き換えた4Cへ変容し、消費者志向が高まりました。

productはCustomervalue(顧客にとっての価値)へ。
priceはCustomercost (顧客コスト)へ。
placeはConvenience(利便性)へ。
promotionはCommunication(コミュニケーション)へ。

デジタルマーケティング登場後のマーケティングと経営

マーケティング3.0(1990年代以降)

1995年頃から、インターネットが一般に普及し、消費者は主体的に情報を収集、ニーズウォンツを満たせる製品サービスが簡単に手に入るようになりました。

インターネットの普及は、消費者に、環境問題をはじめ、貧困問題、少子高齢化問題など世界規模の社会問題を意識させるようになり、社会や世界のため、何かできないかがニーズウォンツに加わったのです。

その結果、消費者は、製品サービスの質のみならず、「社会に対する企業の考え方や姿勢」も商品の購買基準に盛り込むようになりました。

マーケティング4.0(2010年代以降)

2010年代に登場したスマートフォンは、SNSでのコミュニケーションを常態化させました。

消費者はオンラインとオフラインの間を自由に行き来し、ネットの口コミより、自身が所属する様々なSNSコミュニティの影響を受け、物事の最終判断するようになったのです。

このため、自社ブランドに熱狂し、SNSコミュニティの中で自社や商品サービスを推奨する人々を沢山生むことが、SNSコミュニティの時代を生き抜く企業の術になっています。

中堅中小企業が採用すべきデジタルマーケティング

ドラッガーのマーケティングの定義及びコトラーのマーケティングの変遷を考慮すると、中堅中小企業が採用すべきデジタルマーケティングの構成要素は以下の4つのCです。

Customervalue「売り込みしなくても」おのずから売れるに値する価値。
Customercost「売り込みしなくても」おのずから売れるに値するコスト。
Convenienceコンテンツを簡便に入手利用できるようユーザビリティを高め購買過程(カスタマージャーニー)の巡回をうながす(回遊)。
Communicationコンテンツを正しく内容を伝え集客(集客)。

具体的に採用すべきデジタルマーケティング手法は第2部「デジタルマーケティング中堅中小企業導入マニュアル」を参照してください。

著者:maru

2011年から中小企業診断士として経営コンサルタントをはじめる。
通常の企業経営コンサルから、無農薬農業経営、介護施設運営等の幅広い業種に関わり、
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