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中堅中小企業における人事管理プラットフォーム導入事例

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kintoneによる勤怠管理の事例

企業の紹介

企業名:株式会社現場サポート
事業内容: 建設業向けパッケージソフトウェアやクラウドサービスの企画・開発・販売・サポート、及び付随するコンサルティング・業務受託
資本金:1,830万円
HP:https://www.genbasupport.com/

事業の概要

2005年に設立された株式会社現場サポートは、建設業向けソフトウェア「現場シリーズ」を企画・総販売元として鹿児島で創業しました。
翌年「現場シリーズ」の全業務の移管を受け開発も開始しました。

11年には現場クラウドforサイボウズ Officeサービスを開始。

近年は働き方改革に取り組み、16年に鹿児島県初の厚生労働省ユースエール企業に認定され、20年度には「働きがいのある会社」小規模部門総合2位、「日本でいちばん大切にした会社大賞(中小企業基盤整備機構整理事長賞)」受賞など全国的な評価を得ています。

kintoneによる勤怠管理に取り組むきっかけ

この会社の人事管理の課題は、出退勤はExcelに記入し、有給休暇やフレックス制の利用時はサイボウズOfficeの掲示板に報告が必要で、情報がバラバラに管理されていたことです。

こうした情報を月末に従業員自ら上長、総務部と2つのメディアをそれぞれ見比べチェックする必要がありました。

バラバラな情報と幾重の重複したチェック体制でデジタイゼーションから進めず、業務改善とは程遠い状況でした。

こうした状況で苦しんでいる総務を見たある社員が、自前でプログラミングとkintoneの機能・サービスを勉強し、アプリを作成するようになったことがkintoneによる勤怠管理に取り組むきっかけになりました。

kintoneによる勤怠管理の具体的内容

(1)自作アプリで勤怠管理を一元化
社員が作った勤怠管理アプリは、Excelファイルを読み込むだけで業務改善アプリを作成できるkintoneの機能を使ったものです。

これまでExcelとサイボウズoffice掲示板に分離されていた勤怠情報が一元化されたため、見比べる必要が無くなりました。

(2)勤怠管理アプリと業務連絡アプリを連携
この社員は業務連絡アプリも作成し、それを勤怠管理アプリと連携したことで、ボタン一つで2つの情報の整合性をチェックできるようになりました。

kintoneの情報共有機能と集計機能を使って業務効率化を実現したのです。

毎月全体で約35時間かかっていた作業が10分の1以下の2.5時間で終了するようになっています。

この社員は業務連絡アプリも作成し、それを勤怠管理アプリと連携したことで、ボタン一つで2つの情報の整合性をチェックできるようになりました。kintoneの情報共有機能と集計機能を使って業務効率化を実現したのです。毎月全体で約35時間かかっていた作業が10分の1以下の2.5時間で終了するようになっています

(3) kintoneによる懈怠管理をきっかけに他の社員の意識も変化
全社員に関わる勤怠管理が改善されたことで、kintoneの有益性を知った他の社員もその使い方を考えるようになりました。

社員の業務改善意識が醸成され、アプリをつくった社員を中心に社員間のコミュニケーションが活発化しています。

事例から学べる事

もともと、全国的な賞を受賞するなど質の高い働き方を実践している企業でした。

サイボウズ用のクラウドサービスを展開するなど、サイボウズとの関係も深かったにもかかわらず、紙媒体からExcelへ勤怠管理を移行しても業務効率化が実現せず、デジタイゼーションで止まっていました。

それが実践的なアプリ作成をキッカケに業務効率化が実現し、デジタライゼーションに進んだのです。

全社員に関わる勤怠管理でデジタライゼーションが始まったことで、社員の意識が変化し、組織文化変革の土壌を創られています。

kintoneの簡便なアプリ作成機能や柔軟性、拡張性がこうした意識変化にすぐに対応し組織文化を一気に変革させる可能性があります。

現場のデジタル化が組織全体を巻き込み、トランスフォーメーションを醸成している事例です。

参照
https://kintonee-sol.cybozu.co.jp/cases/genbasupport.html

評価報酬制度の基盤としてkintoneを採用している事例

企業の紹介

企業名:株式会社USEN-NEXT HOLDINGS
事業内容:グループ会社の経営管理など
資本金:9,641万円
HP:https://usen-next.co.jp/

