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紙媒体とWebサイトの情報収集モデル

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販促ツール内製化のメリットは、印刷方法の選択肢が広がり「コスト削減」以上に「時間短縮と営業費削減」「情報編集力の向上」という視点の重要性が浮かび上がってきます。

印刷物とともに注目すべき課題といえばWebサイトの活用です。

近年、Webサイトの情報により問い合わせやお申し込みを受けるなど、営業訪問をしなくても見込み客が集まるインサイドセールスが主流になってきています。

紙媒体とWebサイト、実際の情報編集やデザイン、活用方法を見ながら集客・販売促進効果が生まれる販促ツール内製化の運用モデルを考えてみましょう。

 

チラシ&POPなどの紙媒体の印刷

ネット印刷会社が新聞折り込みやポスティング業務を代行するようになってきました。データ入稿すれば、あとは配布まで手配するサービスです。

しかし、社内プリントで制作するチラシは、大量の印刷を必要とするわけではありません。DMあるいは手配り、営業利用などが考えられます。

いわゆるパーソナルメディアとしての活用を想定すると、マスメディア広告とは少し異なるアプローチで情報編集法を考える必要があります。

1つの例として、広告が「消費喚起」なら、自分たちで配付する営業目的のチラシ(リーフレット)は「将来の投資としての価値」を提案することが考えられます。

飲食店が店舗前を通る人たちにチラシを配る例で考えてみます。

広告や折込みチラシで「日替わりランチ880円」を打ち出す場合、紙面からはみ出すように写真をアップで配置し、料金や時間設定によって「食べたい」「限られた時間」などの枠組みから消費を喚起します。

しかし、準備に忙しい時間帯に店の周辺に立ってチラシを配付しても実際の効果は未知数です。

そこで、近隣の企業オフィスに直接営業を行う場合を考えてみましょう。

忙しい、あるいは少しでも休憩時間をゆっくり取りたいと思うビジネスマンに「早く・安く提供できるサービス」を提案することができます。

店にとっては「新たな価値の提案」、お客様にとっては「時間を大切にする」といったお互いに具体的な目標を共有することができます。

「身体を休めて午後に備えたい」と潜在的な欲求を持つお客様は、自身の判断で店のコンセプトに関心を持ちます。

コンセプトやサービスの見える化は1つの課題ですが、情報編集力という視点で捉えると意外な発想が浮かぶものです。この考え方は、Webサイトを使ったインサイドセールスにも関連します。

 

企画力強化と営業費削減のためのWebサイトの利用とインサイドセールス

Webで紹介されているインサイドセールス関連の情報を見ると、アメリカではWebカメラを使ったコミュニケーションを行う動的な活用が行われているようです。

しかし、日本ではWebサイトを通して新規問い合わせにつなげる静的な運用が実践的です。

検索対応を考えると「量と質」「全体構成」などですが、「誘導するページ構成」に沿って有効な情報を掲載する必要があります。

Webサイトを維持するのに大きな予算は必要ありません。むしろ、営業担当者が企業や家庭を11軒回って新規顧客を獲得するコストである「時間」を減らすことによって、「営業経費の削減」につなげる効果が生まれます。

前述したように、ネット印刷のコスト削減はまさしく「営業担当者が動いて発生する営業経費」をなくし、人的作業が必要な「DTPデザイン」や校正確認時間を省略、印刷機械を回すだけに特化した点と同じです。

営業経費を減らし、企画部門を強化しながらWebサイトを活用した営業モデルを構築する考え方は、企業が成長する大きなテーマと言えます。その基本的なスキルが「情報編集力」です。

 

お客様コミュニティの構築をするニュースレター&情報誌編集

営業活動用に制作するチラシの作り方の中で、「投資判断」というキーワードを紹介しました。

時系列でイメージすると「消費喚起」よりも先にある、少し先の将来の目標設定が浮かんでくるでしょう。それが「企業やお店のテーマやコンセプト」です。

加えて、「具体的目標」を発信することによって、コンセプトに関心を持つ人たちは自身の個別目標と重ねて商品価値に期待を抱くようになります。

前述したように「短時間で食事をしていただき、リラックスする時間を確保していただく」というコンセプトから、待ち時間を短くするメニューや接客マニュアルを考えたとしましょう。

具体的目標を「リラックス&リフレッシュ」として、定期的にニュースレターを発信して価値共有型コミュニティを運営する方法があります。

ランチですから味や店舗デザイン、接客の質が大きく影響しますが、「リラックス&リフレッシュ」というキャッチフレーズに対してお客様自身が個々の具体的なイメージに置き換えてしまう効果が期待できます。

「午後130分から始まる会議が多い中、15分ほど思考の整理をして午後の仕事にかかりたい」というような心理です。

時間は自分で創るものなのでお店が全責任を負うものではありませんが、「迅速な接客や待ち時間が少ないランチのおかげで、気分が楽になった」というように良心的な解釈につながります。

 

社内情報共有化による組織力強化が期待できる社内報編集

社内の情報紙は、情報を共有するために有効です。

しかし、様々な販促企画も社員一人ひとりが趣旨や方向性を理解して進めなければ、潜在能力の発揮や満足できる結果は得られません。

情報共有のポイントは、「方向性を論理的に見える化」することです。

社内報の多くは、事業部門の経営上有効な事例紹介とともに、家族や趣味などソフトな話題を加えることで組織としての考え方の浸透や帰属意識に一定の効果を上げています。

硬い情報ばかりでは社内コミュニティを円滑に進める役割が失われますが、状況に応じて社会情勢に応じた取り組みや考え方を紹介する記事も必要です。

比較的難しい解説になる可能性がありますが、図解資料を加えるなどの工夫をすることで社内の情報共有に役立ちます。

販促情報、会議の情報、社内報情報など、あらゆる場面で編集を担う人材の情報編集力が媒体に反映されます。

 

まとめ・・・紙媒体とWebの相乗効果

販促ツール内製化の2つの中心的媒体「紙媒体」と「Web媒体」編集のコツを簡単に紹介しました。

どちらもマスメディアによる広告宣伝と異なり、自社で編集をします。情報を常に客観的視点で検証しながら情報編集をすることが基本です。

販促ツール内製化により2つの媒体を効果的に運用し、販売促進につなげるポイントを簡単にまとめておきます。

「コンテンツで新規客を呼び込み、コミュニティ運営で固定客を増やす」という考え方です。

コンテンツとは、チラシで紹介した「リラックス&リフレッシュ」、Webで紹介した「インサイドセールス」の記事があります。企画と情報編集が強く結びついていることがわかります。

情報編集力を身につけるということは、アイデアの引き出しを増やし、会議や媒体を通して他者のアイデアや潜在能力を引き出すサポート役として組織に貢献することにもつながります。

情報を論理的に理解し運用する高い情報編集力を持つ人材活用を抜きにした経営戦略は成り立たないと言ってもよいでしょう。

 

著者:小林マサヤ

専門はWord・PowerPoint DTPとWebコンテンツ情報の編集。マスメディア広告の「消費喚起」に対し、「自己投資意欲」から「自己決定」へ誘導するコンテンツ&コミュニティマーケティングを提唱。企画力につながるビジネスマンの情報編集力、組織運営力を含むビジネス編集力の強化を提唱している。

 

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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