中堅企業が取り組むべきコンプライアンスの徹底方法その5 〜実務パート1〜

中堅企業のコンプライアンスの実務パート1

基本方針(社内ルール)の策定


「社内ルールを作る目的を明確にした上で、問題や改善点を的確につかむ」

会社組織を規律するために基本方針(社内ルール)の策定が、コンプライアンス体制作りの出発点となります。

その際、「法規範」も含めて自社のルールとして位置付けることが有用です。

コンプライアンス体制に向けた企業の具体的な行動につながるからです。

 

基本方針の策定については、形式や方法に規制があるわけではなく、就業規則や倫理規定のようなオフィシャルな社内ルールから、ガイドラインやパンフレットのような冊子、社長訓示など、さまざまな形があります。

どのような形にするかは、そのルールの重要性や内容によりますが、重要なのは社内ルールを作る目的を明確にさせることです。

他社を参考にするのは良いのですが、コンプライアンスの取り組みは各企業によって異なるので、他社の規程類を引き写しただけで完成するものではありません。

重要なのは、

・自社で問題なのは何か、何を改善しなくてはならないかを的確につかむこと

・数多くある法令の中でも、自社として特に注意して遵守する領域や分野、業務上のリスク・課題を明らかにし、それに対してどのような「方針」での臨むかを明確にしていくこと

が大切です。

当然のことながら、社内ルールのテーマを選択する場合、関連する法律や業界の自主規制などの内容を事前に調査することが必要です。

その内容を十分に分析・検討し、必要な事項をピックアップしていきます。

特に、ありがちな問題、間違いやすい問題、実務的に問題とされやすいリスクの高いテーマなどに絞って、重点項目を挙げていくことです。

また、自社内だけでは重要なポイントを見落としてしまうことがあるので、専門家の意見や同業他社など、外部の取り扱いも参考した方がいいでしょう。

 

社内規定の作り方


「正しい手順を踏んだ上で、従業員に対して分かりやすく、明確に規定する」

一般的に社内規程の策定は、以下のような手順で行われます。

1、特定の社内規程を制定するための「基本方針」を決める

2、参考資料・関連情報を収集し、項目を選定し、担当者が起案する

3、それをベースにして、法律の専門家や関連部署の意見などを聴き、社内で検討作業を行う

4、集まった意見を参考に練り直しを行い、文章を修正する

このような作業を経て、取締役会に上程し、取締役会決議(取締役会から授権された機関による決定)を受けて、正式決定となり、その後、代表取締役など経営トップから公表され、実施に移っていきます。

社内規程を作成する場合は、適用範囲を明らかにして、従業員に対して分かりやすく明確に示す必要があります。

それぞれの項目において、どういう場合にどういう結論になるのかを想定して定めることで、実効性を伴う社内規程が完成するのです。

 

【社内規程の策定手順】

1.社内規程制定の「基本方針」の決定

2.社内規程作成の「担当者」の選定

3.参考資料・関連情報の収集

4.項目選定と起案

5.関連部署・現場従業員、法律専門家などからの「意見聴取・検討作業」

6.訂正作業(練り直し・文集の修正など)

7.「取締役会」への上程・決議(取締役会から授権された機関による決定)

8.経営トップなどによる公表

 

企業倫理規定のあり方


「従業員に対するモラルアップへの行動指針となる」

企業倫理に関する社内でのルールの定め方については、確定した基準があるわけではないのですが、何らかの規程にまとめておくのが分かりやすいのです。

社是などは創業者やオーナー社長の意向が反映しやすく、シンプルで抽象的なものでも構いませんが、企業倫理は取締役会で決定し、組織として決定したことを明確にし、ルールの詳細な手続き・要件にも踏み込んでいくべきでしょう。

その上で、従業員に対してはガイドラインやマニュアルを渡すなどして、企業倫理を遵守しやすいようにすることです。

具体的な倫理規範を定めることは、従業員に対して倫理的な行動を取るように求める基盤となり、抽象的な精神論を説く社訓・社是とは意味合いが異なり、企業倫理規定ではかなり細かく具体的な問題について、遵守すべき行動規範を定めることも必要です。

企業倫理規定の存在は従業員の間においても、倫理の問題を継続的に考え、議論する契機となり、モラルアップへとつながります。

そうした点においても、規律正しい企業風土を醸成するために役立つでしょう。

 

著者:上田謙悟

中堅中小企業にとってますます重要となっているコンプライアンスに関して、単に法令を遵守するにとどまらず、企業活動の社会的な責任を果たし、従業員のポテンシャルを引き出し、モチベーションを高め事業展開を活性化していくシステムを構築し浸透させていくための方策などについて多くの企業に紹介している。

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