こんにちは、株式会社Key-Performanceの井畑です。
前回の記事では、顧客からの信頼を得るための方法についてご紹介しました。
今回はちょっと具体的な話です。
前回の記事で「顧客の心理を読んだ導線を引く」というポイントをご紹介しました。
顧客の心理を分析する上で欠かせないのが「キーワード分析」です。
Google検索で使うキーワードとは、顧客と自社との最初の接点になる部分です。ココがズレているといつまでたっても顧客に出会うことが出来ません。
なぜキーワード分析が必要なのか?
人間の生活は「出来事」→「心情」→「行動」の繰り返し
ここで、お客様の生活を学校で習った国語の問題のように考えてみます。
みなさんは学校で習った国語の授業の内容を覚えていますか?国語の授業で一貫して言っていたのはこういうことでした。
「出来事が起こる」→「その出来事に対して、心情が変わる」→「心情が変わった結果、行動が起きる」という流れです。
簡単な例で言えば、「バカと言われる」→「悲しくなる」→「泣く」ですね。
ちょっとむずかしくするならば「『向上心のないやつはバカだ』と言われる」→「その言葉がきっかけで、自分の現状や未熟さに対して感じていた耐え難い苦痛と向き合うことになり、限界迎える」→「自殺をする」って流れですね。
その時の心情の複雑さによって文章のレベルは上がって行きましたが、小学校から大学受験で出るような問題まで、一貫して同じ流れを読み解く勉強をしていたわけです。
何が言いたいかというと、これは人間が行動を起こす流れそのものです。
そもそも、人間が「出来事が起こる」→「その出来事に対して、心情が変わる」→「心情が変わった結果、行動が起きる」という流れを繰り返して生きているから、国語もその勉強のためにこういう流れを教えるカリキュラムになるのです。
ビジネスの流れも「顧客に困りごとが生じる(出来事)」→「その困り事を解決したいと思う(心情)」→「困りごとを解決するために行動する(行動)」というふうに捉える事が出来ます。
では、話を更にWEBマーケティングに絞っていきましょう。
お客様の頭に浮かぶ文字が「キーワード」
例えば、体重が3年で10Kg増えてしまった人がいるとします。この人はいい加減痩せなければと思っているけど、なかなか行動が出来ていません。
こんな人が彼女に「いい加減痩せて欲しい」と言われてWEBで痩せる方法を検索するとします。
さあ、この人の頭の中にはどんな検索キーワードが並ぶでしょうか?
直接的なキーワードはこんなものだと思います。
・ダイエット 効果的
・ダイエット 運動
・ダイエット 食事
・ダイエット 方法
・ダイエット メニュー
・痩せる 方法
・運動 痩せる
・食事 痩せる
・痩せる方法
でも、こんなキーワードで検索をかける可能性だって考えられますよね?
・太る なぜ
・太りやすい食事
・年齢 太りやすい
・カロリー 太る
・痩せない 原因
「彼女から痩せろと言われる」→「痩せなければと思う」→「痩せるための情報を得るためにWEB検索をする」という行動だったはずなのに、検索に使うキーワードはこんなに多様なのです。
(例に上げたのはあくまで一部で、「ダイエット」や「痩せる」に関連するキーワードはこの何倍もの種類が検索されています。)
最初に書きましたが、顧客が検索するキーワードに合わせて自社の情報は発信していかない限り、いつまでたっても顧客と出会う事すら出来ません。
では、ここからはキーワード分析の具体的な手法をご紹介していきます。
キーワードの攻略方法
鍵となるのはペルソナ設定
先程例に出した「ダイエット」に関するキーワードは、なぜあんなに多様化したのでしょうか?キーワードの多様化は、「検索する人間の多様化」であると言えます。
つまり、痩せたい、ダイエットしたいと思っている人はとてもたくさんいて、その一人ひとり性格も置かれている状況も違います。
結果的に頭に浮かぶ「キーワード」も多様化すると言うことです。
もちろん、そのキーワードを一つ残らず全部拾い上げていくという考え方もありますが、ほとんどの場合、その戦略は競合に追い抜かれます。
企業の基本的なスタンスは「選択と集中」です。
顧客が検索するキーワードを見つけ出すのはもちろんですが、その中で効果的でないキーワードは狙わないようにしなければいけない。
そこで鍵となるのがペルソナ設定なのです。ペルソナを簡単にいうと、企業がマーケティングを行う際にイメージする、理想的な見込み顧客の事ですね。
みんなで会議する時にも、共通のターゲットを思い浮かべながらの方が意思疎通も出来るし効率もいいですよね。ちなみに、実在する人物でも、架空の人物でも可です。
効果的なキーワード設定は、予め存在するペルソナからスタートします。
もしまだ自社でペルソナがいないという方は決めておいた方が、マーケティング全体にとっても価値があります。
(ちなみにウチのペルソナは「長坂 雄太」さんという方です。僕らが関わっているお客様の最大公約数的な要素を集めた、架空の人物です。)
では、ペルソナ設定が済んでいると仮定して次に進みます。
キーワードの検討をつける
では、決まったペルソナを元にキーワードを選定していきましょう。
※ペルソナを架空の人物に設定されている場合も、ここではペルソナに比較的近い実際の顧客に対して調査を行ってください。
まずは、ペルソナが自社製品を使う事で解消している悩みを明確にします。
例えば「ニベアクリーム」だったら「手荒れで水作業が辛い」とかですね。
この部分はペルソナにアンケートやインタビューで出来るだけ正確に把握しておきましょう。
次に、同じくインタビューやアンケートなどで、その悩みを解決したいと思った時に、どんな言葉で検索するかを調査して下さい。
ここで得られるのは、いわゆる「定性的」な情報です。
自社の顧客を対象に行う調査なので質は高いですが、その人個人の変わった検索の仕方かもしれないという可能性を捨てきれません。
次に、ここで得られた「定性的」な情報を、さらに定量的に仕分けていきます。
検索数を調査してキーワードを決定
検索数を調べるツールとして優秀なのは「Googleキーワードプランナー」です。
Google広告を使っている場合はかなり詳細なデータが、もし使っていなかったとしても大まかなデータを得る事ができます。
キーワードプランナーで検索した時、月間検索数が1000以上のものが、狙うと効果的なキーワードです。
(ただし、自社のWEBサイトの状態によっては月間検索数100程度のキーワードを狙うことも必要になってきます)
この3行程を経て得られたキーワードを元に、WEBコンテンツを作成していきます。
では、また次回。
著者 井畑太佑
「いいものだらけの世の中へ」をテーマに起業家支援業を行う会社、株式会社Key-Performance取締役。「起業茶屋」という起業家支援イベントを主催し、年間500名以上の経営のお手伝いをしています。座右の銘は「粋で優しいバカでいろ」です。