こんにちは!栗原誠一郎です。
空前の起業ブーム
政府が副業を後押しし、企業も副業禁止規定を廃止する動きもあり、起業がブームになってきた感がありますね。
巷では起業に関心がある人のセミナーが目白押し。
最近では日経新聞にも企業で働くことの将来性を否定し、起業を勧める本の広告が大きく掲載されるようにまでなってきました。
当たり前ですが、起業して誰でも成功する訳ではありません。
何とか自分の生活をまかなえる位稼げる人でさえ、そんなに多くはありません。
そして、それ以前の問題として、事業として成長させようという発想で起業する人自体が少ないといっても良いでしょう。
副業・起業は否定すべきものか?
私は企業人の育成をしていますが、副業も賛成していますし、起業するような社員がいる事は良いことだと思っています。
長期雇用慣行のある日本の企業においても、社内だけの知見の蓄積で、現在の変化の激しい世の中で社会に貢献し続けるということは難しいでしょう。
したがって、社外との接点を増やし、どんどん視野を広げて、新しい技術やアイデアを取り入れていくことが必要不可欠です。
副業や起業がそういう成長志向をもったものであれば、それはその人にとっても、また企業にとってもプラスになるでしょう。
企業で働くのは生活のためか?
しかし、実態は、
・自分の時間が持ちたい
・会社に縛られたくない
そんな気持ちで起業に関心を持つ人が大半です。
どうしてこのような社員が増えてしまったのでしょうか?
企業で働くことは、個人ではできないような社会貢献を実現できることが醍醐味だと思います。
稟議制度というシステムは非常に優れた仕組みで、社長が判断するような大きな案件も起案という意味では一従業員でも可能です。
でも、そのような意識をもった社員はだんだん減っているのです。
これは、長い不況の中で、コストダウンとリスク回避に経営が力点を置きすぎたのが原因でしょう。
表向きは変革の必要性を説きながら、社員のチャレンジ精神に水を差すような状況になっているのです。
これでは、社員も企業で働く醍醐味を感じることはできず、生活のためだけに働くという意識になっていきます。
生活のためだけに働くのであれば、できるだけ自分の時間を持ちたいし、会社にも縛られたくない、そのような感覚になるのも仕方ありません。
企業の社会的役割・企業で働くことの意味を問い直す
確かに、「つぶれない」ことは大切です。
でも、それだけでは、社員の活力を引き出すことはできず、結果として成長もできないどころか、長期的には衰退して行きます。
今の起業ブームは、企業の社会的役割、そして企業で働くことの意味を、経営的にもそして社員にも考えてもらう時期に来ていることを示しているのかもしれませんね。
さて、皆さんは、企業の社会的役割、そして自分自身が企業で働くことの意味は何だと思いますか?