事業の概要

1961年個人事業として2チャンネルの優先音楽放送を開始したことに始まり、現在は音楽配信事業やIOTプラットフォーム事業、エネルギー事業を展開する株式会社USENと、2007年「GyaO NEXT」として動画配信サービスを開始し、現在映像配信サービス事業を手掛ける株式会社U-NEXT、2017年に経営統合して出来たのが株式会社USEN-NEXT HOLDINGSです。

現在はグループ25社で、コンテンツ配信事業や通信・エネルギー事業、店舗・施設支援事業など多様なビジネスを展開しています。

このうちUSEN-NEXT HOLDINGSは人事を含めた管理部門を担当しています。

評価報酬制度の基盤としてkintoneを採用するきっかけ

経営統合した経緯で、およそ5000人の人事管理が必要となったUSEN-NEXT HOLDINGSは、人事評価はExcelで管理し、連絡はメールを使っていました。

そのため、半年ごとに行われる評価業務は、上長と従業員が何度もExcelをやり取り、従業員は以前の目標を思い出しながらExcelに記入するため手間がかかり、上長は入力指示や入力内容チェックで長時間費やしていました。

最終的に5000人分のExcelがUSEN-NEXT HOLDINGSの人事に提出されるのです。

結果の報告はメールが使われため、Excelと別の管理が必要でした。

こうした目標設定、集計、連絡を全て1つのプラットフォームで出来ないか、Excelに代わる管理手法を探していたところ、出会ったのがkintoneです。

kintoneは人事が希望する他の条件も満たしていたため採用されることになりました。

条件とは情報更新機能と閲覧・編集・管理項目の柔軟な設定が可能であることでした。

kintoneを基盤とする評価報酬制度の具体的内容

(1)評価報酬査定時間が大幅削減
目標設定から上長の評価、査定後の報酬の通知までをkintoneアプリが実装したことで、Excelや郵送が不要となり、評価報酬過程にかかる工数が大幅に削減できました。

(2)アプリ導入後の評価報酬制度の運用が改善し、デジタライゼーションを実現
導入されたアプリには、個人ごとのレコードが用意され、グループ内での所属移動や上長の評価権限変更に自動的に対応できるようになりました。

総合評価された段階でkintoneから評価情報が抽出され、部内全体の予算を加味しなら年俸を計算し、メンバーに通知されるようになっています。

メンバーも過去の目標設定や成果を参考にしながら新しい目標を立てられるようになったため、入力作業が8分の1に軽減されています。

(3)人事手続効率化により人材価値最大化のための時間が生まれる
これまで上長自ら入力指示や内容チェックしていた時間が省略され、生まれた時間で人材価値最大化のための1on1ミーティングが、従業員とできるようになっています。

(4)新しい働き方にもkintoneは柔軟に対応
kintoneはクラウドサービスのため、コロナ過でテレワーク環境となっても問題なく対応しています。

自社サーバ型のローカルネットワークでは、新たなプログラム作成が必要になることと対比して、クラウド型の利便性が証明されました。

事例から学べる事

kintoneの情報一元化とコミュニケーション機能で、人事管理のデジタライゼーションが進展し、全グループメンバーの作業時間の効率化に成功しています。

またkintoneの自動更新機能でグループ内移動や上長の権限変化にも対応作業が不要となり、OneTeam組織文化が醸成されています。

このように特定部門のデジタライゼーションがデジタルトランスフォーメーションの基礎をつくっているのです。

全メンバーに関わる人事分野のデジタル化の影響の大きさを物語っています。

参照
https://kintonee-sol.cybozu.co.jp/cases/usen-next_holdings.html

おわりに

いずれの事例も情報のデジタル化、つまりデジタイゼーションで止まっていた事例でした。

既に導入されていたkintoneの実践的活用法が発見されたことで、デジタライゼーションに進みました。

kintoneのアプリ作成の容易性と柔軟性、拡張性により、組織変革たるデジタルトランスフォーメーションへの道を拡げています。

全従業員に関わる人事分野のデジタライゼーションが、デジタルトランスフォーメーションを醸成するのに最適なことを示した事例ともいえます。

DXは人事管理から始めてみてはいかがでしょうか。

著者:maru
2011年から中小企業診断士として経営コンサルタントをはじめる。
通常の企業経営コンサルから、無農薬農業経営、介護施設運営等の幅広い業種に関わり、
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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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