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中小中堅小売業でも使える!ChatGPTの活用のポイント【流通業編】

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ChatGPTは商品の流通や販売を行う分野でも、広く活用することができます。

従来、コールセンターで行っていた従業員から顧客への個別対応や、販売促進、市場調査や分析、需要予測、新商品の開発など、意外な分野まで活用することができます。

商品の提案、情報の問合せ対応

ChatGPTをチャットボット(自動回答システム)として活用すると、会話形式で顧客のニーズを収集し、商品提案することができます。

産業向け製品と違い、消費者向けの場合、商品の種類やメーカー、仕様、用途、価格のバリエーションが非常に豊富であり、顧客自身も、どの商品を購入すれば最も満足するかという悩みがあります。

従来は、その商品分野に精通した店頭の販売員が対応していましたが、1対1では対応能力に限界があります。

コールセンターなどへの問い合わせがなかなか繋がらないのは、典型的な事例です。

ChatGPTチャットボットを使えば、顧客のニーズを深く分析することができ、尚且つ複数の顧客に同時対応できるため、人手不足も解消できます。

さらに、在庫情報に紐づければ、どの店舗に何個あるか自動回答することもでき、売上の確保と過剰在庫の削減にも貢献します。

販売促進

購買履歴から顧客の好みに合わせて商品を提案することは、ChatGPTが得意な仕事です。

多くのネット通販では購買履歴に応じて同時購買する可能性の高い商品を自動的に推奨する仕組みがありますが、それを自社用に低コストで作成することができます。

また、購買履歴から自動的に推奨販売出来れば、販売チャンスロスを逃さず、売上の拡大が望めます。

さらに、ターゲットやニーズ、提案したい商材などの条件を指示すればセールスレターや販売促進策などは瞬時に考えてくれます。

市場調査や分析、需要予測への活用

ChatGPTは市場調査にも活用できます。知りたい内容を詳しく指示すれば、データがあるリンクを教えてくれます。

さらにExcelデータで集計された市場調査データも、テキストデータに変換しアップロードまたはコピーアンドペーストし読み込ませれば、分析まで行ってくれます。

さらに、家計調査年報などの世帯当たりの買い物実績データ調査し、設定した商圏内の世帯数を掛けて計算すると、商圏内の潜在需要を計算することが可能です。

新商品開発

商品名やキャッチフレーズなどのアイディア出しなどは、ChatGPTの得意とするところです。

ターゲットの特性(地域・性別・所得・ライフスタイル)などを限定し、商品情報を与えれば、いくらでも宣伝文句を考えてくれます。

しかし、この場合注意したいのは、ChatGPTはインターネット上の情報も収集するため、既に存在する商品名やキャッチフレーズも引用してしまう点です。

もし部分的でも利用すれば、商標権や著作権の侵害の恐れがあります。

また、ChatGPTが参考にするデータは過去のものであり、最新のトレンドには対応していない可能性もあることは留意すべきです。

ChatGPTを流通業で利用する際のポイント

流通業においても、様々なことができるChatGPTですが、所詮人間が作り出したシステムに過ぎません。決して万能ではないことを念頭に置きつつ、活用したいものです。

最新のトレンドは把握していない

ChatGPTは過去に学習したデータを元に判断し、文書を生成しています。そのため、今日発生した事柄や最近のトレンドに関する回答は出来ません。

ものごとの判定はしない

ChatGPTは、「商品Aと商品Bはどちらが優秀か?」などという判定はなかなか行ってくれません。

商品Aと商品Bの特徴データをChatGPTに収集させ、その上で人間が判断するといった利用方法が妥当でしょう。

持っていないデータは与える

ChatGPTは最新のトレンドデータは把握していませんが、必要な情報はこちらから与えてやれば、その内容を理解して文書を生成してくれます。

文書データはそのまま入力かコピーアンドペーストでOKですし、数値データも一旦テキストデータにして読み込ませれば理解できます。有料版であればファイルでアップロードも出来ます。

検証が必要

ChatGPTは既存のデータを大量に読み込んで学習し、指定の条件で文書を生成しますが、間違った判断や表現をすることもあります。重要な内容は別途検索したり、信頼性のある書籍等で検証したりする必要もあります。

さらに、他人の著作権やプラバシーを侵害していないかも調査する必要があるでしょう。

たたき台と思って活用する

ChatGPTは、キャッチフレーズや販売促進策、セールスレターなど、条件を指定すれば、そこそこ、そつのない文書を瞬時に生成してくれます。

項目や内容も総合的に示してくれる場合が多く、人間が完成させる前の「たたき台」の文書と思って活用するのがおすすめです。いわば自分の「私設秘書」的に活用するということです。

まとめ

小売業を始めとする中堅中小流通業は、接客応対や商品説明、販売促進など、人手に頼る仕事が多く存在します。

対面での業務は人にしか出来ませんが、インターネット上での接客や販売促進などは、ChatGPTを活用することで省力化が促進できますし、収益効果期待できます。

また、市場調査や需要予測などの専門的な分野においても、ChatGPTはデータさえあれば初期的な分析までやってくれます。

ChatGPTは著作権や個人情報の侵害など、いくつかの課題はありますが、省力化や収益効果など、私達中堅中小流通業に有益な要素も多く存在します。

先ずは自社の取組めそうな分野からトライしてみる価値はありそうです。

著者:hanbaishi
中小企業診断士。専門は経営・マーケティング・起業家指導・IT化支援。・TBC受験研究会にて診断士講座講師、福岡県産業・科学技術振興財団ベンチャースクール講師を経て、現在、専門学校で販売士検定・起業論・就職指導を行う。著作「中小企業のためのASPサービス導入に関する調査・研究(中小企業診断協会)」「繁盛店への道(財団法人福岡県企業振興公社刊)」等。趣味は黒鯛の落とし込み釣り、魚料理。

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記事監修者

栗原 誠一郎
大阪大学基礎工学部化学工学科卒業。
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社(旧三和総合研究所)に入社。
経営コンサルタントの中核メンバーとして、人事関連分野を中心に活動。

2016年2月、20年来の業務提携関係にあった株式会社日本経営開発研究所にシニアコンサルタントとして入社。
2017年4月、株式会社日本経営開発研究所の代表取締役所長に就任。

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