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長期政権の功罪

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こんにちは!栗原誠一郎です。

中国、国家主席の任期制限を撤廃

中国の全人代(全国人民代表大会)で、国家主席の任期制限(2期10年)を撤廃する憲法改正が承認されましたね。

これにより、習近平氏が長期にわたって国家主席の座にとどまることが可能になりました。

これを聞いた米国・トランプ大統領がアメリカも終身大統領があっても良いといつものように口を滑らせ、批判を受けているようですが、全人代では投票数2964票(欠席16)のうち、反対は2票、棄権は3票という圧倒的賛成多数で採決されました。

中国以外のマスメディアでは、習近平氏が汚職摘発を使って政敵を追い落したとか、今回の任期撤廃の採決を全人代の直前(8日前)に急に公表し、反対派に阻止する動きができないようにしたなどという批判的報道もあります。

しかし、一方で習近平氏が2013年に国家主席になってからの政治が受け入れられたという結果でもあると思います。

そうでなければ政治的工作だけでここまでの事はできないでしょう。

 

長期政権の功罪

国家にしろ、企業にしろ、組織のトップが誰であるかは、その組織の存続発展にとって非常に重要な要素であることは事実です。

したがって、そのトップが「良いリーダー」であれば、長期政権になることは、その組織の為にもなるとも言えます。

しかし、長期政権は様々な歪を生むのも事実でしょう。

長期政権になると、本人にその気が無くても権力の集中が自然と起きるようになります。

そして自分がやらねばという「責任感」の強いリーダーであればあるほど、権力の集中度合いは高まります。

そうなると、聞こえの良い情報以外は自分のところに上がってこなくなりますし、昨年から話題になっている所謂「忖度」が横行するようになります。

当たり前ですが「忖度」という言葉自体に本来悪い意味はありません。

良い部下の条件は、上司が一々指示しなくても、上司の気持ちを察して動いてくれる部下であることは間違いないでしょう。

しかし、この「忖度」がトップの意思とは別に、もしくは拡大解釈して、一人歩きするようになると話は別です。

また、決定的に重要な問題は、後継者が育たないということでしょう。

どんなに才能に恵まれている人材であっても、経験から学ぶものは大きい。

したがって、長期政権になる中で、本来、その後を継ぐべき人材との差が余計についてしまい、時間が経てば経つほど、後を託すという決断が難しくなって行きます。

 

トップになった者の役割

人により老化のスピードは違うとは言え、いつかは必ず死ぬ訳ですし、死ぬ直前まで全く老化しないということもありません。

後継者に引き継いだ後に、一旦組織的停滞があったとしても、基本的な素養があれば、自らがかつてそうだったように、その後継者も経験の中で、更に実力をつけていくでしょう。

したがって、自分がトップになった時、自分がその組織の為に責任感を持って働くことは勿論です。

もっと大切なことは、自分が引退した後にも輝き続けるような組織のビジョンを示し、そのビジョンを実現してくれる後継者を育てることではないでしょうか?

任期があるということは、後継者を育てることもトップの責任であることを意味しているものだと私は思います。

 

さて、皆さんは長期政権の功罪をどのように捉えますか?
また、皆さん自身は後継者をちゃんと育成していますか?

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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